最近絶好調のチェ・グィファつながりではあるんですが…余りにも残虐な殺戮、夥しい数の犠牲者、卒倒しそうな量の血糊、韓国映画では空前絶後のスプラッター・アクションの衝撃作…「オオカミ狩り」

 

2017年、韓国とフィリピンの間で初めての犯罪人引き渡しが実施される。チャーター便で韓国の空港に47人の韓国人犯罪人が到着するが、被害者遺族の自爆テロで多数の死傷者が出てしまう。現在、2022年。犯罪人の空路での護送を断念した両政府は、大型貨物船での護送に切り替える。マニラ・コンテナ・ターミナルには5万8千トンの貨物船”フロンティア・タイタン”が横付けされ、20名の刑事と数十名の犯罪人と船員たちが乗り込み、釜山へ向けての出港準備に忙しい。犯人たちの中には、インターポールのレッド・ノーティス(指名手配リスト)にも載るレイプ殺人鬼パク・チョンドゥや若き大量虐殺犯イ・ドイルも含まれる。一方、釜山の船舶交通管理センターには海兵隊の護送作戦責任者オ・デウンが乗り込み、全ての権限を掌握して護送作戦に当たる。船は17:00に予定通り出港し、間もなく公海に出る。しかし、チョンドゥは口腔内に埋め込んだ針金を取り出し手錠を外し、船員の犯罪人内通者たちは武器を準備している。さらには、船底にも謎の囚人が眠っている。巨大な海上の密室を舞台にした凄まじい殺戮戦のお膳立が揃ったのだ…

 

全身入れ墨の囚人で13人のレイプ殺人犯パク・チョンドゥに、「パイプライン」の二枚目ソ・イングク、若き大量虐殺犯イ・ドイルに、「ビューティフル・デイズ」でイ・ナヨンと共演した羨ましい好青年チャン・ドンユン、釜山の護送責任者オ・デウンに、『パリの恋人』から応援するソン・ドンイル、護送主任刑事イ・ソグに、渋い中年二枚目パク・ホサン、美形の女刑事イ・ダヨンに、「パパとムスメの7日間」のチョン・ソミン、殺人犯コ・ゴンベに、今回も愛嬌たっぷりのコ・チャンソク、下品ド派手な女囚人チェ・ミョンジュに、大ファンのチャン・ヨンナム、年老いた囚人ソン・スチョルに、渋いソン・ジョンハク、医師イ・ギョンホに、お馴染みイ・ソンウク、謎の集団ピョ理事に、長身二枚目イム・ジュファン、謎の囚人アルファに、チェ・グィファ、驚くほどの美形刑事チョ・スジンに、「スレイト」主演で大注目の美形アン・ジヘ。

 

全く勝手な感覚ですが、韓国映画での、スプラッター度No.1は「師の恩」、流血量No.1は「親切なクムジャさん」だと思ってましたが、そんなのはお子様ランチみたいなもんだ、と思い知らされる凄まじさです。ストーリーにはある仕掛けが組み込まれていて、それが評価を激しく分けてたりするので触れるわけにはいきませんが、まぁ余りの残虐描写に、ストーリーがどうあれ観た感想は余り左右されないかもしれません。残虐なだけではなく、アクションも巨大な密室となる貨物船の映画美術も見事で、世界のファンタジーとかファンタスティックとかがつく映画祭から数多く招待されてたりするので、ある嗜好分野では実力を認められる可能性はありますが、かなり特異な分野の映画と評されても仕方ないでしょう。

 

とにかく、四肢や血飛沫が乱舞するゴア・ムービーとかスプラッター・ムービーとかに十二分に慣れ親しんだ方以外には、厳格な接近禁止命令が必要だと思われます。また、熱く応援している俳優が出ていたとしても、彼(彼女)が生き残る確率は極めて低いので、そっちからのアプローチも無謀でしょう。実は、エンディングがあからさまに”続編”への期待を煽る仕掛けになっているんですが、どうやら損益分岐点をはるかに下回る興行成績だったようなので、それも難しいかもしれません。個人的には、是非観てみたいんですが…