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中央園芸のブログ

(株)中央園芸の庭づくりの様子や、日々の出来事

こんばんは、押田です。久しぶりのブログ更新です!

最近、「子供が遊べる庭」、というのをよく考えています。



これは、うちの庭のブランコです。


この木は私の祖母(もう亡くなりましたが・・)が植えたハクレンの木。

数十年が経ち、立派な木に。

数年前にロープをぶら下げて、ブランコにしました。


子供はブランコがとても好きです。

これでよく遊びます。

写真は何か落ち込んでいるように見えますが、そんなことはありません。

散々ブランコで遊び、

途中、風を感じているのだと思います~





中央園芸では、今まで庭の中に子供用のブランコをいくつか施工してきました。

熊谷市のあるお宅。

園路の左側、2本のコナラにかかるブランコです。

手前の四角いものは砂場的なもの。土を触ったり、泥遊びをするところ。


このお宅は、広い芝生の庭に雑木の木立をアプローチ園路沿いに点々としてあります。

芝生地といっても、小高い丘になっています。

盛り土をするのに土は一切入れていません。

今まであった既存の土で丘をつくりました。




こちらは、昨年12月施工のお宅。

こちらも2本のコナラのブランコです。

こちらも緩やかな傾斜の上。




このお宅の施工中の時の写真。

整地や仕上げの作業中、完成したブランコで遊ぶA宅のお孫さんたち。

この日遊びに来たお孫さんは、一直線にブランコに走りました。


子供にとってブランコは絶大な支持があります。




こちらは、今年の2月に施工したお宅。

こちらも緩やかな丘の上に2本のコナラのブランコ。


しかしブランコをするところは、人の足でかなり踏み固められることが予想されます。

そのため、コナラの根の周りは、枯れ枝や落ち葉、ウッドチップなどを適度に敷き詰め、クッション代わりにしています。

木の下が踏み固められると、木々の成長を妨げます。

また、空気と水の流れを確保するため、竹の筒を数本コナラの根の周りに通しています。

これで子供と木々が共存できる!




そして現在施工中の群馬県T宅。

こちらは周囲の目隠しを兼ねて、コナラとシラカシのブランコです。


ブランコを作るときは、木がしっかりした6~7mのコナラをよく使いますが、

ここはスペースの都合上、あまり大きな木ではありません。

せいぜい4~5mです。

そのため、少し支柱をし、ブランコを補強しました。




基本的に、子供用のブランコなのですが、一応、施工後は安全を確かめるため、何回かブランコに乗ってみます。

今回は私が試乗してみました!




思わず、笑みがこぼれます・・・。

大人がやってもブランコはやっぱり楽しい。

この時、そう確信しました!





施工中のT宅。

広いデッキがありますが、昨年は木がほとんどなかったため、夏は相当暑かったそう。

残念ながら真夏には、デッキには出られなかったとのことでした。


真夏に木陰ができるよう、コナラを主木とした植栽をします。


また、このお宅は、コンクリート擁壁に囲まれ、水はけがとても悪い庭になっていました。

最近本当に多いですが、水の逃げ場がなく、いつまでも水たまりが出来てしまう。




施工中の様子。

私は庭を作るとき、まず深く穴を掘ってどのような土になっているのか調べてみます。

途中、粘土が出てきました。

試しに水を入れてみると、水が抜けません。

そういえば元々は田んぼだったとか・・・。




重機で深さの限界まで掘った後は、人力で!

両スコップを使いさらに掘り進めます。




ここで砂利の層が出てきました。

水を入れてみると、今度はすぐに水が抜けます。この土地の水脈に繋がったようです。




地下の水脈と地上とを竹筒で繋ぎます。

土の中と地上の空気と水が常に動くようにすることが、樹木の成育を健全にします。


竹を差し込んだ後は、木の枝や竹炭などの有機物を投入、この土地から出てきた玉石もバランスを見ながら戻します。




そして、少しずつ埋め戻していきます。

こんな排水の穴を水が溜まりそうなところを見計らって、数箇所開けました。

これで、大地が呼吸し、木々も健全に成長する。



前庭に向かう園路。デッキの横付近です。

横にはコンクリート擁壁が見えます。


植栽したいスペースの土を堆肥や炭を入れながら耕すと、こんもりとした丘になります。

地形の落差が出来たところに木を植える。


ここでは木陰の欲しいデッキの前と、周囲の目隠しを兼ねた外周に木を植えました。

そして木を植えた間に道を作る。


園路上の道は平らではなく、真ん中を少し高くしたかまぼこ状に、

そして、園路と植栽スペースの境は溝を掘り、見た目も心地よい、緩やかな曲線に。




元々このお宅には既存の土がたくさんありました。

これを残土として運び出しても意味がありません。

これをどのように活かしていくのかが、この庭のポイントとなりました。

しかし、庭の中に小高い丘があったり、緩やかな傾斜があったほうが、子供は遊び心をくすぐります。




デッキから見た前庭。

まだ施工中ですが、ブランコがあったり、木の階段があったり・・・。

最終的には芝を張ります。


実は、この庭の前には、公共の公園が。

滑り台が見えますね。子供にとっては最高の環境ですね。




話は変わりますが、これは以前訪れた京都竜安寺のつくばいでの光景。

裸足でつくばいで遊ぶ女の子に思わず見とれてしまいました。




ここは、うちの庭。

今年、自宅のモデル庭園を少し改修し、雑木の庭の中に筧やつくばいを設置しました。


こうやって水を出すと子供が喜ぶんです~




水をひしゃくで上手にすくいます!

子供にとって、水遊びはとても楽しいものだと思います。




それから、こちらもうちの庭にある切り株風の飛び石。

これも子供は好きですね~

ケン・ケン・パ!です。




そして、本日の現場です。今日はようやく晴れました。

こちらもデッキの前の植栽の依頼。

やはり夏場暑くて・・・というお客さん。






こちらもコナラを主木とした植栽。

既存の土壌は良好でしたが、土の香りがしない・・・。




そこで有効なのが、「落ち葉仕上げ」。

剪定枝を1~2年寝かせたものを表土に敷く。


横に見える竹の筒は、1m近く土の中に入っています。竹は節を割ってあります。

これで大地を呼吸させる。

お客さんには、水をくれるときは、「この竹の中にも水を入れる」よう、説明しています。




土の香りが漂い、とてもしっとりとした雰囲気に!


見せかけだけの植栽ではなく、しっかりと大地が呼吸し、微生物もたくさんいる!

健全な森のような環境に近づけることで、ふかふかの土が出来上がり、雨が降った時もこの木々がたくさんの水を吸ってくれる。




今日の作業も終わりました~


子供が遊ぶ庭も、まずは健康な木々があってこそ。

病弱な木々の中では、子供たちが元気に遊べるはずはない!そう私は思います。



今の子供たちは、土を触る機会も少なくなりました。

できるだけ子供たちには、本物の土に触れてもらい、

土の匂いを嗅いだり、小さな昆虫とたわむれたり、水で遊んだり・・・


そして落ち葉をかきわければ、ミミズがいたり、ダンゴムシがいたり・・・

子供はそれだけでも大きな発見ですね。

そうやって小さな虫たちが森を作ってる!なんていうと子供は結構感動したりするんです。






これは、昨年の4月下旬の写真。

今から待ち遠しい新緑の季節、うちの自宅の庭です。


木々が健康で、子供が真夏でも外で遊べる庭、

増やして行きたいです!



























ご無沙汰でした、押田です。久々のブログ更新です。

リビングからは軽井沢、和室からは京都の風情、理想の暮らしは里山暮らし③

今回は、「理想の暮らしは里山暮らし」編です。




最近、庭を作る方のほとんどが、庭の中に「菜園」のスペースを取るようになりました。

ここは、昨年10月施工の久喜市のお宅。




こちらは、伊勢崎市のお宅。

落ち葉は落ち葉ストックにストックし、堆肥化させ、菜園で使う。

庭の中で資源が循環します。

落ち葉をビニール袋に入れて捨てる必要はありません。




こちらは館林市のお宅。これは広い!




このお宅、裏庭にも菜園を作りました。

昨年の12月、堆肥や竹炭を混ぜ、ざっくりと畑を耕しました。


大地の再生講座の矢野智徳さんが言われてましたが、

「今の畑はトラクターなどで、耕しすぎる。

粒子を細かくしすぎるので、冬に乾燥した土が吹きとばされる。」


そういえば、私の住む埼玉県北地域は、冬の赤城おろし、というのがあります。

群馬県赤城山からの冬の乾燥した冷たい北風です。上州からっ風、ともいわれます。


この風が吹く冬期は、風と一緒に、土埃が吹き荒れます。

深谷や本庄あたり、きれいに耕した畑から土が大量に飛散します。


畑を耕しすぎるというのは、こんなところにも影響するのかと私は推測しています。


この菜園でも、一昔前の畑のように、あまり細かく耕しすぎないようにしています。

そして、春まで陽の光を当て、霜が降り、土壌が徐々に改善されていく・・・。

「あとは、自然がやってくれる!」

矢野さんがよく言われる言葉です。






私は、昨年から自宅で野菜作りを始めました。昨年の7月の写真です。

やり方は自然農法で、矢野さんの大地の再生講座で教わったやり方です。


畑は草をむしることはありません。

草を刈り、そのまま作物の周りへ。

これが土の乾燥を防ぎ、刈り草も堆肥として土に還っていきます。


周りは高く畝をつくり、途中途中に数十センチの縦穴を掘ります。

庭づくりでやっている、水脈、気脈の考えです。





8月の写真。

仕事の合間に畑を見ているので、1~2週間すると、草も相当伸びます。

しかしこんな状態でも、しっかりとトマトは実をつけました。

もちろん農薬はやっていません。




僕は実はトマトは苦手でした。

小学校の給食でも、なかなか食べられず、よく放課後残ってトマトと格闘していたのを思い出します。


しかし、自分で作ってみると、なんだか食べられるような気がしました。


「真夏の畑でトマトをかじる」、というのは、誰もが憧れる夢?だと思いますが、」

私も何年ぶりか、恐る恐るトマトを口にしました。


「うっ、うまい!」


トマトってうまいじゃないか!!

甘酸っぱい自然の味がしました。




「まるで宝石箱や~」

収穫したミニトマトは本当にきれい。

僕はトマト嫌いを何と克服してしましました!





さらに昨年は「味噌づくり」に挑戦しました!

7月1日、草だらけの畑を一部、大豆畑に。

現場の仕事の合間、一人での作業です。




7月5日、大豆を蒔きました。在来種の大豆です。

ちょっと畝が深すぎ、土が崩れそうな感じがしましたが、

あとは自然が何とかしてくれる、はずです・・・。




7月14日、大豆がいくつか芽を出し始めました!

早速、落ち葉を敷いて、マルチング。


これが土の乾燥を防ぎ、草の発生も軽減します。そして、堆肥にもなる。土も飛散しません。

一石三鳥か四鳥!

庭づくりと野菜作りは同じであること、この時、私は確信しました。




8月9日。大豆はしっかりと芽を出し、大きく成長してきました。

畝の周りは、草で覆われ、土も流れなくなってきました。

恐るべき草の力です。

やっぱり自然が何とかしてくれました~





8月20日。草の成育もピークです。

お盆休みも間に入り、大豆のことはすっかり忘れていました~


しかし、ここも草を抜くことはせず、草を刈り、そのまま作物の周りへ。

草を刈るだけなので、作業は短時間で終わります。

現場に行く前、夕方、そんな作業を何回か繰り返し、何とか管理していきました。






9月14日。大豆もかなり大きくなりました。

もうほとんど草が生える余地はありません。




しかし、この頃、カナブンのような虫が大量に発生しました。

さすがに無農薬では厳しいのか?

そんなことが頭をよぎりましたが、必死にカナブンみたいな虫を「デコピン」で駆除。

何とかこの状況を打破しました。






中をよく見ると実が生り始めていました。

ここまで来たら、何とか収穫したい!

虫にめげずに、大豆よ、何とかなってくれ~という心境でした。




やはり大豆は強かった!

11月13日、大豆はしっかりと実を付け、あとは収穫を待つのみになりました。

この頃になると、草もほとんど枯れてきます。




12月に入り、収穫です!

結果的には、豊作でした。やはり自然農法の力、恐るべしです。




そして、年が明け、念願の味噌作りです。

大豆の種をもらった地元の友人に教わり、初めての味噌作りを体験しました。




大豆をじっくりとコトコトと茹でて、




塩や麹を混ぜて、





よく練り、、、




仕込み、完成です。

これで今年の秋頃に味噌が出来上がるということになりました!

これで約2kg。


大豆は栽培も簡単だったので、来年はもっと量を増やし、木桶で味噌を仕込みたい!

そんな夢が膨らみます。自分はどこに向かっているのか・・・。




さて、こちらは自社で作った野菜と、母親が作った野菜。

昨年末から、我が社では、現場で炊き出しをするようになりました。




調理器具はロケットストーブ。

現場にある木の枝が燃料です。


調理は前職が調理人だった桜井君が担当しました。




しかしながら、ひとつ問題が発覚!

火をおこしている20代のこの二人、今まで焚き火をしたことがない、ということがこの日判明しました。

確かに、今、野焼きをすることはほぼ禁止されているし、バーベキューをやっても着火剤やバーナーで火がついてしまう。

こうやって火をおこすこともとても大事な経験なのか、と思いました。




そんな、こんなで料理が出来上がりました。

野外で時間をあまりかけずに、簡単に出来るのは、やはりうどんです。




別の日は醤油ベースのうどん。





また別の日は、深谷名物の「煮ぼうとう」。




この日もまたまたうどん!!


埼玉県北の人はよくうどんを食べます。

深谷の煮ぼうとうや本庄名物のおっきりこみ。

冬の炊き出しをするときは、やっぱりうどんですね。

何だか、お腹が空いてきました・・・。





この日も煮ぼうとう。

完成したばかりのデッキの上での昼食。

お客さんにも、おすそ分けをいただきました。










そろそろ、植木の話題に・・・。


庭の梅の木も満開となりました。

冬の青空はとても澄んでいます。





そして、今年も庭づくりが始まりました。





今年の1件目は、地元、寄居町にて。

平屋の建物、薪ストーブの煙突がかわいらしいお宅。




穴を掘ってみると、もともと、この場所が駐車場だったため、建設残土が・・・。

しかもかなり締固められています。





こうなったら、重機2台を投入。

できるだけ深く、土壌を掘り進めてみました。




1m下は既存の土壌が現れました。



悪い土だからといって土を持ち出すこと、良質の客土を持ち込むことは極力避けています。

「持ち込まない、持ち出さない。」


現場の土をどうしたら再生できるか?
あるのもを活かす、というやり方です。


硬い建設残土は1mほど。その下は既存の土。これが良い土で救われました。

数メートル土をほぐし、堆肥や竹炭を入れ、土を、混ぜました。




というわけで、何とか植栽できる状態になってきました。

締め固まっている土をほぐすと、空気が入るため、土が膨らみ、土の量が増えてきます。

ここに植栽することで、地形落差ができる。そして木は元気に育つ。




ようやく、久しぶりの植栽作業。

木を植えることは、本当に楽しい作業です。

建物の周り、みるみる景色が変わっていきます。




大きなコナラも植えていきます。高さ6~7mクラスのコナラです。

こういう建物にコナラはとても良く合います。






というわけで、まだまだ施工途中でありますが・・・。

このお宅も庭の中に菜園を作る予定。


最近、このようなお宅が本当に増えてきました。

庭で野菜をつくりたい。

自分で食べるものは自分で作りたい。

庭の菜園で物足りなくなれば、地方には耕作放棄地が溢れています。


落ち葉も堆肥にして、菜園で使用し、薪ストーブで暖をとる。

夏は葉を茂らせたコナラが大きな木陰を作り、クーラーに頼りすぎずに、涼しく過ごす。

コナラも太い枝を切ることになれば、薪や椎茸の原木にもなる・・・。


里山暮らしに憧れる人はとても増えてきています。

一昔前に我々日本人が行ってきた暮らしの知恵を、現代の生活の中で活かす。


昔の里山暮らしを知れば知るほど、自然や生き物、そして人間にとっても理想的の暮らし方なのだと実感します。


今年も庭づくりにおいて、そんなお手伝いができれば、と思います。

またまた長いブログになりました。長文にお付き合いいただきありがとうございます。

今年もよろしくお願いします。





こんばんは、押田です。

みなさんは、京都は好きですか?僕は大好きです。

日本人で、京都が嫌いな人はほとんどいないと思いますが・・・。

今や世界一の観光都市ともいわれる京都。

日本人だけでなく、世界中の人々からも注目されていますね。


今回のブログは、前回の

「リビングからは軽井沢、和室からは京都の風情、理想の暮らしは里山暮らし」の②

今回は、京都、きらめ樹編です。


僕は大学時代から一人旅に行くようになりました。今でこそ一人旅は行きませんが、

日本各地から、世界中(数カ国ですが・・・)と、バックパッカーとして、旅するようになりました。


僕が大学3年の時、最初に行った一人旅。

行き先は、迷わず、「京都」でした。

中学の修学旅行以来、京都には、いつかゆっくり旅してみたいと思い続けてきました。


昨年、造園連の関係で、10数年ぶりに京都に8月と10月の2回も!訪れる機会がありました。

以前、このことはブログにも書きましたが、

久しぶりの京都は、やっぱり素晴らしかったです。少し、振り返ります。



2014年の8月、天ぷら料理の名店、「吉川」。

部屋の中から見る美しい景色に、圧倒されてしまいました。




庭を眺めながら、お茶を頂きました。

この時は植木屋さん10人くらいで行きました。

普段は庭づくりの仕事を行っている我々でも、

「やっぱり、和庭っていいなぁ~、家の中から、こんな景色が眺められたら・・・」

と改めて思いました。




こちらは、石庭で有名な、「龍安寺」での一コマ。


裸足で外国人の女の子がつくばいで遊びます。

このつくばいは、「吾唯足知(われただたるを知る)」 という、とても有名なつくばいです。

周りにも、近くで写真撮ろうと、人がたくさん並んでいましたが、この微笑ましい光景に

みなさん、じっと待たれていました。

日本庭園では、よく用いられる、つくばいですが、海外の方、しかも小さなお子さんも興味があるのだということが、とても嬉しかったです。




清水寺付近のある、お土産屋さん。

わずかなスペースでも、灯篭を置き、景色をつくることで、「京都らしさ」を演出しています。


「最近和庭、日本庭園を作ってないなぁ~、作りたいな~」

こんなことを思いながら、京都を旅行したのを思い出しました。







さて、ここは、群馬県のとある現場。打ち合わせ時の写真です。


思っていれば、願いは叶うものです。


和室があり、景色を眺める窓がありました。

ここは、「和庭」をつくるしかありません。



ここから見える景色を京都みたいにしたいと思いました。













そして、工事に入ります。


窓から外を見たときに、隣のお宅が少し気になりました。


まず、行ったものが、隣地との視線を遮断する、遮蔽垣をつくるということ。


今回は、遮蔽垣として、【檜(ひのき)皮 塀】をつくることにしました。





まずは、柱を建てて、コンパネ(国産)を張ります。


手前の溝は、生きた大地にするための、水脈です。








タッカー等で、檜の皮をコンパネに打ち付けていきます。








ほぼ、張り終わりました。





次に、檜の皮が剥がれにくいように、竹や焼き板を当てて、仕上げます。

今回はコンパネを使い、そこにひのきの皮を張っていきましたが、この辺は、板を張ったり、色々なやり方があると思います。







さて、この「ひのきの皮」なんですが、これは買ってきたものではありません。

これは、ただのひのきの皮ではないんです。

とても意味のあるものなんです・・・・。











こちらは、埼玉県毛呂山町。

私の母親の実家の山林。

檜の森が約5ヘクタール。今年の6月下旬の写真です。


50~60年前に落葉樹主体の雑木林を切り倒し、杉や檜を植えた山林です。


お隣の飯能市では、「西川材」という優良ブランド材がありますが、ここ毛呂山町もその流れを汲んでいます。当時は、木材を生産しようと、日本中で杉や檜の植林が行われました。


しかしながら、時代は変化し、コストの安い外国の木材を使うことが、主流になってしまいました。

需要が少なくなり、お金にならなければ、山は放置されます。

そして、日本の林業は衰退していきました。


植林して、50~60年が経ち、本来なら、今が切り頃なのかもしれませんが、

山に全く手が入らずこんな状態に・・・・。


木は太らず、いわゆる線香のような林。いわゆる、線香林です。







林内は、ほとんど陽が当たらないため、地面は下草がなく、土がほぼむき出しの状態。






森の外は、晴れていても、檜の林の中は、薄暗く、生き物の気配がありません。

鳥の鳴き声もほとんど聞かれず、とても静か、「シーン」としています。

生き物といえば、蚊がいるくらいでしょうか。


下草がないため、土が流れます。土砂崩れ寸前です。


こんな森、実は日本中あちこちにあるんです。

日本は森林が豊かな国、というイメージがあるかもしれませんが、

実はそうでもありません。


今やこのような崩壊寸前の人工林は国土の4割にも及ぶそうです。

それでも、森は放置され、熱帯雨林などの原生林から大量の外材を輸入している現状です。

そして、現在日本は、世界最大の木材輸入国となってしまったようです。

1年間で、四国の面積分の原生林がなくなっているという現実、皆さんはご存知でしょうか?


私もこの現状を知って、とてもやりきれない思いになりました。

何とかこの状況を変えることはできないだろうか?

この森を、生きた森に再生できないだろうか?









これ、できるんです!




まず、これを解決するには、

間伐してあげることです。


間伐というのは、木を間引くことです。


しかしながら、これがなかなか難しい・・・。

材木は重いし、伐採するのもとても大変な作業です。












こんな時に出会ったのが、きらめ樹です!





きらめ樹、といって、杉やひのきの皮をむき、立ち枯れさせる。

木を自然乾燥させ、軽くなったところで、間伐(伐採)をする、というやり方です。

乾燥させてから、伐採をすることで、丸太の運び出しが劇的に楽になります。


そして、間伐をすることで、森に光が入ります。

光が入れば、地面には、下草が茂り、鳥や動物たちも帰ってくる。

森は生きた森、恵みの森へと変わっていきます!


きらめ樹について、詳しくは、【NPO法人 森の蘇り】まで

http://mori-no-yomigaeri.org





見よう見まねで、檜の皮を剥いてみました。


皮をむくと、キラキラと輝く幹肌が現れます。

このあたりが、きらめ樹、というネーミングになったのだと思います。


とてもかわいそうだという気持ちもありますが、このまま、森が死んでしまっては、意味がありません。

何とか、活かしてあげたい、森を復活させたい、という思いで、皮をむきます。



「きらめ樹(きらめき)~」


という掛け声が毛呂山の森に、こだまします。


本来、木の皮はきらめ樹をやっている人の間では、あまり使い道がないと考えられてきました。

でも、この皮は何か使えそうだということで、僕はストックすることにしました。




きらめ樹によって集めたひのきの皮。





軽トラックで運べるサイズに切りとりました。





空を見上げます。

きらめ樹をした、手前の木を間伐してあげれば、光が入ります。

残した木はまた、太らせ、後に材木として取ればいい。


今回、6月と8月下旬に、試験的にきらめ樹間伐を行いました。


「この皮、和庭で使ってみよう!」


「杉皮塀」というのは、造園の世界でもよく見かけるものなのですが、

檜の皮を使って、遮蔽垣を作ってみよう!と思いました。


今回、ちょうど先程の和庭の施工とほぼ同時期だったため、

今回の「檜皮塀」を施工することに至った訳であります。




大変前置きが長くなりましたが、和室の中からの写真。


山からの恵みをこの庭で活かす!


和室からの景色、【檜皮塀】によって、グッと京都らしくなりました。




施工前はこんな状態だったわけですから、だいぶ変わりましたね~




そこから、植栽を入れ、






灯篭を置きました。

今回使用したものは、水蛍(みずほたる)灯篭。

茨城の真壁まで買いに行きました。





仕上げは「落ち葉仕上げ」。

和庭では、苔を張ることが多いかもしれません。

しかし、この現場では、日照が少ないことと、今後の管理のしやすさを優先し、

いつもの中央園芸スタイルである、落ち葉仕上げにしました。


この落ち葉仕上げ、いくつものメリットがあります。

表土を乾燥から守る。

草の発生を抑える。

そして、微生物の働きを活発化させ、良い土壌をつくる、


ということでしょうか。


とても和庭にも合う、と思いました。





そして、和庭、完成しました!

うん、京都っぽい



和室からは、京都の風情。


京都っぽい、京都らしい雰囲気など、とてもざっくりした言い方ですが、

前回のブログの「軽井沢みたいな雰囲気」など、

和庭、日本庭園を表現する際、

「京都みたいな雰囲気」、というのはとてもわかりやすいものだと自分では思っています。


今の子供たちにも、あまり大掛かりなものでなくとも、日本庭園の文化というのは、もっと身近に感じて欲しいと思います。

そして、心の奥底にある、日本人独特の美意識や価値観などをこのような景色を通じて、共有できれば、と思います。



今回の群馬の現場のように、リビングからは軽井沢の雰囲気、でも、和室の前は、京都の風情

そんな景色がひとつの家の中にあるって、とても幸せなことではないでしょうか?



また、今回、ひのきの皮を荒れた山から採取してきました。

来春には、今度は檜本体を伐採します。


その木材を製材すれば、今回の檜皮塀の柱やコンパネの代わりの木材としても使用できる。

普段施工している、ウッドフェンス(木柵)や、デッキ材料にもなる。


荒れた山林は実は宝の山!

夢は広がります。






最後にもう一つ、同じく群馬県、館林での現場。





施工前。

仕立て物の植木があり、庭石があり、いわゆる昔の庭。

庭をリフォームすることになりました。



家の中から見た写真。

もっと庭を楽しめたら、と感じました。





このお宅は、物置きなどを解体したとき出た、水鉢や古瓦、石臼、石材などがたくさんありました。

廃棄してしまえばただのゴミですが、もう一度新しい息吹を吹込むように利用できたら・・・。


前庭の物置きを解体した跡地は、雑木の庭のスペースにしますが、

ほんの一角を「和」のスペースにしたいと思いました。

水道もあったので、水鉢を置き、筧から水を流すことにしました。




そして今日の写真。完成です。

古くからこの家にあった古材が、生き返りました!






コンクリートがむき出しのスペースも、焼き板と、竹を組み合わせた、ウッドデッキにしました。


そして完成したばかりのこのスペースで、3時のお茶をいただきました。


水が流れる音というのは、本当にいいものです。

筧から落ちる水の音を聞きながらの束の間の休憩。


忙しい師走の土曜日、群馬県館林にて、ふっと京都の風情を感じた瞬間でした。


和の空間であろうと、もっと生活の一部として、庭を楽しんでもらいたい。

それは、たくさんお金をかけなくとも、家にあるものや山の材料でもいい。


そして、日本人の心の奥底にある原風景や、ものを大切にする気持ち、精神性・・・。

そんな風景を限られた庭の空間の中で、多少なりとも感じていただけたら、と思います。



リビングからは軽井沢、和室からは京都の風情、理想の暮らしは里山暮らし、②

次回は、理想の暮らしは里山暮らし 編です。





こんばんは、押田です。

私は日本造園組合連合会という団体に所属しています。この団体は全国組織なので、日本全国の造園に携わる方にお会いする機会がよくあります。


そんな団体の方にお会いして、よく耳にすることは、

「若手、後継者がいない」、

「庭づくりの仕事がない、特に日本庭園を作る機会が少ない」、

「安い仕事しかない・・・」などです。


あるデータでは、1軒の家で庭にかけるお金の平均は、30万円くらいという数字も出てしまいました。

予算的な事情や、庭を作るスペースがない、などの理由もあるとは思います。

しかし、実際に家を建てるのに、2000万や3000万位のお金は使っていますし、今や軽自動車でも100万以上はしてしまいます。

それに比べると、庭にかけるお金がいかに少ないか、ということがわかります。



しかし、実際に造園(特に庭づくり)の仕事をしている方は、

「こんな良い仕事はない!、毎日仕事をするのが楽しい!」

と思って日々仕事をされている方がほとんどだと思います。


もちろん、自分自身も大好きな木々に囲まれ、自分のやりたいこと、表現したいことが仕事として出来る訳ですから、それは毎日が楽しくて仕方がありません。


そう考えると、造園という仕事の魅力が一般の方にうまく伝わっていないように思います。



今回のブログのタイトルは、

リビングからは軽井沢、和室からは京都の風情、理想の暮らしは里山暮らしです。

長いタイトルです(笑)。


造園の仕事は、庭をつくるのが仕事です。

日本庭園をつくったり、雑木の庭、時には、ハワイアン、イングリッシュガーデンなどをつくることもあります。

それは、部屋の中から見る景色を、思いのままに操ることができる。

どんな景色をも作り出せる、というすごい仕事なのです。


普段何気なくやっている仕事でも、実はすごく魅力のあることなのだと思います。


今回は群馬県のI市で行ってきた2ヶ月に及ぶ植栽工事が、今ようやく終わろうとしています。

改めて造園の仕事の奥深さ、楽しさを再確認できる現場だったので、今回はブログで紹介したいと思います。

長いブログになりそうなので、まずは軽井沢編です。




8月5日。お客さんとの何度目かの打ち合わせに訪れました。

とても大きなお宅で、写真は広いリビングから前庭を見たところです。


工事の足場が組まれ、現場事務所があり、車両も停まっています。

まだ建築途中といったところです。


この窓の外に、庭をつくる訳ですが、

この状態から、本当に庭ができるのか?と思ってしまいます。

しかし、私の頭の中にはすでに軽井沢のような、開放感、清涼感溢れる景色が広がっていました!




8月26日。

配管工事や外構工事などが急ピッチで進みます。

大きな土の山は、外周の外構工事によって、掘り出された土です。

もともと、畑だった土地なので、良質な既存の土が顔を出しました。




9月下旬になり、我々の植栽工事がスタートしました。

植栽する樹木を次々に搬入します。





こちらのお宅には、中庭もあります。

こちらは部屋の中から見た中庭、施工前。





とても狭いスペースですが、中庭も植栽を開始。

重機が入らないため、人力でシャラノキを搬入します。

高さは5mほど。

4~5人で何とか運び込みました。




とても狭く、日差しも少ない、過酷なスペースでも、樹木を健全に成育させたいと思うのが、植木屋さん。

中庭という、コンクリートに囲まれ、閉塞された環境ですが、そんな場所だからこそ、空気と水の流れを良好にすることがとても大切です。


シャラの根っこの下まで地下深く竹筒を通し、地上と、地下が常に空気と水が行き来できる状態をつくる。

中庭の奥から外に向かっても横溝を掘る。


横軸、縦軸、平面的、立体的に常に大地が呼吸する環境を整えてあげる。




室内から見た中庭。

ヒサカキやアオキ、シダなど日陰に強い植物も植栽。

中庭の景色が出来上がってきました。





再び写真は前庭です。10月2日、秋晴れのとても天気の良い日。

前庭の植栽工事も順調に進んでいます。





こちらも前庭、リビングから別の角度で。

なんだか、軽井沢のような雰囲気になってきました。

作業をしていても、とても気持ちがいいです。



私が雑木の庭を作るときに、最初の打ち合わせでお客さんによく言われることがあります。

どんな庭にしたいか話を進めているとき、

どのようなイメージか?

と私が聞くと、


「何か、軽井沢みたいな雰囲気に!」

と答える方がとても多いのです。



鬱蒼とした森ではなく、明るい林、木々が柔らかな木漏れ日を落とすような、清涼感溢れる空間・・・

今ブームとなっている、「雑木の庭」とは、わかりやすく言えば、「軽井沢」のようなイメージなのかもしれません。




こちらは、私の自宅、雑木の庭のモデル庭園、今年のGWの頃の写真。

いわゆる「軽井沢」みたいな景色かな、と思います。

たまに訪れる親戚の方も、「軽井沢みたい」という感想を言われます。


4月下旬。

新緑が出揃い、私が一番好きな季節です。




同じく自宅モデル庭園、別角度から。

紫陽花の咲く6月の写真。

植栽をして3年目ですが、とても清涼感漂う雰囲気になりました。

コナラやモミジ、トネリコ、ヤマザクラ、シラカシ・・・

珍しい樹種があるわけでもありませんが、木々が元気なため、とても良い状態を保っています。


季節的にも5月から6月は雑木の庭にとって、新緑が美しく、最も見ごたえがある季節なのかもしれません。








さて、再び話は元に戻り、11月16日。

前庭の植栽もほぼ出来上がってきました。

コナラを主木として、トネリコ、リョウブ、ソヨゴ、ヒサカキ、オトコヨウゾメ・・・。


11月も中旬になると、紅葉が楽しみたい時期になります。

しかし植栽直後や1年目は、樹木がその土地にまだ馴染みきれないため、美しい紅葉とはなかなかいきません。

また、樹木を様々な地域から移植したりするため、落葉樹は早々に葉を落とすことがよくあります。

しかも、今年は紅葉するには天候的にも暖かかったり、冷え切らなかったりと、関東の平野部での紅葉はいまひとつのようです。


今年の軽井沢の紅葉も、現地の人に言わせれば「いまひとつ」ということでしたが、

埼玉の人間にとっては、それでも十分すぎるくらい見事な紅葉でした。






ここは、2年前に新たに植栽工事を行った、旧軽井沢、イタリアンレストラン「セノーテ」。


*現在は冬期休業中です。再開は4月頃の予定。

軽井沢町軽井沢13-13 0267-41-6886



10月28日の写真です。

コハウチワカエデやモミジ類が多いのですが、

我々が普段植栽する樹種とさほど変わりません。

コナラ、ソロ、モミジ、トネリコ、アオハダ、ナツハゼ・・・




寒冷地では、シラカシ、アラカシなどのカシ類は寒くて育ちません。

ソヨゴやヒイラギ、アズマシャクナゲなど、常緑樹は限られたものしかありません。

それが、軽井沢など、寒冷地ならではの風景となるのだと思います。




こちらは既存のモミジ。

テラスの前は川が流れているのですが、川にせり出すように枝が伸びています。

これが自然な景観なのでしょう。


川の対岸は「ショー記念館」です。




とても見事な紅葉でした。


しかし、軽井沢も11月になり落葉樹の葉が落ちれば、長い長い冬が訪れます。

桜が咲くのが4月下旬頃ですから、それまで半年近く。長い冬です。


一度こちらの紅葉を見てしまうと、埼玉あたりの紅葉では少々がっかりしてしまうことがあるのですが、

それは環境や気候が違うということ。埼玉だっていいところはたくさんあります。


1月にロウバイが咲き、2月に梅やサンシュが咲く。

3月下旬にはミツバツツジや桜が咲き、春の訪れを感じる。

そして、GWにかけてツツジが咲き、新緑の季節になる・・・。


軽井沢は4月に暖かくなってくると、桃の花、梅の花、桜の花が次々に咲き、一気に新緑の季節となります。


それに比べると、寒い冬からだんだん暖かくなり、桜の季節へと向かう埼玉や関東の平野部などの季節感もとても良いものです。







庭づくりは完成直後がゴールではありません。

庭をつくって2年3年が経過してしていくうちに、木々がその土地に順応していきます。
完成間近のこのお宅も、軽井沢のような清涼感溢れる景観になることと思います。


リビングの中から、軽井沢の森のような景色を眺めながら、朝ごはんを食べ、出かけていく。

夜は庭を眺めながらお酒を飲んだり、休日は庭を眺めながら家族とゆっくりと過ごす。


心地よい庭があることは、生活を豊かにし、家族も健康で幸せな暮らしができる。


もっともっと、庭をつくる、庭を持つことの大切さ大事さを知ってほしいと思います。


リビングからは軽井沢、和室からは京都の風情、理想の暮らしは里山暮らし


軽井沢編、庭をつくる魅力、多少なりとも伝わったでしょうか?

次回は、京都・きらめ樹編です。



こんばんは、押田です。

先週行った、植栽工事の記録です。埼玉県久喜市、K宅 。

周囲を道路と住宅に囲まれた環境。

薪ストーブの煙突がとても印象的な建物のK宅です。





10月10日。工事着工、初日。草が生えています。

植栽に一番大切な土壌がどのような状態か、いつも気になるところです。

まずは土を掘ってみて、土壌の状態を確かめてみることにしました。





敷地、外周。

重機を使って、土をほぐしてみます。


表面に建設残土が多少あるようでしたが、下の既存の土は良好でした。

しかしながら、バーク堆肥、竹炭などを混ぜ、より植栽に適した土壌に改善していきます。





重機で、できる限り深く掘ってみます。


こんな穴を何箇所か掘りながら、土の湿り気具合や、水の抜け具合などを確かめていきます。

周りが道路で囲まれたK宅のような宅地に多いのは、やはり水の逃げ場がない、ということです。


南面の道路沿いは、あまり水が停滞している様子はありませんでしたが、深く掘るにつれ、土は湿っていきました。

水脈整備は後ほど行うとして、植栽作業を始めていきます。




いつも植栽する樹木は、予定よりも多めに積んでいきます。

見積りの段階で、設計をし、ある程度の樹種、高さ、位置などを決めてはいきますが、実際の現場では、なかなか図面通りにはいきません。


頭の中での植栽イメージがあっても、「木が小さすぎる、大きすぎる」、「なんか雰囲気が違う・・」など、建物や周囲とのバランスが合わないことがよくあります。


そのため、作業的にはロスが出ますが、いつも植木は多めに積んで、選びながら植栽をしています。





南面はリビングに大きな窓があります。

雑木の庭だからといって、落葉樹ばかりでは、冬には枝と幹だけの寂しい景色になってしまいます。

ここは、常緑樹を多めにし、葉が落ちた冬場でも、視線を軽く遮断できるようにしていきたいところです。

常緑樹は、シラカシ、ソヨゴ、ヒサカキなどを使用しています。




ここの建物の屋根からの雨水は、塩ビ管の排水管で集められ、南面の道路脇のコンクリート側溝に繋いでありました。


この場所を、この土地の水脈の最終地点に設定します。


この建物の敷地内のほとんどの水は、地中深くに浸透していますが、やはり水の逃げ場が、アスファルトの道路でせき止められているようです。


結局、水の逃げ場、行き場がないところは水が停滞していきます。


水が停滞している土地は土がぬかったり、水がたまっていたり、土が腐ってきたり。

このようなところに木を植えても、根腐れを起こしたりして、植物の生育にとって良いものではありません。






透水管を通し、水の流れを誘導しますが、従来の工法では、透水管と砕石や山砂などを使用していたと思います。またはそこをシートで包んだり。

しかし、いずれは透水管は土砂で詰まってしまいます。


透水管に、枯れ枝、竹炭などの有機物を混ぜることによって、隣に植えたシラカシの根っこが侵入しやすい状況をつくってあげます。

このあたりも、矢野智徳さんの大地の再生講座で教わったものです。

有機物と無機物をバランスよく混ぜる、ということです。


敷地内の土中にある水を逃がしてあげる。

そして水が動き出した時、一緒に空気(酸素)が動きます。

空気と水が停滞することなく、常に動いている状態を作り出すことが、植物の生育にとても大切なことなのです。


また、樹木の根っこが水を吸う力は計り知れません。

特にシラカシは、地下深くに根を伸ばしていきます。このことで水を地下深くまで誘導し、本来のこの土地の水脈に繋げていくことになります。


木を植えるときに、その土地の水脈をどう健全なものにしていくか?

このことを解決することが、樹木の健全な成長につながります。

そして、樹木の健全な成長は、そこに住む人の健康にもつながることだと確信しています。

根腐れを起こしている樹木。

直射日光を浴びすぎて、葉焼け、幹焼けを起こしている樹木・・・。


不健康な樹木を毎日見ていても、人が健康になるとは思えません。

樹木が健康でいる環境は、人も健康に生活できる、そう思います。




次に植栽地の水脈整備です。

ある程度、植栽も完了したところで、次は、植栽地に沿って、溝を掘っていきます。

ここは一切客土はしていません。

締固められていた土をほぐしただけなのですが、土は空気を含み、盛り土をしたような状態になりました。

植栽地は平らにするよりも、このように高く植え、地形の落差をつけていきます。


この溝の途中、途中にも、50~60cmの縦穴を掘り、空気と水が土の中まで浸透するようにしていきます。


植物の生育を良好にするためには、このような地形の落差がとても重要です。

常に空気と水が縦方向、横方向に動いていることが、植物を元気にしてくれます。


これは、野菜をつくるときに畝を高く上げることと同じで、自然農法でも同じようなやり方をされていると思います。






この溝に、こちらも竹炭を入れ、枝葉を敷き詰めていきます。




そして、透水管を通した方向に水脈を繋げていきます。

とても手間のかかる作業ですが、水脈のことを知ってしまった今、これをやらずにはいられません。

しかし、このひと手間で、樹木が健全に育ち、そして、そこに住む人も健康に生活できる。

そう思えば、手間を惜しむ必要はありません。




10月17日、土曜日。

前の晩から雨が降りました。

朝、現場に行ってみると、道路東面の駐車場付近の土がぐちゃぐちゃでした。





穴を掘ってみると、やはり水が溜まってしまいます。

水の行き場がないということです。だから、土がぬかる。




再び、溝を掘り、縦穴を数箇所空けていきます。

コンクリートガラもこの付近から出てきたので、これを細かく砕き、縦穴に入れていきます。

あるものは、すべて使い切ります。





そして、透水管を通し、再び木の枝、竹炭を投入。

水を敷地外へ逃がす工事を急遽、行いました。


雨が降ると、このような水の流れがよくわかります。

私は工事中の雨をとても歓迎しています。




さて、この日は、K宅の奥様に昼食を出していただきました。

無農薬、無肥料、とても素材にこだわった、最高の昼食です。




塩むすび。

秋田県産のササニシキ。

自然栽培でつくられた、とってもおいしいおむすびでした。






午後からは仕上げに入ります。

植栽地は、枯れ枝や落ち葉を敷き詰める、「雑木林風仕上げ」。


園路は山砂を敷きます。

しかし、ここもいずれは樹木の根が侵入します。

一度締固められた土をほぐし、下地に竹炭や枝を置いていきます。




この上に山砂を3~5cmくらい敷き、再び枯れ枝などを置いていきます。

この枝や竹炭がクッションがわりになり、山砂が締め固められず、樹木の根が伸びやすい状況を作ってあげます。

人と樹木ができるだけうまく共生できる形を最近はよく考えるようになりました。


お施主さんの考えでは、園路に草が生えないようにと、コンクリートで固めてしまうやり方もあるかもしれません。

しかし、それは樹木にとってはとても過酷な環境になってしまいます。




アプローチから駐車場部分も、木の枝、炭を敷き、その上から山砂で仕上げます。

山砂だけだといずれ締め固まり、水が溜まりやすい状況になっていきいます。

枯れ枝や竹炭など、これらの有機物が山砂の中に空隙をつくり、大地が呼吸しやすい状況になり、付近の樹木の根も侵入しやすくなります。






駐車場は、山砂の中にウッドチップも混ぜ込みました。






菜園です。

小さな菜園ですが、少しでも自分で野菜を作るということは、とても大事なことだと思います。

土留めは、杉の丸太を焼いたもの。

枕木は防腐剤が注入してあるので、できるだけ自然素材で、というご主人のリクエストです。

今回は木柵もすべて焼き板仕上げです。




落ち葉ストック。

今回から、新しい落ち葉と古い落ち葉で分けられるように、二つに区切るようにしました。

発生した落ち葉は捨てることなく、ここにストックする。

1年半くらいで、腐葉土になり、再び菜園で使用してもらいたいと思います。資源の循環です。




施工前の室内からの景色。

道路からの視線がとても気になっていました。

歩行者とも目が合ってしまうような状態。




植栽後。

適度な常緑樹が視線を遮断します。






久喜市、K宅 雑木の庭、完成しました。

あまり広い敷地ではありませんが、ここまで緑が入ります。

木を植えることによって、人々が健康で幸せな暮らしができる。

これ以上のことはありません。


樹木には、見た目の美しさだけでなく、


*根っこがたくさんの雨水を吸う力、

*直射日光から建物を守る力、

*夏涼しくする力

*強い風を軽減する力、

*生態系を呼び戻す力、

など、少し思いつくだけでも、様々な力があります。


我々は木を植える仕事をしていますが、植えた木が調子が悪くなってしまったり、時には木を枯らせてしまったりしたこともありました。


しかし今振り返ってみると、環境を無視した植え方をしたり、水脈、気脈のことを考えずに植えてしまったり。自然の摂理に反したことをしていたのだと思います。


庭づくりとは、お客さんから与えられた条件の中で、樹木の力を最大限に発揮できる環境を整えてあげること。

このことが、我々植木屋としての、一番大切な役目なのかと最近は感じています。