リビングからは軽井沢、和室からは京都の風情、理想の暮らしは里山暮らし③ | 中央園芸のブログ

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ご無沙汰でした、押田です。久々のブログ更新です。

リビングからは軽井沢、和室からは京都の風情、理想の暮らしは里山暮らし③

今回は、「理想の暮らしは里山暮らし」編です。




最近、庭を作る方のほとんどが、庭の中に「菜園」のスペースを取るようになりました。

ここは、昨年10月施工の久喜市のお宅。




こちらは、伊勢崎市のお宅。

落ち葉は落ち葉ストックにストックし、堆肥化させ、菜園で使う。

庭の中で資源が循環します。

落ち葉をビニール袋に入れて捨てる必要はありません。




こちらは館林市のお宅。これは広い!




このお宅、裏庭にも菜園を作りました。

昨年の12月、堆肥や竹炭を混ぜ、ざっくりと畑を耕しました。


大地の再生講座の矢野智徳さんが言われてましたが、

「今の畑はトラクターなどで、耕しすぎる。

粒子を細かくしすぎるので、冬に乾燥した土が吹きとばされる。」


そういえば、私の住む埼玉県北地域は、冬の赤城おろし、というのがあります。

群馬県赤城山からの冬の乾燥した冷たい北風です。上州からっ風、ともいわれます。


この風が吹く冬期は、風と一緒に、土埃が吹き荒れます。

深谷や本庄あたり、きれいに耕した畑から土が大量に飛散します。


畑を耕しすぎるというのは、こんなところにも影響するのかと私は推測しています。


この菜園でも、一昔前の畑のように、あまり細かく耕しすぎないようにしています。

そして、春まで陽の光を当て、霜が降り、土壌が徐々に改善されていく・・・。

「あとは、自然がやってくれる!」

矢野さんがよく言われる言葉です。






私は、昨年から自宅で野菜作りを始めました。昨年の7月の写真です。

やり方は自然農法で、矢野さんの大地の再生講座で教わったやり方です。


畑は草をむしることはありません。

草を刈り、そのまま作物の周りへ。

これが土の乾燥を防ぎ、刈り草も堆肥として土に還っていきます。


周りは高く畝をつくり、途中途中に数十センチの縦穴を掘ります。

庭づくりでやっている、水脈、気脈の考えです。





8月の写真。

仕事の合間に畑を見ているので、1~2週間すると、草も相当伸びます。

しかしこんな状態でも、しっかりとトマトは実をつけました。

もちろん農薬はやっていません。




僕は実はトマトは苦手でした。

小学校の給食でも、なかなか食べられず、よく放課後残ってトマトと格闘していたのを思い出します。


しかし、自分で作ってみると、なんだか食べられるような気がしました。


「真夏の畑でトマトをかじる」、というのは、誰もが憧れる夢?だと思いますが、」

私も何年ぶりか、恐る恐るトマトを口にしました。


「うっ、うまい!」


トマトってうまいじゃないか!!

甘酸っぱい自然の味がしました。




「まるで宝石箱や~」

収穫したミニトマトは本当にきれい。

僕はトマト嫌いを何と克服してしましました!





さらに昨年は「味噌づくり」に挑戦しました!

7月1日、草だらけの畑を一部、大豆畑に。

現場の仕事の合間、一人での作業です。




7月5日、大豆を蒔きました。在来種の大豆です。

ちょっと畝が深すぎ、土が崩れそうな感じがしましたが、

あとは自然が何とかしてくれる、はずです・・・。




7月14日、大豆がいくつか芽を出し始めました!

早速、落ち葉を敷いて、マルチング。


これが土の乾燥を防ぎ、草の発生も軽減します。そして、堆肥にもなる。土も飛散しません。

一石三鳥か四鳥!

庭づくりと野菜作りは同じであること、この時、私は確信しました。




8月9日。大豆はしっかりと芽を出し、大きく成長してきました。

畝の周りは、草で覆われ、土も流れなくなってきました。

恐るべき草の力です。

やっぱり自然が何とかしてくれました~





8月20日。草の成育もピークです。

お盆休みも間に入り、大豆のことはすっかり忘れていました~


しかし、ここも草を抜くことはせず、草を刈り、そのまま作物の周りへ。

草を刈るだけなので、作業は短時間で終わります。

現場に行く前、夕方、そんな作業を何回か繰り返し、何とか管理していきました。






9月14日。大豆もかなり大きくなりました。

もうほとんど草が生える余地はありません。




しかし、この頃、カナブンのような虫が大量に発生しました。

さすがに無農薬では厳しいのか?

そんなことが頭をよぎりましたが、必死にカナブンみたいな虫を「デコピン」で駆除。

何とかこの状況を打破しました。






中をよく見ると実が生り始めていました。

ここまで来たら、何とか収穫したい!

虫にめげずに、大豆よ、何とかなってくれ~という心境でした。




やはり大豆は強かった!

11月13日、大豆はしっかりと実を付け、あとは収穫を待つのみになりました。

この頃になると、草もほとんど枯れてきます。




12月に入り、収穫です!

結果的には、豊作でした。やはり自然農法の力、恐るべしです。




そして、年が明け、念願の味噌作りです。

大豆の種をもらった地元の友人に教わり、初めての味噌作りを体験しました。




大豆をじっくりとコトコトと茹でて、




塩や麹を混ぜて、





よく練り、、、




仕込み、完成です。

これで今年の秋頃に味噌が出来上がるということになりました!

これで約2kg。


大豆は栽培も簡単だったので、来年はもっと量を増やし、木桶で味噌を仕込みたい!

そんな夢が膨らみます。自分はどこに向かっているのか・・・。




さて、こちらは自社で作った野菜と、母親が作った野菜。

昨年末から、我が社では、現場で炊き出しをするようになりました。




調理器具はロケットストーブ。

現場にある木の枝が燃料です。


調理は前職が調理人だった桜井君が担当しました。




しかしながら、ひとつ問題が発覚!

火をおこしている20代のこの二人、今まで焚き火をしたことがない、ということがこの日判明しました。

確かに、今、野焼きをすることはほぼ禁止されているし、バーベキューをやっても着火剤やバーナーで火がついてしまう。

こうやって火をおこすこともとても大事な経験なのか、と思いました。




そんな、こんなで料理が出来上がりました。

野外で時間をあまりかけずに、簡単に出来るのは、やはりうどんです。




別の日は醤油ベースのうどん。





また別の日は、深谷名物の「煮ぼうとう」。




この日もまたまたうどん!!


埼玉県北の人はよくうどんを食べます。

深谷の煮ぼうとうや本庄名物のおっきりこみ。

冬の炊き出しをするときは、やっぱりうどんですね。

何だか、お腹が空いてきました・・・。





この日も煮ぼうとう。

完成したばかりのデッキの上での昼食。

お客さんにも、おすそ分けをいただきました。










そろそろ、植木の話題に・・・。


庭の梅の木も満開となりました。

冬の青空はとても澄んでいます。





そして、今年も庭づくりが始まりました。





今年の1件目は、地元、寄居町にて。

平屋の建物、薪ストーブの煙突がかわいらしいお宅。




穴を掘ってみると、もともと、この場所が駐車場だったため、建設残土が・・・。

しかもかなり締固められています。





こうなったら、重機2台を投入。

できるだけ深く、土壌を掘り進めてみました。




1m下は既存の土壌が現れました。



悪い土だからといって土を持ち出すこと、良質の客土を持ち込むことは極力避けています。

「持ち込まない、持ち出さない。」


現場の土をどうしたら再生できるか?
あるのもを活かす、というやり方です。


硬い建設残土は1mほど。その下は既存の土。これが良い土で救われました。

数メートル土をほぐし、堆肥や竹炭を入れ、土を、混ぜました。




というわけで、何とか植栽できる状態になってきました。

締め固まっている土をほぐすと、空気が入るため、土が膨らみ、土の量が増えてきます。

ここに植栽することで、地形落差ができる。そして木は元気に育つ。




ようやく、久しぶりの植栽作業。

木を植えることは、本当に楽しい作業です。

建物の周り、みるみる景色が変わっていきます。




大きなコナラも植えていきます。高さ6~7mクラスのコナラです。

こういう建物にコナラはとても良く合います。






というわけで、まだまだ施工途中でありますが・・・。

このお宅も庭の中に菜園を作る予定。


最近、このようなお宅が本当に増えてきました。

庭で野菜をつくりたい。

自分で食べるものは自分で作りたい。

庭の菜園で物足りなくなれば、地方には耕作放棄地が溢れています。


落ち葉も堆肥にして、菜園で使用し、薪ストーブで暖をとる。

夏は葉を茂らせたコナラが大きな木陰を作り、クーラーに頼りすぎずに、涼しく過ごす。

コナラも太い枝を切ることになれば、薪や椎茸の原木にもなる・・・。


里山暮らしに憧れる人はとても増えてきています。

一昔前に我々日本人が行ってきた暮らしの知恵を、現代の生活の中で活かす。


昔の里山暮らしを知れば知るほど、自然や生き物、そして人間にとっても理想的の暮らし方なのだと実感します。


今年も庭づくりにおいて、そんなお手伝いができれば、と思います。

またまた長いブログになりました。長文にお付き合いいただきありがとうございます。

今年もよろしくお願いします。