【妄想Zone】「Mission」 #3 | ☆つっこのオモチャ箱☆

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「Mission」という物語の第3話です。

 

 

詳しくは、↓コチラの1話と2話をご覧ください。

(「Mission」 #1)

(「Mission」 #2)

 

 

 

(設定)

・レイナ(REINA)は、人気の女性歌手。

・ある日、怪文書が届いたのでボディーガードがつくことになった。

・ボディーガードの名前は、『ケイ(K)』(通称)。

・今は コンサートツアーの名古屋公演を終え、東京へ戻る新幹線の中。

 

 

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【Mission】 #3


なんだか、頭が痛い…。

目を閉じると、昨夜のことが頭に浮かんでくる。


【俺が忘れさせてやるよ】

 


失恋をした私に、ケイが囁いた言葉。

どういうつもりでケイがそれを言ったのか、それを確かめることは出来なかった…。
 

 

名古屋から東京に戻る新幹線の中、少しでも眠ろうと目を閉じたけれど、気づくとケイのことばかり考えてしまう。


それにしても…、頭が痛い。

なんだか寒気も加わった気がする。
 

 

昨日の夜、寒空の下で長いこと立っていたせいかもしれない。
それとも、仮病を使った罰?

私は 再び目を閉じてみたけれど、眠りにつけそうな気配は全くなかった。
 

 

~~~~~~~~~~~~~
 

 

(…あれ?)

目が覚めると、見慣れた自宅の寝室の天井が目に入ってきた。
 

 

東京駅に着いた後、シマさんにタクシーでマンションまで送ってもらったことは覚えている。

そのタクシーには、確かケイも同乗していた。

一番先に降ろしてもらった私は、最後の気力で二人に手を振り、そしてマンションに入って…

そこから、記憶がない。
 

 

でも 私は今、ちゃんとベッドの中で寝ている。
しかも、しっかりとパジャマに着替えて。
 

 

(人の習慣って、なんかスゴい)

そんなことを考えていたら、インターフォンが鳴った。


~~~~~~~~~~~~


「ケイ…、なんで?」

インターフォンの画面に映っていたのは、ケイだった。


「これ、シマさんに頼まれたから…」

そう言ってケイは、重そうなレジ袋をカメラに向けて見せた。
 

 

それを見て、私は思い出した。

飲み物くらいしか入っていない冷蔵庫に絶望した私は、寝る前にシマさんへ買い物を頼むメールをしていたのだ。

でも、外せない仕事があったシマさんは、ケイに買い物の代理を頼んだ…ということらしい。


私は、急いでエントランスのキーのロックを解除した。


~~~~~~~~~~~


「すごい部屋だな…」

ケイは、私の部屋を見回しながら言った。


モノトーンで統一された私の部屋には、必要最低限の家具しか置いていない。

その代わり、壁一面に設置された棚には、DVDディスクがビッシリと並べられている。

普段は冷静なケイが 珍しく驚いた顔をしているので、私はなんだか愉快な気持ちになった。


「気づいた?これ、ぜ~んぶライブDVDなのよ。」

私は、棚のDVDの背を 端から順に手でなぞりながら言った。


「ジャンルなんて関係ないの。ロックやアイドルだって、何を見ても勉強になるから。例えばね…」
 

お気に入りのアーティストのディスクを取り出して振りかえると、ケイが私のことを じっと見つめている。

その眼差しがあまりにも優しくて、私は言葉を失ってしまった。


…と、その時。


グゥ~~~


なんとも間抜けな音が、部屋の中に鳴り響いた。
 

(やだっ!ウソでしょ…)
 

 

私の盛大なお腹の音に、ケイはプッと吹き出した。

「お前、元気そうだな…。また仮病なのか?」


「違うっ!今日は本当に具合が悪かったの!だから、朝から何も食べられなくて、それで…」


グゥ~~ キュルル~


必死に弁明をしようとしたら、さらに「第二波」がやってきた。

するとケイは、堪えきれない…というように、顔をクシャッとさせて笑った。

「ははっ…。分かったよ。でも、もう平気なんだろ?」


「…うん。」

少し眠って疲れが取れたからか、頭痛と悪寒は いつの間にかなくなっていた。


「じゃあ、俺が何か作ってやるよ。」

ケイはキッチンに入り、必要な材料を調理台に並べると、残りの食材を手早く冷蔵庫にしまった。



「料理、出来るの?」

 

 

「まあ、見てろって」

 

 

そう言ってケイは、得意気に野菜を刻み始めた。



~~~~~~~~~~~~


「いただきます。」

「どうぞ、召し上がれ。」


「……おいしい!」

ケイが作ってくれた料理が あまりに美味しくて、自然と笑顔になってしまう。


「お前って、幸せそうに食べるよな。」

「だって、本当に美味しくて幸せなんだもん。」


そこで、ふと思った。

「ねえ…、ケイが幸せを感じるのって、どんな時?」


するとケイは、箸を動かす手を止め、静かに目を閉じた。

 


「今…かな。」




(今…?それって…)

「わたし、ハッキリさせないと気が済まない性格だから聞くけど…、それって どういう意味?」

「……」


「それに、夕べの言葉も。ずっと気になってるの、ホントは。」

「……」


「他の人にフラれたばっかりなのにおかしいでしょ?でも私、気づいたら あなたのこと……」


そこで突然、ケイは自分の人さし指を私の唇にあてた。

「今日は俺、シマさんに信頼されて来てるから…」


だから、それ以上は「言うな」「聞くな」…と、ケイの目が言っていた。


うまく逃げられた気がしたけど、ここは大人しく引き下がることにした。

私が頷くと、ケイは私の唇からそっと指を離した。


「それじゃあ…、代わりにお願いがあるんだけど。」

「…なに?」


「ツアーが無事に終わったら、ここで一緒に『ボディーガード』の映画を観たいんだけど…いい?」

「いいよ。」

ケイは、ホッとしたように微笑んだ。


コンサートツアーは、残すところ 来週の横浜公演のみになっていた。
 

 


(#4へ続く⇒ 【妄想Zone】「Mission」#4


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以上です。

 

 

今回載せた健人くんの写真が素敵すぎるからキラキラ

実は、この写真を使いたくて作った話です。てへぺろ

 

 

本来は、このシリーズに入れる予定のなかったエピソードだけど、レイナとケイの距離感の変化を描けてよかったかな~♪って思ってます。

 

(ケイってば、思わせぶりなことばかりで罪な男♡)

 

ケイが作った料理は、なんだったんでしょうね♪

 

 

このシリーズは、執筆スピードが遅いけど…。

(あんまりテキトーに書くと、あとで辻褄があわなくなっちゃうから(^^ゞ)

 

最後までお付き合いいただけたら嬉しいです♡