式が浮かばなかったら「腕力」で【中学受験算数】 | 中学受験講師ブンブンのブログ

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中学受験の塾講師とプロ家庭教師をしています。指導のあり方、入試情勢、教えて思うことなどについて、書いていきます。

中学受験の算数では、一定の「腕力」が必要になります。

出し方は、すぐ頭には浮かばないとします。

ならば、手を動かして書き始めるのが大切です。

とにかく書いていくうちに、答にたどりついたり、求める式が浮かんだりするのです。

 

【例題】1から60までの整数の中で、

2でも5でも割れない整数は何個ありますか。

 

技を使って解くのが、模範的な解き方と言われます。

■模範解答■

2で割れるのは60÷2=30個

5で割れるのは60÷5=12個

2でも5でも割れて重複する数は

   60÷10=6個

だから2または5で割れるのは

   30+12-6=36個

求めるのは割れない数だから、

全体60-割れる36=24個

 

 

でも、「細かいパターンを忘れかけた場合」「パターンから外れた応用問題」だと、きれいな式で解くのは簡単ではありません。地道に腕力で解き始めることになります。

■地道に書く■

1から60まで、地道に書いていくのです。

書き始めます。

ここまで書くと、「あれ?」と気づくかもしれません。

20くらいまで書くと、規則性が分かってきます。

(公倍数の10で段を変えると気づきやすいです)

10の固まりのうち4つだと気づきます。

60だったら4×6=24です。

60個全部数字を書いても、3分くらいで答が出ます。

理想は、途中で規則性に気づいて、式で出すことです。

 

ところが、特に真面目な女子は、腕力で書き出すのを嫌います。キレイな式で解こうとします。

(家庭で丁寧に復習する生徒は、解説を熟読しますので、先生が力づくでOKと説明しても技で解く傾向にあります)

試験範囲が限られている「週テスト」「月例テスト」なら、解き方を復習して(パターンを暗記して)テストに臨み、見事に点数が取れます。

ところが、4か月前に習った問題だと、細かい解き方までパッと浮かばないことが多いです。覚えているものの、何種類かの解き方のどれを利用するか判断ができないのです。パターンの正確な区別までできないのです。

 

だったら、「どう解くんだっけ?」と頭の中で考えるより、「細かいこと忘れたけど、途中まで書いてくぞ!」と手を動かすべきです。

力づくで書く習慣がある生徒は、ますます慣れてきて早く書けるようになりますし、力づくか技かの判断力もついてきます。

ですから、力づくで答を出すのを怖がるのは止めたほうが良いのです。

 

すると、こういう疑問が投げつけられます。

「時間がかかりすぎるのでは?」

正解して5点の問題を取るために、10分以上の時間を使うわけにはいきません。

そこで、不器用な生徒には、こう伝えます。

「20個まで書き出そう!20個書いて、正解まで遠そうなら諦めよう」

たとえば「7で割って5余り、9で割って7余る数は?」だと、共に「割り切れるのに2不足」ですから

『7と9の公倍数-2』で61とパッと出るのが理想です。

でも気づかなければ力づくで出しましょう。

《7の倍数+5》12、19、26、33、40、47、54、61

《9の倍数+7》16、25、34、43、52、61

 

力づくが必要な問題だと、最短の解き方になります。

たとえば「7で割って6余り、9で割って1余る数は?」だと・・・

《7の倍数+6》13、20、27、34、41、48、55

《9の倍数+1》10、19、28、37、46、55

と答が力づくで出します。

ひとつの目安が「20個」だと思います。(小4なら10個でもいいかな)

途中で数字を書き間違えても、時間のロスは限定的になりますし。

 

冒頭の問題《1から60までの整数の中で、2でも5でも割れない整数は何個ありますか》なら、

20個目が49ですから「あと少しで全部数えられる」と分かります。

そのまま突き進んで、24個と出せるのです。

 

 

今までの記事から3つご案内します

問題集で不足する部分をプリントで補強

 

都内の中学入試が1月にできない訳

 

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