合同相談会を上手に活用する2023 | 中学受験講師ブンブンのブログ

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中学受験の塾講師とプロ家庭教師をしています。指導のあり方、入試情勢、教えて思うことなどについて、書いていきます。

今回は、多くの学校が1か所に集まる合同相談会について。

(以前の記事を、更に追加修正して、まとめたものです。)

 

■合同相談会が開催

多くの私立中学・高校が、ひとつの会場に集まる「合同相談会」が多く開かれる時期になりました。

この「合同相談会」は、多くの学校に質問したり、PRを聞けたりするイベントです。

参加校が多い相談会では、100校以上の中学高校が参加します。

たとえば5月21日には東京国際フォーラムで「東京私立中学合同相談会」が開催されました。

7月1日には声の教育社が中学受験対象の「受験なんでも相談会」を開催します。

主催者によって「進学相談会」「進学フェア」など様々な呼び名をしています。

 

■合同相談会とは?

たいていは1校に長さ180cmくらいの机が1つか2つ割り当てられ、2~3人の先生が座っています。受験生と保護者が、聞きたい学校の机(ブース)に行って、話を聞く形式が大半です。

1人の受験生が、参加している学校の中から興味がある学校から4校5校と話を聞けます。

新型コロナ以降は、入場するのに予約が必要な相談会が一気に増えました。

6月や9月10月は、多くの合同相談会が開かれます。

予約制でしたら、空きがあるうちに申し込むのがお勧めです。

 

■難関校は行列ができる

合同相談会に参加する私立中学高校は、会場使用料や広告宣伝費の分担金を負担して参加する場合がほとんどです。分担金は5~10万円くらいが目立ちますが、受験生が増えれば受験料で分担金は簡単にモトが取れます。とはいえ、更に派遣する先生の労力と休日手当も考えると、結構な負担になります。

ですから、黙っていても受験生が集まる偏差値が高い御三家や早慶レベルの難関校は、あまり合同相談会には参加しません。(主催者の立場なら、難関校には無料でも来て欲しいのですが、他の中学高校が不快に感じますから露骨なことはできません。)

そうすると、難関校が珍しく参加する合同相談会には、受験生が殺到することになります。結果として、難関校には「長い行列ができる」「短時間しか相談できない」と不満が残ることになります。「後ろの受験生親子に相談内容を聞かれる」ことにもなります。

難関校に関する情報は、塾の先生もかなり詳しいですかすら、そちらに質問してみるのも良いと思います。

 

■合同相談会は併願校の話を聞く場

特に4年生5年生の頃でしたら、あこがれの第一志望校に目がいきます。

女子でしたら、女子学院すてきだなあ、豊島岡もスゴイと思うでしょう。こういう難関校は、受験雑誌などでも多く取り上げられ、多くの情報は既に持っているハズです。このような第一志望校にしたい学校を、行列に並んで質問するのは、効率よくありません。(そもそも難関校はほとんど合同相談会に参加しませんし)

また、合同相談会に来ている私立中の先生は、多くの受験生にPRして受験生を増やすのが目的ですから、既に第一志望と決めている6年の熱望組の受験生親子が30分40分と粘って話を聞くのは、ありがた迷惑になる可能性大です。(知っている先生がいたら1~2分挨拶するだけにしましょう)

では、どうするか。

第一志望校は既に決まっていても、併願する第四志望校までは、たいてい固まってはいません。1日に5校6校から話を聞けて、10校以上からパンフレットをもらえる合同相談会は、併願校を絞り込む最適な場になります。

そもそも、学校を良く知るには、その学校に足を運んでじっくり説明を聞いて施設を見学するのが最適です。でも、時間と手間がかかりすぎます。

多くの学校の中から「この学校、いいかもね。じっくり考えよう」と、選択肢のひとつにして説明会に足を運ぶ学校を選ぶのが、合同説明会なのです。

 

■何を質問するか?

具体的な質問があれば、あらかじめ用意して当然質問します。

「国語が極端に低いのですが、合計点が良ければ国語が極端に低くても合格もらえますか」

「バスケット部に入ろうとかと思っているのですが、練習は毎日ですか」

「成績が低く高校に進めない人は、どのくらいいますか。その前にどんな補習がありますか」などです。

行列ができていると後ろの人の耳にも入りますので、カラダの障害に関する相談は微妙ですが、「ヒザの具合が悪く、全力で走れないのですが、入学後に支障ありますか」くらいなら質問しやすいかもしれません。

 

でも行列ができていない場合は、お任せもアリです

「千代田区の女子校というくらいしか知らないのですが、塾の先生が併願校のおススメとして挙げてましたので、特色を説明してもらえませんか」と頼むのも問題ありません。

ただし、長い行列ができている人気校で「入試は4教科ですか」「最寄り駅はどこですか」といった初歩的な質問は、周囲をめげさせますので避けたいです。

 

 

■どんな先生が回答するの?

難関校は校長・教頭が来ることは多くありません。生徒募集担当の詳しい先生が中心です。

中堅校は校長・教頭クラスの先生も来ることが多いです。ただし9月あたりは合同相談会が2か所以上で行われていることも多く、来れないこともあり大変です。(以前、合同相談会が終わった直後の夕方に、文化祭を終えたばかりの校長がかけつけ、片付けをしていた先生に加えて、私を含めた相談会の運営スタッフに、御礼の言葉をいただき恐縮したことがあります。)

回答する先生の大半は、相談に慣れている先生です。

「サッカー部の練習は月・火・木・金の週4日」「オーストラリアのホームステイの御家庭の受け入れ態勢」「GMARCHの指定校推薦を受けた生徒の学年順位」など、けっこう細かい点まで把握している先生が多いです。

 

ただし、30人に1人くらいでしょうか、残念ながら知識も意欲もない先生も混ざっています。

先生全員で生徒募集に取り組んで「生徒に本校を選んでもらって有難い」という意識を持とう!という方針のもとで駆り出されることがあるのです。「何で休日出勤で仕事なんだよ~」と不満ダラダラの意欲に欠ける先生が割り当てられる運が悪いこともあります。

 

■こんなこともあります

★グッズの配布

学校名が入った消しゴムや定規を配布する学校もあります。

受験生が1人増えれば受験料だけで、消しゴム100個以上の代金になりますので、学校側にとっては知名度・好感度アップの手軽なアイテムです。

難関校は配布しませんので、「ケチで傲慢」と勘違いしないようにしましょう。

★生徒を軽く注意することも

質問をしおわって生徒が立ち去る際に、椅子が斜め45度になってたら「椅子をそろえてね」と軽い注意をする先生がいます。(主に男子校で見かけます)

このくらいで「むかつくぅ!」と反発する生徒は要らない、キッチリ生活態度から指導しますというメッセージでしょう。

★パンフレット

合同相談会では、学校案内のパンフレットを配布しています。

入りやすい学校を中心に、豪華で分厚いパンフレットも目立ちます。

けっこう重いため、普通は持ち帰れるのは10~15校くらいです。キャリーバッグや宅配便利用で30校手に入れる人も見たことがあります。

なお、難関校のパンフレットは、数が限られていて、途中で品切れになることが目立ちます。

★知り合いに声をかける?

私立中を会場とする学校説明会では、同じ塾の友達・保護者と会っても、声をかけずらい、挨拶しにくい面があります。

 

たとえば市川学園の説明会には、開成中を狙っていて併願校として受ける予定の人も来れば、現在の成績は低いけど市川学園に挑戦するかもと考えて来る人もいます。同じ説明会でもお互い複雑な気持ちを持って、声をかけずらい面があります。

でも、合同説明会は、いろんな学校が来ていますので、堂々と回れるのではないかと思います。

 

 

 

《参考》今までの記事を3つ紹介します。

 

 

 

 

 

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