受験できる「幸せ」 | 中学受験講師ブンブンのブログ

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中学受験の塾講師とプロ家庭教師をしています。指導のあり方、入試情勢、教えて思うことなどについて、書いていきます。

千葉県の私立中学の入試日程には、特色がある。それは

複数の中学を一通り受験できる点だ。

「最上位」の受験生は、次のように3校とも受験できる。

1月20日・・・市川学園

1月21日・・・東邦大東邦

1月22日・・・渋谷幕張

2月2日・・・渋谷幕張(2回目)

2月3日・・・東邦大東邦(後期・2回目)

2月4日・・・市川学園(2回目)

もちろん、一定レベルの実力がないと、1月20~22日に、この3校を受けるのは「玉砕覚悟の特攻」となる。

でも、1月26日に専修大松戸(2回目)とか、2月1日に都内の安全校で合格を確保して、2月の2日以降に挑むことももできる。

市川・東邦を受けない「次の上位校」の生徒は、常磐線沿線でこのような受験ができる。

1月20日・・・専修大松戸

1月21日・・・麗澤

1月22日

1月23日・・・芝浦工大柏

1月24日

1月25日・・・麗澤(2回目)

1月26日専修大松戸(2回目)

1月27日芝浦工大柏(2回目)

もちろん2月の3回目入試も受けられる。

(2月4日の市川学園2回目入試↑。幕張メッセではなく市川学園の校舎で行われる)

 

ここで、こんなことを考えてみる。

「東邦・市川・渋幕が、同じ入試日だったら、どうなる?」

市川の合格は固いが、渋谷幕張が五分五分の受験生は、渋谷幕張を受けに行くだろう。現在の日程だと「渋幕に不合格でも、市川には入れる」のだが、入試日が同じだと「渋幕不合格だと市川には行けなくなる」のである。

すると、市川・東邦にあと一歩のギリギリの受験生に、合格が回ってくることになる。(どんな入試制度・入試日程でも、有利不利は出てくるものだ)

別の言い方をすれば、渋谷幕張にあこがれて中学受験を始めた受験生が、思うように成績が上がらなかったとする。この場合でも、現在の分散した入試日程なら、受験だけはできるのである。偏差値は10足りないから受かる可能性は1%もないけど、受験勉強の最後に、あこがれの志望校を受けられるのだ。

駄目で元々でも、思いっきり力を出して受験することが可能な日程になっている。これは考えが分かれるところだが、落ちればスッキリするのではないか。どんな中学に入っても、「こんなハズじゃなかった。あの中学に入っていたら・・・」と思うことがあるだろうが、やるだけやって不合格になったのなら、納得できると思う。

 

これが、東京だったら、事情は大きく異なる。

東京では、無謀な挑戦は非常にしにくいのである。

男子の最上位校・開成・麻布・武蔵・駒場東邦は、2月1日の1回しか入試を行わない。海城や早稲田中は、2月1日の他に3日も入試をするが、1日の方がかなり入りやすい。この貴重な2月1日を、「あこがれの開成にダメ元で挑戦してみる」のは、非常に大きなリスクを抱える。

東京、そして神奈川では、成績的に厳しい中学は、初めから受けられないのだ。

10年以上前に「海城・市川学園」を狙っている生徒を教えたことがある。合格可能性を60%位まで上げたが市川学園に不合格。これでは2月1日に海城は恐いと芝中を受けて合格。そしてキツイのを承知で、2月3日に海城を受けに行った。合格はできなかったけど、受けることはできて、スッキリして入試を終えられたとのこと。

ちなみに、もっと極端な日程が関西で、入試日が統一されている。そもそも地元での複数校の受験が難しいから、「2月1日開成、2月3日に海城を受ける」なんて、関西の人から見るとうらやましくうつりそうだ。

 

では、千葉県の受験生は、どうするか?

子どもが受けたいと言う千葉県内の私立中学は、無謀な挑戦校でも、受けさせた方が良いと思う。受験勉強を頑張るエネルギーになっていく。ただし、注意する点がある。

《1》無謀な挑戦は1校だけ、多くても2校にする。成績相応の中学も、当然受けなくては。

《2》挑戦校の対策に時間を取り過ぎない。難しい文章題を1つ20分かけて復習するより、5分で解ける適正レベルの文章題を4問解くべし。

(渋谷幕張中の入試会場↑)

 

無謀な挑戦をするか、判断の基準をもう1点示す。

無謀な挑戦が有害になりやすい学校と、前向きにとらえられる学校がある。

×「開成中」

開成を断念して、他の私立中に入ったとする。入学して友達との関係がギクシャクしたら、高校受験を考えてしまう。開成中へのリベンジと、友達との関係の脱却が同時に解決できるというわけだ。こういう気持ちだと、入学した私立中になじめないから、再受験はできる限り避けたい。

△「麻布」「東邦大東邦中」

高校募集が基本的にない学校なら、「入学した中学への不満」→「再受験」という気持ちになりにくいから、幾分問題は起こりにくい。

◎「慶応中等部」

無謀な挑戦を最もお勧め(?)したいのが、早稲田&慶応などの難関私立大の付属だ。不合格でも、「やはり今の実力だと手が届かなかったけど、入学する○○中学で6年間頑張れば、慶応大学に十分に手が届く。6年後に再挑戦だ!」と、不合格でも前向きに受験を終えることができる。

 

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CMです。

12月現在、塾での指導に2日、家庭教師に5日を充てています。(入試前だから休みナシ!)

2月から、おそらく週休2日の生活に戻ります。家庭教師は受験生でないご家庭が多く、極端に暇になることはなさそうです。空く曜日も確定はしていませんが、私・ブンブンの家庭教師の指導を、曜日や内容次第では受けようかと考えている方がいましたら、ご連絡ください。分かる範囲で曜日などをご案内します。

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