私は中学受験のプロ家庭教師をしています。
体験指導などで、「算数が苦手で・・・」という生徒を始めて教えると、いつも感じることがあります。
「成績が低迷している生徒は、苦手の中身を正確に把握できていない」
成績上位の生徒・保護者は、「立体図形でイメージができない」「場合の数でミスが多い」などと、かなり正確に現状把握ができています。
偏差値が高い生徒の保護者は、直接教えていなくても、どの分野が苦手で、どこで点が取れないか、かなり把握しています。
一方、成績が低迷しているご家庭に体験指導に出かけると、メールで事前に聞いている話と、大きく違っていることが多いのです。
過去にあった話をそのまま書くわけにはいきませんので、脚色を入れて書くと・・・
★「食塩水の問題ができない」と連絡があってうかがうと、解く姿勢がまるでできていない。
たとえば「3%の食塩水100gと、11%の食塩水何gを混ぜたら9%になりますか」という問題では、普通「てんびん」や「面積図」を使って解きます。ところが「てんびん」「面積図」はもちろん、式すら書かないのです。イキナリ筆算です。そこそこ理解はしているので、惜しい式にはなっているものの、別の数字を使ってしまい×になっていました。式すら書いていないので、見直しもできません。
食塩水の問題が苦手なのではなく、問題を解く姿勢・習慣がついていないのです。
→→少し余計に時間がかかっても、図や式を書かせます。
★「流水算が苦手」と聞いて出向くと、速さの基本がまるでできていない。
流水算で、川の流れの速さは(下りの速さ-上りの速さ)÷2で出せると知ってました。
でも、点が取れないとのことですので、いろいろ確かめました。そこでチェックすると、
「時速18kmを秒速5mに直せない」「分速80mで15秒歩いたら何m進むか出せない」というレベルなのです。
単純な速さの問題でミス続出なのに、複雑な流水算で点を取るのは困難です。
→→この場合は、1問1分で解ける基礎的な問題を繰り返します。
この2つの例は、パターンが決まっている毎週のテストなら、一定の点数が採れる解き方です。
当面のテストで点を取るのを優先しすぎると、結局は範囲が広いテストや入試で点を取る実力がつかなくなってしまいます。
私が重度の成績不振の生徒を教える場合、「当面のテスト対策は無視しますから、3か月は点数上がりません」という時もあります。
2週間後の偏差値が出るテストで成績上げようとすると、姿勢も基礎もできていないのに、技を教えることになります。虫歯で歯が痛いのに、痛み止めだけ使うようなものです。
本来は、通っている塾の先生が、対策をとれば良いのです。
「速さの基礎ができていないので、流水算の応用問題を宿題から外すから、そのぶん基礎練習しなさい!」
「図をしっかり書きなさい!何?暗算で解いただと?だったら半端な数字の問題出すから解けるものなら解いてみろ!」
こういう積極的な対応をしてくれれば有難いのですが、理解できなくてもパターンだけ覚えろ!(そのあと忘れるだろうけど、そんなの関係ない)という強要だけはしてほしくないです。
受験の春に、桜が咲きますように。
【短期指導のお知らせ】
今年のゴールデンウイークは、私は旅行はせず、塾の授業がなく、空いています。
そこで「3回の短期指導」もいたします。
1回11000円プラス交通費。算数・理科は難関校レベルまで、社会も一通り指導できます。
今回の記事のように、苦手で鍛えたい分野をお知らせいただきますが、
必要でしたら基礎から鍛えた方が良いと提案します。
興味がある方はお問い合わせください。