中学受験塾「サピックス」は、御三家を中心に、難関校に多数の合格者を出しています。
私が感じている「サピックス」の特色はというと、難関校向けの最短のカリキュラム、教材になっている点です。
多くの保護者は、3年生・4年生の頃は「あわよくば開成狙い」とでも思っているでしょう。
でも、実際には難関校を受けられる生徒は、中学受験生の1割ほどしかいません。
結果的に偏差値45の生徒でも、一定レベルの私立中に向けて指導してくれるのが大半の塾だと思います。
その点「サピックス」は、塾全体で難関校向けシフトとでも言える体制です。
率直に言えば、基礎クラスなら落ちこぼれる人が出るのは覚悟で、偏差値40の生徒を偏差値55の私立中を目指して指導するのが、「サピックス」の基礎クラスという認識でいます。
さて、この「サピックス」で、塾内偏差値を上げるのは、他塾より大変だと思います。
私は中学受験のプロ家庭教師ですが、現在偏差値45でしたら、「偏差値を50、そして55にアップを!」と期待して招かれます。
しかし、サピックス生は偏差値を上げるのは、他塾の生徒より難しいと分かっています。
サピックス生を引き受ける際は、気を引き締めます。
では、なぜサピックス生の偏差値を上げるのが他塾より大変かというと・・・
【理由1】粗削りな生徒はほとんどいない。
同じ偏差値45でも、受験勉強を始めて半年でしたら、まだまだ粗削りな状態です。
計算力もついていない、線分図の描き方も慣れていない、解く際に良くない癖がついている時も多いのです。
このように癖があったり弱点がハッキリしたりしていれば、修正することで、1段点数をアップさせることが可能です。
ところが、サピックスの生徒は、低学年から受験勉強を始めていることが多く、パッと対策を取れる点は限られます。
また、サピックスに通わせる保護者は、中学入試の知識や勉強方法にかなり詳しく、かなり適切な家庭学習をしていることが多いので、地道に授業内容を理解させて鍛えるしかないのです。
短期間で受験に備える「かけこみ受験」だと、対策を立てやすいのは事実です。できることが少なくても可能なことを探して伸ばすのが、並みの家庭教師と実力あるプロ家庭教師の差とも言えますが。
【理由2】みんな必死で、力を抜く人は皆無
サピックス生は、難関校狙いの人が大半です。
無理せず受かる学校で十分という御家庭は、かなりの少数派でしょう。
高校入試では、さほど意欲の無い人も大勢いますから、偏差値50から55に伸ばすのは比較的簡単です。
しかし、みんな必死に頑張っているサピックスでは、簡単ではありません。
4年生から「最後の1周ラストスパート」並みの力の入れ方をしている人が多い中で、自分が必死になっても、なかなか成績は上がりません。
【理由3】途中退塾は低迷している生徒、途中入塾は上位生中心
サピックスで順調に伸びて偏差値60の受験生は、途中で退塾しません。
退塾するのは成績が低迷している生徒です。はやい進度についていくのが厳しくなったり、勉強のスタイルが自分に合った別の塾に転塾したりして去っていきます。
逆に5年以降に入会する生徒は、上位生に限られます。(成績低い人は入会困難)
つまり、偏差値40以下の生徒が抜けて、偏差値55の生徒が入ってくるのです。
自分が100人中の60位だったとして、80位90位の生徒が退塾し、20位40位の生徒が新規に入ってくることになります。
60位を維持するだけでも楽ではありませんし、50位40位と上がるのは並大抵のことではありません。
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