甘酒の効能 | 瑞霊に倣いて

瑞霊に倣いて

  
  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

 “麹菌が生産する最も代表的な酵素はデンプン分解酵素(アミラーゼ)です。穀物のデンプンを分解してブドウ糖にします。またタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)は、タンパク質を分解してうまみ成分のアミノ酸にしますし、ほかにも脂肪分解酵素や繊維素分解酵素など、麹というほんの小さな粒に一〇〇種類もの酵素が入っているのです。市販の胃腸薬には、アミラーゼやプロテアーゼなどの消化酵素(ジアスターゼ)が添加されていますが、これらは麹菌を液体培養して生産したものがほとんどです。

 また、麹菌は必須アミノ酸やペプチド、ビタミン類などを作って、麹の中に蓄積してくれるのでとても栄養があります。ですから、私などは、乾燥した米麹をポケットの中に入れておいてそれを食後に何粒か食べて、その中に含まれている消化酵素を胃腸薬の代用にしているぐらいです。とにかく活力源にもなるのです。”

 

 “この回の冒頭で、麹菌というのは優れた消化酵素を作るので、胃腸薬にも添加されているということをお話ししましたが、米麹の中から、ほかにも驚くべき機能性物質が発見されています。女性の方はご存じかもしれませんが、ひとつは麹酸入りの美白化粧品です。

 シミができたり日焼けして顔が黒くなるのは、体の中のアミノ酸の一部であるチロシンやトリプトファンが老廃物として汗と一緒に出てくると、太陽の光や空気でそれが酸化され、メラニン色素ができるからです。麹菌の作る麹酸というのは強い還元作用(酸化の反対作用)をもっていますから、これを肌に塗れば、酸性状態に陥った肌を還元して、活力を取り戻すのです。老化して弱った皮膚や毛穴などを還元してくれるので、養毛剤や育毛剤にも使われています。

 そして米麹のもう一つの機能性物質は、アスペラチンです。このアスペラチンが、がん細胞の増殖を抑える効果があることが最近わかったのです。

 秋田県にある糸状菌(カビ類)の研究機関が、米麹の中からアスペラチンを取り出し、ネズミの背中に移植したがん細胞に塗ったところ、がん細胞の増殖を抑える効果が出たということを国際学会で発表し、非常に大きな注目を浴びました。

 味噌のところでお話ししましたが、味噌汁を毎日飲んでいる人たちにがんの発生率が少ないということは、このアスペラチンとも関係しているのではないかということもいわれています。麹酸もアスペラチンも、多くの微生物の中で麹菌にしか作れない物質で、米麹は意外なところでユニークな保険的機能性を発揮しているのです。

 第1回でもお話ししましたが、米麹から作る甘酒というのは総合栄養ドリンクです。ビタミンB1、B2、B6、パンテトン酸といった天然型吸収ビタミンや、すべての必須アミノ酸を麹菌が作って米麹に残してくれていて、さらに大量のブドウ糖が含まれています。つまり、現代でいえば病院の点滴の内容と同じです。

 米麹から作る日本酒が、肌や髪の毛にとてもいいのも本当です。私の実家は昔から日本酒を作ってきまして、私もずいぶんと日本酒を飲んできました。そのせいか私は五八歳ですが、肌はぴかぴかしていますし、神もまったく染めていません。学生と相撲をとってもめったに負けないのも麹のおかげだと思っています。麹の力は偉大で、麹の世界は魅力的です。

 では最後に、明日から肌がつやつやになって、元気でいられる飲み物を一つお教えしましょう。夜寝る前に、空になっている電気炊飯器の中に炊いたご飯をご飯茶碗に三杯入れて、そこに米麹もご飯茶碗に一杯分入れてください。米麹は、最近ではデパートの自然食品売場などで売っています。そこにお湯をわかして六五度の温度にして、ご飯茶碗に七杯注ぎ、よくかき混ぜて保温ボタンを押しておけば、翌朝にはすばらしい甘酒ができています。冷蔵庫の中に置いておくと、四、五日はもちます。これを毎日、湯飲み茶碗に一杯飲んで会社や学校に行けば、点滴を打って会社に行くようなものです。さらには美白剤を飲んで出かけるようなものなのです。健康のためにも、日本の米の消費拡大のためにも、是非皆さん甘酒を作って飲んでみてください。”

 

(「NHK人間講座 小泉武夫『発酵は力なり 食と人類の知恵』」(日本放送出版協会)より)

 

*甘酒は「飲む点滴」と言われるほど栄養に富んでおりますので、病気の時などは、お粥よりも甘酒の方が、はるかに体力回復の効果があると思います。今は発芽玄米甘酒や、甘酒羊羹などもあり、自宅でも簡単に作ることが出来ます。

 

*大本神話によると、節分の日、根の国底の国に封印されていた艮(うしとら)の金神(こんじん)、国祖国常立尊(くにとこたちのみこと)がご再現になられたときに、共に封印されていた眷属の神々もまたご一緒に地上へと上がって来られました。その時のお祝いに神々が飲まれたのが甘酒で、これは親神様の乳の象徴でもあり、節分の日の甘酒には特別な意味があります。

 

・節分の「甘酒」の由来 (出口すみ子)

 

 “大本の節分のお祭りは、長年の間天地の艮におはいりになっておられた先祖の神様が、いよいよ時節が参り、明治二十五年、開祖様に神がかりになりまして、この世におあがりになりましたまことに結構なお祭りでございます。

 その節分祭に皆さんにあがって頂く甘酒は、天地の元の神様が世にあがられましたとき、お祝いとしてお供えになったのが甘酒でありまして、その甘酒をあやからして頂くのであります。

 天地の親神様が世に落ちなさるにつきましては、艮の金神様とご一緒に、その系統(ひっぽう)の神様が皆世に落ちてござって、長らくの間苦労なされたのでございます。

 これは霊のことで、人間の目には見えないのですが、聖師様が初めて大本においでになりました頃なども一番初発から世に落ちておられた神様が、なんぼおあがりになったか判りません。業をなさって苦しんでおられた神様や、根底の国に落ちておられた霊が沢山あがってきました。この霊のあがって来る有様は、実際口では云えません。

 まるで蜂が集団(たま)になって宿替えするときのようなゴーッという音をして何万という霊があがって参りました。みな大変に喜んで、親子の対面とか、夫婦の対面、主従の対面とかいうふうにそれは芝居のようでありました。その頃には、私などまだ霊のことがはっきり判らない時分でしたから、「おかしなことやなぁ、開祖様も聖師様も、おかしいことを仰るし、しなさるもんやなぁ」と思うて笑っておりましたけれど、ボツボツその時分の事を考えてみますと、なかなかそうしたわけのものではございません。これは一番初発の地獄の蓋開けで、大神様がお出ましになりましたに就きまして、沢山の霊がつぎからつぎと出て来たのであります。

 「助けてくれ、助けてくれ云うて、なんぼ出て来るやら知れん」と開祖様も云われました。わたしたちは根底の国に行ったことがないから、その苦しさは判りませんけれど、怖ろしい処に落ちていた霊が、こんどの神様のお出ましに際して、ちょうど陛下が御位につかれたり、お子様がお出来になったりお目出たいことがありますと懲役に行っている人が許してもらえますように、つまりああゆうふうに許されなさるのでしょう。

 そのときにあがってきた沢山の霊にこの甘酒を頂かしてやったのです。これは根底の国からあがってきた霊ばかりでなく、前に申しました大神様の系統の神々様も沢山ありました。その霊たちが喜んでこの甘酒を頂いて、元気一杯になって、どんどん世界にご活動なさるのです。”

 

 

 

 

 

 

 


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