三番目の学校で陸上記録会があった
近隣の10校くらいが集まって
市の陸上競技場で開催され
希望する競技の記録を全員計測する
この記録会に
三番目は行くかどうか悩んでいた…
なぜなら
理由①学校に行っていない
実は10月上旬の修学旅行から帰宅後
登校したのは1日…
しかも授業ではなく奉仕作業
三番目掃除が好きなのだ
本人曰く
母さん…
もう学校に行くことはないから
行ける気しない…
母的には
三番目は燃え付き症候群的なところがあるからなぁ…
修学旅行で力尽きたのかも
と思っていた
でも流石に長いな…
理由②自信がない
三番目は2年半前の命の危機以降
体力筋力に自信がない
運動が得意だっただけに
尚更
できない自分を受け入れられないのだ
どうせ
『あいつ足遅い』って言われる…
何にも知らないくせに
そう
何も知らないのだから仕方ないじゃない
と40過ぎた母は思う
でも
実際そういう言葉を聞くのは三番目で
母ではない
今までにも
何度も辛い思いをしてきた三番目に
気にしすぎだよ~大丈夫
と簡単には言えない…
行くか行かないか決められない三番目
結局当日の朝まで結論はでなかった
陸上記録会当日の朝
起きない…
もう行かない…
そうか…
一人練習する姿を何度も見ていた母は
三番目が走るのを楽しみにしていた
だけど仕方ない…
今日はのんびり過ごそうか
最近忙しすぎたから休めってことだ
ところが…
集合時間20分前、学校から電話が
来られませんか
見るだけでも大丈夫だから
走らなくていいから来て
じゃあ行くっ
集合場所までは車で2、3分
お弁当を用意して集合場所まで
無事…三番目を送り届けた
ふぅ…なんとかなるもんだ…
人間やればできると実感
でも三番目は
『走らない宣言』をしていたので
母は家でゆっくり過ごすことにした
のだけど…………
結局走ったんだってー
だって先生が走ろうよって
それで走れたんだ…
最初の1歩が
なかなか踏み出せないだけで
やってみたらできちゃうことって
結構ある
少しの勇気で1歩を踏み出した先には
見たことのない景色や
想像もしなかった未来がある
誰だって初めてのことは不安
辛いことが起こるんじゃないか…
悲しいことが起こるんじゃないか…
だけど考えたってわからない
どうせなら
素敵な未来を見たいじゃない
その1歩が違う未来を作り出すなら
いつもと違う選択をしてみよう
その選択の先には
もっともっと大きく広がる
思いもしない素敵な世界が待っている
かもしれない