フルメタルジャケット(原題名:Full Metal Jacket '87年 米) | Que amor con amor se paga

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映画・本などのネタバレメインのブログです
日常で気になったコトや動画も載せてます。


最近、不況のせいか可笑しな人を街でよくみかける様になりました(涙)

阪急某ターミナル駅に乗れば、でっかいエスカレーターの所でヘンなおっさんがわめいてて、
駅員二人がかりで連れて行かれるし(汗)、
ヨガや格闘技の先生やアタシが目撃した、某谷町線に居る女装のおっさんとか(涙)。
もしかしたら皆『目撃してるおかしい人』全員一致してたらこわいでぇぇぇ

公共の施設なら、大抵警察にしょっ引いてくれるんだけど、業務不履行たたってる
施設ならおかしい人間一人常時迷惑かけてるのに、野放ししてると思う。


そんなワケで究極のおかしい人のコワい映画

野放しになってるおかしい人間を見た後の映画かもしれません。

予告編はこちら、あらすじいってみる




時はヴェトナム戦争のさなか、南カロライナ州の合衆国海兵隊新兵訓練基地

ここでは志願兵が8週間の地獄の特訓の後に戦地へと送られる


志願したジョーカー(マシュー・モディン)、パイル(ヴィンセント・ドノフリオ)、カウボーイ(アーリス・ハワード)は
頭を丸刈りにされ、整列させられ、鬼教官・ハートマン(リー・アーメイ)からことごとく人格を破壊される。

何をやらせても不器用なパイルはシゴキの対象になり彼のミスが他の訓練兵に及び、
仲間からもリンチにあう

ジョーカーは最後まで彼をかばおうとするのだが、遂にパイルは破綻し、ハートマンを撃ち殺し自殺する。


時が過ぎ、'68年1月、ジョーカーはダナン基地で報道隊員としてのんびりとしていたが、
北ヴェトナム軍の激烈なテト(旧正月)攻撃が始まり、ジョーカーは純真なカメラマンの
ラフターマン(ケヴィン・メジャー・ハワード)とともに最前線のフエ市へ向かう。

そこでジョーカーはカウボーイと感動の再会をするが、それもつかの間、彼らは銃火の真っ只中に。

前線を偵察中、対面の廃ビルにひそむ凄腕の敵の狙撃兵にやられる、しかもその狙撃兵は
まだ年端もいかない少女だった・・・


いやはや、この映画、絶対もうみたくないか、狂ったように何回も観る悪趣味かどっちかに別れるらしい。
ベトナム映画なのにキューブリック、英国のスタジオだけで撮影しているという曰く因縁つきのものだし

アタシは『観たくない』ので『お蔵入り』コーナーに入れたんだけど(涙)

デブが狂って上官撃ち殺すシーン

まででこの映画覚えてる人何人もいるじゃろけ?と。


この役で『狂って上官撃ち殺すデブ』が強烈な印象を残して後に響いた、ヴィンセント・ドノプリオ

役の為に32kgも体重増やしたというのだからデ・ニーロも真っ青だ。

こんなヒドい役ひきうけた後ダイジョウブだったの!と気になる人はこちら


まぁそれにしても、この映画、ホントにブスやブ男には『ブス』とか『ブ男』とか言えないだろうし、
ってか人間というのは『それをいわないモラルを持っているから人間なんだ』というのをブっこわす
あからさまに2ch化した映画でもある。

やったらいかんコトを平然とやりちらかす映画なのだ

終電もなくなったからソープに入って一晩過ごそうと思った悪友が、間違えてこの映画を
観てしまったが為に、一気に目が覚めたらしい

観終わった後の衝撃は

『プライベート・ライアン』のノルマンディー上陸作戦のシーンでいきなり米軍が全滅してそこで
エンドクレジット出てきた・・・なんて筋書きになったような衝撃という


おっかないぐらい志願兵をけなしまくるというか、人間の尊厳を木っ端微塵に叩き潰すこの教官役、
実は映画の作品監修として来た人で俳優さんじゃない。元々海兵隊教官だったというから筋金入り。

キューブリックがお遊びでキャスティングしたらこうなったのだから恐ろしいすぎるというかモラル崩壊なんである。

ドノプリオ演じるデブの志願兵に一言。

『微笑むな、微笑みデブ』

こんなもん序の口

誰が脚本家かそれともこの人のアドリブか知らないが、それとも字幕翻訳のスゴさか知らないが(涙)、
この教官、これが序の口と言わんがばかりに罵詈雑言のボキャブラリーを沢山持っていて、グロい通り越して
詩的になってくるのがひどいというか(汗)

『オレは人種差別は許さん、お前らは平等に価値がない』なんじゃぁこりゃ(冷笑)おかしすぎる。これに
イエッサー!しか答えない志願兵。

他にどんだけ酷い教官のボキャがあるかというのはググって見てほしい、モラルがある以上書けない

とにかくだ、デブの志願兵がことごとく足手まといになるんだな、それで教官に罵詈雑言浴びせられる。
8週間で一人前の軍人にするというムチャぶりから、トイレにも敷居がなし、恐ろしくプライベートなし状態。
最後の最後には皆で石鹸でボッコボコに叩かれた末にトイレで不気味に笑いうかべて発狂。


で、教官撃ち殺して自殺。

よらぬ基地外に祟りなし。ってか基地外にしたのは教官なんだけど(汗)そもそもなんで海兵に志願なんかしたんだ??
こいつは??絶対向いてない所に粘着したって発狂するだけだろ??

当時この映画見たあとに怖くてトイレいけなくなった人がいたらしい。


で、後半はベトコンの少女の機関銃ぶっぱなしシーンがあるのですが、・・・そんなもんブっとぶぐらい
前半の『デブが狂って自殺する』までのシーンの方しか印象に残ってません(汗)

戦争映画どころか、人間の中にある狂気を増幅させりゃどうなるかしか描いてない映画だと思います。

映画の主役であるジョーカー・・・全く目だってないし・・・前半なんてデブの服のボタンはめてあげたり、
訓練内容全然理解できないデブに説明してあげたり、殆ど『お母さん』してるし(涙)お前は使用人か!です


『ファミコンウォーズ』のあのCMも元々この映画の挿入歌なんすが、元ネタは酷い、というか下ネタとはいえん、
グロい。

悪趣味きわまってたり、頭いかれた基地外はゲラゲラ笑ってみてられるのだろうけど。

モラルが頭の中にとどまってる以上、やっぱりこれは二度と見たくないお蔵入りです


がっ!

字幕を担当した映画監督の原田眞人氏!アナタは最高です。
]
当時アイドルモノばかりとってただけあって自分の撮りたいものが取れなくて思いっきりやったんでしょうね

さすが後に『クライマーズ・ハイ』で世に出せる形で業界のタブーに挑んだだけあるというか


初稿は戸田奈津子さんだったらしいけど、ニュアンスにオブラートがかかっていてキューブリックは激怒した事で、
原田さんに白羽の矢があたったらしい、それは大正解だと思うぞ!

戸田さんは『ストリート・オブ・ファイヤー』の様な『誰でもウケる紋きり型の映画に、ニュアンスをつける字幕』だと
いい字幕翻訳者なのだけど、原作や世界観が確立されているものには向かない人だと思うんだな。


最近の例なら『ロード・オブ・ザ・リング~二つの塔~』とか『ウォール・ストリート』とか。

前者の場合特に原作ファンがいるし、後者は経済アナリストをつけないと、ダメダメな表現になってしまうこともある。

で、このおっかない今回の映画を観る唯一の意味と言われれば、原田さんの字幕デビュー作であり、各国のタブー語や俗語を
知らなくてはその国を知ったコトにはなりませんということです、ハイ。


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