クライマーズ・ハイ('08年 7月 梅田ブルグ7) | Que amor con amor se paga

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今年最後のレビューを何にしようと悩んだ末。公開中の映画の俳優さんで、見ごたえのあるものといえば、これぐらいしか思いつかず(爆)
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1985年8月12日、通信社の速報が第一報を伝える。
羽田発大阪行き日航123便が墜落した模様。乗客乗員524名

日本国中が中曽根首相の靖国公式参拝の動向を見守る中、世界最大の航空機事故が起ころうとしていた…
群馬県の有力紙・北関東新聞の遊軍記者・悠木(堤真一(TV:佐藤浩市)は同僚の登山仲間の安西(高島政宏)と落ち合う約束した途端、県警キャップの佐山(堺雅人)からただならぬ情報を耳にする。

『悠さん、ジャンボが消えたそうです』
『ジャンボが…消えた?』


編集局を出て行こうとした悠木の耳に入ってきたのは日航123便の墜落情報。
単独航空機事故としては世界最大。
ワンマン社長の白河(山崎務)の鶴の一声で、未曾有の事故の全権は悠木に任されることになる

頭と心を麻痺させなければ直視できない事故の壮絶さ。
疲労と高揚で緊張を繰り返す神経、非常事態に軋む人間関係、現在過去未来の四方八方からの声が悠木一人に突き刺さる。
その激務の中、登山に向かったはずの安西が待ち合わせ場所の新橋で、くも膜下出血で倒れ意識不明の重体であることを知らされる。

自分は何の目的のために登るのか、何に挑めばいいのか、一瞬にして奪われた520名もの命、記事にさえならないひとつの命、失われていく親友の命、新聞は命の重さに耐えうるのか。

堤が演じる北関東新聞社があった時代というのは、地方新聞社が一番光輝いていた時代。
大手の新聞社でさえもネット配信をする時代になった今では考えられない程、『翌日の朝刊に何を間に合わせるのか』『何を伝えるのか』をこれだけ伝えられた時代もないわけで。
この大惨事の起こった当初、第一報を現場から伝えるのに今のように携帯もない。勿論県境の山の中に墜落してるので今のように携帯があったとしても使える保障はないわけで。工事現場などに設置されている鉄道電話みたいなのが一番の連絡手段になるわけだけど、それを報道関係者全員が取り合いするんだな。
でも、唯一の伝達機器である電話を独り占め状態にしているのは国営放送のNHK
民間なり地元新聞社は一番立場が弱い。
なのに一番密着した情報を求められる。
『刷って配る』のが新聞、締め切りを遅らせてまでこの大惨事を世に届けようとする悠木に嫌がらせをする販売局長と状況が判ってないワンマン社長は、この大惨事を伝える新聞に場違いな広告を載せるというトンチンカンをする。
『うれりゃぁいい』という販売部+社長と『正義を伝える』記者との違い

連合赤軍事件をモノにしたことが唯一の誇りだった新聞社にとって、この日航機墜落事件は連合赤軍以来の大スクープになる…
だれもが諦めかけたその瞬間、どんでん返しが起こる。

この映画には実際の日航123機墜落事故を取材したスチールカメラマンもカメラマンとして出演している。
今の新聞は、昔ほど伝える力と情熱があるんだろうか…
コミュニケーションツールが便利になった今、それを考えてみた。