月の影
同じ風景を心に刻んでそっと幸せを分け合うような
行きつ戻りつしながら
もしかしたらあたしは沖へ沖へと漂っちゃっているのではないだろうか
ふと、
心配になる
本当は苦しい思いなんかしないのが一番いいのかもしれない
苦しい思いをして自分を強くしてゆくのは次の苦しい思いに備えているというだけで。
たくさん、捨ててしまった。
気付かずに、
無邪気に、
無邪気に。
いられたら両手イッパイに抱えていただろうものを、たくさん。
想ってもしかたのないそんな空想のあたし。
月をみて、
迎えのこない道路を眺めて、
あの風景に想いを馳せる。
追い掛けてくれた、あの月の下の、あたしの影を。
マリオネットの糸
稽古にて。
本気で動くということ。
呼吸をあわせようとしているうちに自分の踊りを、音楽を見失う時がある。
私がなにをやりたいか、何を見せたいか。ポーズじゃなくてどんな軌跡を見せたいか。
そうだよね。
そうだった。
音を視覚化する。
それがこのカンパニーの立ち上がり当時のうたい文句(?)だったらしい。
音や光になること。
まさに私がなんとなくいつも憧れていること…じゃない?
頑固だから自分と感覚がちかいひとの振りや、それこそ感じ方そのものはすっと受け入れられるけれど、そうじゃないとつい疑ってかかってしまう。こっちの方が気持ちがいいのになって。この方が空間に残れるのに、っていう風に。
でもそれがこだわり以上のモノになってしまってはいけない。固執になってそれが耳をふさいじゃったら未来が見えなくなっちゃう。客観的にみて言われたことって、そう感じるお客さんもいるっていうことなんだから。
まるごと取り入れてみよう。そしていつでもそれを捨てないで全部抱えておく覚悟で。
自然と抜け落ちてゆくし、無駄なものがあったとしても混ざり合い、混ざれなければ気化してゆくから。
空間と遊ぶことは楽しいな。
すごく空間を広く感じて負けてしまうように思うことがある。稽古場のあの狭いスペースですら。
そういう時は私から発せられる光とか雰囲気がしぼんでる時。
いかにいざという時にここを放出できるか。
それには自信とか下積みしたものとかやさしい気持ちとか観にきてくれるひとの思い、観にきてくれるひとへの思い、とかそんな全部が関わってる。
すごいな。
結局ここまでくると全部心のありよう。生き方、なんだよ。
だから幼い私は恐れを知らずに、でも無垢に踊る。すべてがそうじゃない。強い私は自分を振り回す。振り回される。
すべてつまってる。
対話みたいに。
一週間みたいに。
それとも私がそう感じてるだけなのかな。私が、そう見立ててなにかを投影しようとしたいだけなのかな。
振り向いたら満月だった。
★ ★ ★
携帯だからとってもへたくそな、本当は満月。
(でも実はこのあとデジカメでとってもこんなだった)
TRACKBACK
▼あいちゃん が新体操を見て、私を思い出してくれたとのこと。
めちゃめちゃ嬉しいのでTB。
どのくらい本気で話すかという事
う~ん…って悩んでいると次は仕事を一緒にしてる子に帰りお茶しようと誘われる。
どうした、私。
と思ったが、別にもててるわけじゃない。昨日は職場全体が早くおわったし、めずらしく私が「今日はレッスンないんです」と言ったから、よし、じゃあいつも接触がないから話でも…と思ってくれたのだろう。
しかし…「ふたりで」とかね、私だめなんだ。構えちゃう。いい年してさ。
しかも仕事仲間だと、友達になりきれるわけじゃないし…。頼むから段階を踏んでくれよ、とも思う。
悩んだ末に一緒の会社の男の子とご飯に行くことにした。
こういうのって別にただ交流を深めたいだけかもしれなくて断る理由もないし、でもなんだか難しい。私はあんまり交流を深めたいがために「ふたりきり」ってどうだろうとも思うけれどそんなふうに思わずに気軽に食事くらいしてるひとはたくさんいる。
変な勘繰りをしてる私がおかしいのかも。
いろんな話をしてみたいけれどOKすることで何かしら妙な期待をさせるんじゃないか…と…
考えすぎだね。ほんとに。
でもそう思う自分と、でもちゃんと慎重にしなさいよ!と思う自分が入り乱れる。
だって完全なプライベートじゃないし。仕事に影響は与えたくない。
前回の教訓も含めて。
仕事相手を選ばなかったのはただ単に立場上こじれたくなかったから。同じ職場の子ならみんなでのみにいったこともあるし「じゃあ愚痴でもきいてあげる」って言いやすかったから。
ま、本当に夕ご飯を食べただけだけど。
恋愛とか結婚とかのことも聞かれたけどそんなことね~、よほど仲良くならないと本気で話したりしないもん。
ずっとにこにこして誤魔化しておいた。そうしたらもしかしたら結婚の予定があると勘違いされたかも。すぐに退いたかんじだった。
おお。
よい引き際だ。
もっとちゃんとお話するならそんなごまかしはしなかったと思うけれど…「調査です。上司に報告するから」みたいに言うからさ。冗談みたいだったから。
ごめんね。
まあ、わざとじゃないしあとから気付いたから仕方ないか…
ホントに調査かもしれないし。
でもなんだか。
私はちゃんと進まなくてはいけないよな、と思う。
ずっと誰もこうして許さないでいても、戻ってくるわけじゃない。
せっかく仲良くしたいと思ってくれているのだから、心からお話してみてもいいじゃないか。ひとりで生きてるわけじゃないんだし。
まだまだこういうことにすごく幼い私。
私こそ、いろんな価値観に触れる必要があるんだろう。
せんせい
毎日どんどん大きくなってるくせに、やめてよ~と3人くらいを抱えて振り回す。
座ったりしゃがんだりちょっとでも隙を見せるともう餌食で、ストレッチしようかなとあぐらをかいただけでもう両膝と真ん中にちょこんと誰かが座っている。背中と肩には争って群がっているし。
「私は椅子なのか」と言うと「椅子だよ」とにこにこ。
こんなにもてもてでいいのかな。
でも私もみんなをすきだから、いいか。
子供にも大人と同じように話すので「自分のできるところまでで構わない」とか言う。
「かまわないって?!」とか子供たつも聞いてくる。
「いいよ~ってこと。」
可愛い子たち。
でもこの調子を来年もやられたらきっと首の骨や腰の骨を折ったりして踊りを教えられなくなるだろう。
泡になりそこねた水底の。
湯槽につかって。
揺れる水を見るでもなく、濡れてひかる足の甲を見るでもなく。
たまにひとりごとを言う。
ことばにしてみたくなるから。自分のなかの、自分のおもい。
ぷつぷつ沸き上がってくるもの。
一度ころりと出てしまえばもうとめどがなくて、
演じてるみたいに。
そしてふと気付くと時間はたくさんすぎていて、
すっかりぬるく、体温に同化してしまっている。
私からことばたちは抜けていった筈なのにずっしりと重い。
まるで…
浴槽にコンクリート詰めにされたみたいに。
動けない。
さ、立ち上がろう。とするその「さ、」よりずっとずっと水のほうが重くて。
ああそうか、わたしが語ったことばはすべて水に溶けてしまったのかもしれないな。
だから重たくて、軽石みたいにすかすかになった私はたちあがれない。
軽石みたいにすかすかになった私に、またそのことばは呑み込まれるように浸透してゆく。
ああ。
地の上に投げ出したこの二本のあしはなんて、重たいんだろう。
