夢/招待、上着と赤いクレヨン
私もそのひとに会うのは初めて。会社のひとたちを引きつれてゆく。
お家には秘書のようなひとがいてまだご主人は戻らないと言うから待たせてもらうことにする。私が怪しい人でないか納得してもらうまでひやひやする。
私は何故かお風呂を借りて髪を洗うことにする。成り行きというよりはどうしても洗いたかった、という感じ。しかもトリートメントをするのが目的。
シャワーで頭を濡らしてトリートメントを付けるけれどうまく髪に馴染まない。おかしいなぁ?とビンを見ると、シャンプーとセットで使うアルカリ性を弱酸性に戻すという効果しかないものだった。
ダメだ、と思って洗い流し、他のものをつける。
今度はやたらと濃くて固くて、粘土のような感じ。もきゅもきゅしてまるで行き渡らない。表面は多少溶けるけれど団子みたいに丸まってしまう。
まあでも少しは行き渡ったので(そしてそれはすごく高級なトリートメントなので少量で効くと私は考える)よしとする。
…肝心なそのひととのやりとりをあまり覚えていない。
そのひとはすごく古い形の携帯電話を持っていたような…
夜中になってそのひとのお家から帰る。
いつのまにか弟と2人になっている。
3万円はどうしても出してほしいんだけど、タクシー代の7000円は私が出すよ、今日は無理矢理こんな時間まで付き合わせたんだから、とか言っている。
3万円とは何かよくわからない。付き合わせたことで発生したお金だったように思うからそれならそれも出すべきでは?とうっすら考えている。
タクシーには右側から乗る。
後ろに座席が3つ。一番左側の座席の目の前に向かうように席がひとつある。その席の向こうには隙間があって運転席の方に抜けられるようになっている。
だけどロケの車のように雑多にものが積んであったり機械に埋め尽くされているから運転席にはいけないだろう。
弟はその後向きの席に座り私は入り口に一番近いところに座った。
弟が運転手さんに間違った行き先を告げるからびっくりして、だけど表向きには冷静に訂正する。
もう夜中の3時すぎだ。
明日は会社だから寝ないと、とタクシーでうつらうつらするよう努力する。
同じくらいの時間に帰宅する顔見知りの人もタクシーに乗っていてこちらの車を追い越してゆく。私はその人たちの中では少し有名みたいで私の話をしているらしい素振りが見えるが頑張って目を閉じる。
家に着までにどういうわけか弟との関係は悪くなっていて、しかも2人は幼くなっている。
白と黒のリバーシブルの上着があるんだけれど、私と弟はそれを共用で使っているらしい。白が私、黒が弟のカラー。
私はその黒の側の前身頃に真っ赤なクレヨンで字を書くと言ってきかない。
弟はいやだ、と言う。
私はどうしてものどうしても書きたい、と譲らない。
しばらくその攻防があったのち、そうか、黒の方に書くと弟が着た時に内側の洋服に赤がうつってしまうもんな、と思う(弟が黒を着るならば内側にクレヨンはこないと思うからこれはちょっと変だけど)。
それで字を書くのはやめよう、と唐突にあきらめる。
ビル・ヴィオラ:はつゆめ 1
森美術館のHPを見た時にTOPの写真に惹かれていたから誘われたときにはおお!あれか!って嬉しかった。
森美術館は何度か行ったけれどあのエスカレータを登るところは初めて。どきどき。
登りきると空気が振動するみたいな音がしていて、高い天井を見上げてしまった。
大きなスクリーン。天井にまで届くくらいの。高さ3.5mくらい…かな?
夢みたいに霞がかった遠くから男のひとがずうっと確かな歩調で歩いてくる。
半分、まで行かないくらいのスローモーションにされていて、かなり長いことかけて近づいてくる。
スクリーンにもっと近づきたい衝動を押えながら、ずっとそれを見守る。
人間の動きは美しいな、と思った。体のそれぞれの部分はこんなにバランスを保ちながら動いているのかあ。腕を前に振るためにちゃんと背骨も動いている。肋骨も動いている。
重心は前後にも左右にもちゃんと美しく移動している。
体の周りを球に包まれていたとしたら、ちゃんとその空間を充たしている。
時間を満たしている。
それに、衣服が重みをもってまとわりつく。
時間と重力。
なにか関係あるのかな。
踊る時に、じっくり動いたからといって重みが見えるわけじゃない。
手のつぶつぶと空気のつぶつぶがぶつかっているのを感じるから。
本当は美しく動いているはずなのに形ばかりにとらわれて嘘の動きをするからなんだろう。
うん。
本当は、あんなに嘘のない、意味がない瞬間がないものなんだ。動きって。
この間の日記 に書いた、在りかた、ということにも繋がった。
だけどこれを身体に映すのは大変。
分かるのは、全部分解するのはとてつもなく大掛かりな作業だということ。
だけどとっかかりさえ掴めば、するするとほどけて行く部分もきっとあるということ。
男の人は炎に包まれる。
炎はスローモーションじゃなかったのかな。
人間よりスローの度合が少なかったのかな。
炎には多分偏った感情はないのに、どうして水と炎を比べると炎は悪役っぽいんだろ。
気づかなくて、裏がわの水のシーンの方をみることができなかった。
もしこれから行く方は、両方見てね。
見知らぬひとだらけの夢
いつか床を移動してきて正しい位置におさまることはわかっているのでそれを待つのだけれど、床のタイルたちはいっこうに動く気配がない。試しに足でタイルを掻いてたぐり寄せようとしてみるけれど動かなかった。
学校のようなものに行かなければならないので、いそいでその場を離れる。
自分がすごく古い形のジーンズを穿いて、男物の黒いポロシャツを着ていることに気付く。恥ずかしいからジーンズを腰の方まで落としてみるけれど絵にならない。
これは誰の服なんだろうかと思う。
今から通勤や通学をしてゆくひとたちに逆行しながらずっと自分の姿が恥ずかしくて仕方がない。
なつかしいひととすれ違った。
そのひとは私がちゃんと元気でいることに少しほっとしたようだった。私もちゃんと微笑み返した。意地悪をせずに。
自分がこんな格好でなければ話のひとつもしたかった…と考えた瞬間、変な裾まくりをしていることに気付く。
草がところどころ茂っていて、ひとが歩くからそこが道になっている。
そんなところを通って、私は学校のようなところに向かう。
左手にフェンスがあって、その奥に目的の建物があるのだけど高い樹に遮られて見えない。建物は黄色の強いクリーム色だと思う。
目の前を歩いていた痩せた女の子がうずくまる。具合が悪いみたいだ。
大丈夫?と声をかけると大丈夫、と歩きだすがまた後ろから見ているとよろけだして、道に座ってしまった。
しばらく座っていたほうがいいよ、と言い、隣にいた見知らぬ男の子に、ね?と同意を求める。
外国人のような顔をした優しそうな男の子。
一緒に女の子のそばにしばらくいることにした。
その時、自分の格好のことを急に思い出した私は、視線を自分から離して外から私の姿を見てみた。
服に対してものすごく自分が小さくて、顔が特にちっちゃくて影になっていた。
いつのまにか女の子を囲むひとたちは5人くらいに増えていた。
ふと、朝の電車で思ったこと
私が人見知りなことは、いいことなのかもしれないな。
がさつな部分のあるこの性格でひとに対して臆することがなかったら、もっと対したひとをひっこめさせてしまうかもしれない。
察しの悪いところのある私は、もっとひとのこころを感じようとできなかったかもしれない。
いまのこのわたしだから、感じることもある。
★ ★ ★
だめだなだめだな、って自分を見ることは簡単だっていう気がする。
大雑把すぎる。
もっとちっくりちっくり、細かく見て考えて行けば、それひとつひとつに必ず役割があるはずなんだ。
ひとくくりにして「だめ」とか「良し」とか考えちゃって決め付けちゃったら可哀想だしもったいない。
秋晴れの空を高いとこまで見よう!
と地下鉄を降りたのに、全然晴れてなかった。
地下から地上に出るときの、階段の向こうの長四角に切り取られた外の景色はいつも体の中の空気を変化させてくれる。


