こんにちは。地図パズル製作所のアシスタント霧島です。
人はいつごろから世界の形を知るようになったのでしょうか。
今回も神奈川県立歴史博物館で2022/7/16~9/25まで開催されていた
「地図最前線 ― 紙の地図からデジタルマップへ ―」という特別展のレポートを行いたいと思います。
地図の歴史を調べると、国々の征服や航海によって世界地図は発達してきたと言えると思います。
インターネットで古代の地図の写真を眺めると、ヨーロッパ周辺から徐々にアフリカやアジアが地図に加えられていき、
大航海時代にアメリカが描かれるようになったようです。
輿地全図と坤輿全図と呼ばれる地図が展示されていました。
坤輿全図(1802年)
坤輿全図(1802年)は、1602年に北京で刊行された坤輿万国全図の写本です。
横浜市立大学のサイトで細部まで見ることができますので、ぜひご覧になってください。
この地図のすごいところは、アメリカやオセアニアなども地図に含まれていること、
そして地名などがすべて漢字で表記されていることです。
アジアを中心に世界が描かれているところも、それまでの地図にはなかった面白い点だと思います。
日本も形が大まかに描かれていて、北海道には「野作」(えぞ)、ほかにも四国、九州と名前が表記されています。
日本の右に位置している「金島」、「銀島」ってどこのことなんでしょうね。そこは少し気になりました。太平洋に浮かぶ「無福島」はハワイのことなんでしょうか、フィジーのことなんでしょうか。
中国の黄河(陜河)を見ると、その上流に星宿海という湖のようなものがあります。実際にはこんなに大きなひょうたん型の湖はないのです。昔の中国の人々は黄河の上流は星が生まれる場所だと考えていたようで、一度は行って見てみたいものだと当時のロマンになっていたようです。以前NHKで星宿海がどこにあるのかを追う番組がありました。確かに湖とも言えるし、湿地にも見える不思議な場所がありました。
でもインターネットでもあまり星宿海の写真はないような。実際に行ってみないと見られない景色でしょうね。
輿地全図(1792年)
輿地全図(1792年)は、日本最初の銅版(エッチング)世界図です。
地図の印刷方法も、西洋の方法が取り入れられ始めました。
思ったより早くからエッチングの方法が輸入されていたのにびっくりしました。
明治期になると、エッチングが地図の主要な印刷方法になっていくようですが、世界地図が最初だったのですね。
というわけで、今回は世界地図の地図パズルをご紹介します。