驚いたことに、知人の家族がコロナワクチンを接種して2週間後に亡くなる事故が起きた。亡くなった方は、90歳前後の高齢者で、5月中旬にワクチンを接種して約2週間後に亡くなった。
あらかじめ述べておくが、この記事はコロナワクチンの有用性や危険性を問うものではない。ワクチン接種はリスクより有用性が上回る社会的に必要な医療行為であることは言うまでもない。もちろん筆者もワクチン接種を受けるつもりだ。

接種前後の経緯
知人によると、接種日前日に身体がだるいという訴えがあったため、念のため発熱外来で診察を受けた結果「接種しても大丈夫」と診断されたという。ところが、予約どおり翌日に接種を受けた頃からベッドから起き上がるのに苦労し始め、いったんはよくなりかけたがトイレで倒れて起き上がれなくなって救急車で搬送された。コロナ感染ではなかった(多分病院でPCR検査を受けた)ものの、重度の肺炎と診断されたという。
接種から1週間経っても重い肺炎の症状が続き「今日明日がヤマだ」と医師から告げられるほど危ない状況だったらしい。その数日後に「驚くほどの体力」で肺炎は快方に向かったらしいが、今度は急性腎臓不全の症状が出て、医師から「会わせたい人が居るなら…」と告げられたという。結局、ワクチン接種から2週間後に亡くなるという結果になった。
筆者は亡くなった方と今年3月に会っており、面識がある方が亡くなったことにショックを受けた。杖をついていたものの自分で歩くほど元気だったのに、なぜワクチン接種後に体調が急変したかが気になる。筆者の知り合いの範囲でコロナに感染した人は居ないのに、どうしてコロナワクチンを接種して亡くなる方が出るのか?という思いだ。
接種前の問診は問題なかったか?
まず、接種前日に発熱外来の診断が甘かったのではないか?という思いがある。発熱外来で診察した医師は、検温したら37.2度でありワクチン接種可否の閾(しきい)値である37.5度に達しておらず、血中酸素濃度も正常であり「接種に問題なし」と診断したらしい。葬儀が終わったころ知人が病院に詳しい説明を求めて分かったという。
健康な者でも37.2度の熱は、だるいとかしんどいとか感じるはずで万全の体調とは言えない。閾値より低いから問題なし、と判断した医師は「マニュアル人間」なのだろう。診断における良否判定は数値だけで割り切れるはずがない。患者の年齢、体調、既往歴なども加味して「総合的に判断」すべきものではないだろうか?体温の閾値で「問題なしと判断した」という説明を聞いた遺族は、37.5度に近い熱なら接種を止めさせるべきだったと悔やんでいるそうだ。
病院の対応は?
葬儀後に知人が病院に確認したら、病院は副反応を疑う事例として厚労省に報告していなかったそうだ。ワクチン接種事故かどうか疑わしい事例は医師が厚労省に報告する義務があるが、接種後2週間で死亡しても疑わしい事例にもならなかったということだ。なぜか?こういう指示が厚労省から病院に出されていたことが分かった。
☞ 医者等の皆様へ、新型コロナワクチンの副反応疑い報告のお願い
「ワクチンの接種後に生じうる副反応を疑う事例について評価を行い、結果を公表するなどして、安全性に関する情報提供などを行っていく」という趣旨らしいが、よく見ると…
○アナフィラキシー(ワクチンとの関連によらず、接種後4時間以内に発生した場合が報告の対象です。)
○医師が予防接種との関連性が高いと認める症状であって、以下に該当するもの(予防接種との関連性が高いと医師が認める期間に発生した場合が報告の対象です。)
・入院治療を必要とするもの
・死亡、身体の機能の障害に至るもの
・死亡若しくは身体の機能の障害に至るおそれのあるもの
ワクチン接種との因果関係が示されていない症状も含め、幅広く評価を行うため、当面の間、以下の症状について、報告を積極的にご検討ください。
けいれん、ギラン・バレ症候群、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、血小板減少性紫斑病、血管炎、無菌性髄膜炎、脳炎・脳症、関節炎、脊髄炎、心筋炎、顔面神経麻痺、血管迷走神経反射(失神を伴うもの)
と書かれている。特に、報告の要件として「4時間以内に発症したアナフィラキシー症状に限る」と思いっきり限定していることがわかる。厚労省は日本人の臨床試験と治験を徹底的に重ねて副反応を知り尽くしているのだろうか?この基準でいくと、病院側は知人の場合はワクチンの副反応ではない、と判断されたことになる。これによってかなりの死亡例が副反応を疑う事例として厚労省に報告されず、闇に葬られることになるのではないか?公的な組織でよくある「不都合な報告の制限」ではないか。
釈然としないものがあった知人が担当した医師に経緯の説明を求めた結果、厚労省に報告することになったらしい。病院としては「言われたから報告するか」という事だ。これでは「安全性に関する情報提供を行う」というより「安全性が疑われる情報提供はしない」と思われても仕方ないだろう。
接種と死亡の因果関係を打ち消すことに躍起
厚労省には医療機関向けとは別に、こういうページがある。発行日や誰向けの情報なのかさっぱり不明なのだが、注意書きから推測すると一般国民向けなのだろう。
☞ 新型コロナワクチンの副反応疑い報告について
【ご注意ください】
・国内外で、注意深く調査が行われていますが、ワクチン接種が原因で、何らかの病気による死亡者が増えるという知見は得られていません。
・海外の調査によれば、接種を受けた方に、流産は増えていません。
・接種後の死亡と、接種を原因とする死亡は全く意味が異なります。接種後の死亡にはワクチンとは無関係に発生するものを含むにもかかわらず、誤って、接種を原因とする死亡として、SNSやビラなどに記載されている例があります。
・厚生労働省では、医師から副反応を疑って報告された事例を、透明性をもって全て公開しています。
ワクチンに毒性はないと言いたいのだろうか?それは分かるが、接種によって死亡原因となった病状が誘発されないのか?という因果関係の疑問は解消されない。確かにワクチン接種しなくても死亡することはある。しかし、接種前日の血中酸素濃度が正常だったにもかかわらず、接種したら肺炎になったというのは偶然の一致とは考えにくい。
厚労省は4時間以内に発症したアナフィラキシー症状に限るとするなど、接種と死亡の因果関係を打ち消すことに躍起な姿勢しか見えず、因果関係についてどこまで真面目に考えているか疑わしい所があるのだ。つまり信用できないということだ。
高齢者が接種後に死亡したら「老衰」?
厚労省からは安全性に関する情報提供を行うどころか、報告される件数を絞り込む意図しか伝わってこない。厚労省から公表された死亡件数は氷山の一角ということだろう。その氷山の一角であろう事例に驚く。
☞ 新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要(pdf)
この原稿を書いている時点の最新版は5月26日版で、2021年2月17日〜5月16日までに報告された死亡事例が計55件となっている。55件のデータを見ると、やはり高齢者が多いが25歳男性や26歳女性などの事例もある。若い方は医療関係者なのだろう。お気の毒としか言いようがない。
死亡原因はさまざまだが、厚労省が報告を求めた「アナフィラキシー」と書かれてた事例がないことが分かる。筆者は医療知識が無いので死亡原因にアナフィラキシーと書かないのかよく分からないが、噴飯モノの死亡原因がいくつかあるようだ。
まず「老衰」とされている例がいくつかある。普通は高齢になると徐々に身体の機能が衰え、病院で寝たきりになって自然死的に最期を迎えるのが「老衰」だと思うのだが。そもそも老衰で亡くなる1週間ほど前にワクチンを打ちに行くか?笑い話にもならない荒唐無稽な話ではないか?

25歳男性で「精神異常、自殺」が死因にされている例がある。アナフィラキシー ショックがそういう死亡原因になるのか?20歳代で4月にワクチンを接種したのは医療関係者と思われるが「心臓突然死の疑い」ともどもアナフィラキシー ショックとの関連はどうなのか?こういうケースが散見されると、メディアが騒ぎそうな気がするのだが。

報告を絞り込んでも「因果関係が評価できない」ワケ
厚労省から公表された死亡件数のうち、評価中の30例を除く55例すべてが「ワクチンと症状名との因果関係が評価できない」とされている。報告されたすべての事例が4時間以内に発症したアナフィラキシー ショックであれば、そのアレルギー症状が出た部位が死亡原因の箇所となるはずである。ところがすべてに「因果関係が評価できない」とされたのはなぜか?下世話な見方かもしれないが「厚労省がワクチン接種と死亡の因果関係を認めると賠償しなければならないから〜」説が有力だそうだ(笑)
真面目に言えば、厚労省が因果関係を評価できないことの背景に、日本で行われるべき治験が不十分であることが挙げられる。今回のコロナの場合は、ワクチン接種を急ぐ必要があったため治験が不十分なのは仕方ない。とはいえ、治験の不十分さをよそに置いたまま、不必要に事例報告を制限したり「評価できず」のまま放置したり、無理矢理こじつけた理由を押しつけたりするのでは「安全性に関する情報提供」にはならないどころか、逆にワクチン接種行政への不信感を招くことになりかねない。実際、ネットでの評判も不信感が渦巻いているように見える。

集団免疫の獲得を急ぐ気なら犠牲者に補償すべき
ワクチン接種で死亡することは(実際より事例数を下げようという思惑はあったとしても)宝くじに当選するぐらい低い確率のリスクと言われる。ワクチン接種による個人的・社会的メリットの方がデメリットを上回るにしても、接種で死亡する個人にとってはデメリット100%であり、接種を忌避したくなる気持ちにもなる。
できるだけ多くの人がワクチン接種を受けて集団免疫の獲得を急ぐ必要が気が国にあるなら、ワクチンと死亡が無関係である事を国が立証できないかぎり、宝くじに当たる確率で犠牲になった少数の方に、法律で定められた補償してしかるべきであろう。そういう方針が安心感につながり、ワクチン接種へ前向きなるはずだ。
接種の安全性を判断するための情報を制限するべきでない
ワクチン接種を「社会的に必要だから接種しなさい」みたいな押しつけがましい言い方をすべきではない。個人に接種を義務化して押しつけるような事になるためだ。逆に「ワクチンは危険だから接種をやめさない」という無責任なデマは危険レベルである。ワクチン接種はあくまでも個人の判断に委ねるべきである。
今回、身近に起きた接種死亡事故の教訓は「医師に大丈夫と言われても過度に信用するな」ということだろう。少しでも体調が悪いなら接種を延期するか取りやめることで個人の生命を守ることになる。そのような判断材料を国民に提供するために、ワクチン接種との関連性が疑われる死亡例をキチンと公表すべきである。
☞ 厚労省がコロナワクチン「死亡事例」の詳細を公表しなくなった不可解
なぜか、厚労省は前回(5月26日)まで公表していた死亡事例の詳細に関する資料を添付しなくなった。〜
「情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係が評価できない」としながら、「情報量が多すぎて整理してほしい」――とは矛盾するようにも思える
判断材料を提供する気がなければ、ワクチン接種後の変死について、政府が関連性がないことを証明する義務が生じると思う。「アナフィラキシー ショックじゃなさそうだから」というだけではダメだよ。