動物問題の中で、最も解決が困難と考えられるものの1つが狩猟です。
その狩猟を禁止している国があります。
それが、ブラジルです。
ブラジルで動物のスポーツ狩猟を規制するプロジェクト Fonte: Agência Câmara de Notícias
↑2021年時点での記事。
「現在、繁殖力の強い外来種であるイノシシの狩猟のみが許可されています。」
と書かれています。
つまりこの時点で、イノシシ以外の狩猟はすべて禁止されておりました。
そして、こちらの2023年8月22日の記事。
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政府、ブラジルでイノシシ狩猟を禁止、緊急警告
ヨーロッパとアジアを原産地とするイノシシは ブラジルの外来種となり、現地の生態系に大きな問題をもたらしている。
動植物に被害を与えるだけでなく、ブラジルの農家にも大きな損失をもたらしている。
さらに悪いことに、この侵入動物による憂慮すべきデータを前にしても、
連邦政府はイノシシの狩猟禁止という重要な決定を下した。
イノシシの国内分布が拡大し、生態系への脅威が高まっているため、
2013年にイバマ州は、2013年指令03号とその改正に基づく規則に従って、イノシシの駆除を許可した。
しかし今、イノシシの襲撃や破壊を苦にしない人々の側からの「イノシシ保護」の新たな波が、イノシシの狩猟と駆除を禁止する結果となった。
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連邦政府はイノシシ狩猟禁止という重要な決定を下した、とあります。
つまり これによって、ブラジルでは全ての野生動物の狩猟が禁止ということになります。
日本ではとても考えられないことです。
なぜこのような流れになったのかは全く分かりません。
(もし、ブラジルにお住いの日本人、あるいはブラジルの情勢に詳しい日本人の方がいらっしゃったら教えてください。)
記事には、「イノシシ保護の新たな波」とあります。
ブラジル人は、動物保護の意識が強い国民性なのでしょうか?
こちらの記事によると、ブラジル人の93%が野生動物の狩猟に反対しているとあります。
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ブラジル人の93%が野生動物の狩猟に反対していることが調査で判明
Ibope は国内全地域の 142 の自治体の 2,002 人にインタビューし、
WWF ブラジルによると、「性別グループ、教育、経済状況、地理的位置ごとの回答を分析したところ、結果に確かな規則性が示された」とのことです。
狩猟の拒否率は男性の 90% と比較して、女性の方がわずかに高く95%です。
住んでいる場所に関しては、
首都や周辺自治体に住む人の95%が狩猟を拒否している。地方都市では拒否率が91%です。
ブラジル人の教育水準が高いほど、この行為に対する非難は大きくなるが、その差はそれほど大きくない。
–高等教育を修了した者では94%、– 5年生から8年生の間では93%、– それらの間では90%小学校4年生もいる。
地理的地域を比較すると、拒否率は依然として高いままです。
最低は北東部 (91%) で記録され、最高は南東部 (94%) でした。
北部と中西部ではその割合は 92% です。南部では93%に達します。
家族の収入を考慮すると、拒否率はさまざまな範囲で実質的に変化しません。
最低賃金が 1 つまでの人々では 91%、最低賃金が 1 から 5 の間では 93%、最低賃金が 5 つを超える人々では 90% に達します。
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驚くほど高い割合ですね。
日本だと逆に、狩猟賛成が93%になりそうです。
都会の人だけかと思いきや、地方の人も90%以上が狩猟を反対しています。
少なくとも野生動物を守ろうとする意識は、ブラジル人は相当高く、各家庭で教育が行き届いているといえそうです。
また ブラジルのサンパウロ市は、世界で唯一、殺処分を廃止した地域だそうです。
サンパウロ市では、殺処分廃止を実現できた理由は、市民が、殺処分廃止を謳う議員に票を投じたからですね。
政治家は、倫理のために仕事をしているのではなく、票のために仕事をしています。
市民の大多数が殺処分廃止を願えば、そこに目をつけた議員が殺処分廃止を公約に掲げ、実行します。
日本でも、犬猫問題に関しては関心を持つ人が増え、殺処分ゼロを掲げる政治家がちらほら見られるようになりましたが、
いまだ殺処分が行われており、殺処分ゼロを達成と言いながらも、実は咬傷犬を殺していたり、
本当の意味での殺処分ゼロを達成している地域も、保護団体の力で成り立っているだけであって、殺処分自体が禁止されたわけではありません。
ですが、サンパウロ市では殺処分そのものを禁止しているということですね。
※ちなみに日本では、ドイツやオランダで殺処分がないという情報が出回っていますが、それはデマだそうです。
殺処分をゼロにするということは、どういうことなのか?。(中級編)。 : NGO Life Investigation Agency (livedoor.jp)
↑ LIAは実際に現地で確認したそうで、向こうは、噛み犬や、病気の犬猫は、
眠らせるという建前の言葉を言いながら、バンバン殺しているそうです。
日本は、「どんな命も殺さず目の前の命を救う」という考え方が根強いですが、
向こうは、「命を選択をし、扱いやすい命、健康な命を多く救う」という考え方が根強いようです。
また ブラジル人は、3000万がベジタリアンまたはヴィーガンで、これは人口の14%にあたるそうです。
記事によると、これは環境破壊の原因が畜産に関連しているから、とあります。
アマゾンの森林火災は、家畜の放牧地や、家畜が食べる餌のための畑の土地を確保するために、人間が森林火災を意図的に起こしたものです。
畜産における環境破壊 | チロ・ツグミ・メリーと 動物問題 ~ ヴィーガン ~
日本のメディアは全くそのことについて触れませんでしたが、
おそらく、アマゾンの熱帯雨林のある現地ブラジル人の多くには伝えられたのではないでしょうか。
もともとベジタリアンが多かったようですが、この出来事が拍車をかけ、
ブラジル人のベジタリアン・ヴィーガン人口は急激に増えたそうです。
ブラジル人は、動物保護だけでなく、自然保護の意識も強いのかもしれません。
はっきりとした事は分かりませんが、少なくとも野生動物の狩猟を禁止しているのは事実のようですので、
国民の大多数が反対している状況でそんな事はできないでしょうから、国民の意識がそれなりに高いのは間違いないのでしょう。
日本人も、狩猟の残酷さ、猟師たちの野蛮さを理解しましょう。
以下はすべて、日本人の猟師たちが自らアップした映像です。
くくり罠にかかり、銃で頭を撃ち抜かれる鹿。
くくり罠にかかり、斧で複数回殴られ、頸動脈を切られるイノシシ。
箱罠にかかり、槍状の刃物で心臓を一突きにされるイノシシ。
飛んでいたところを撃ち殺される鳥。
人によっては見る事すらできない動画でしょうが、このような事が生で行えるのが猟師たちです。
猟師は共感性が著しく低く、殺しを楽しむ精神性を持っています。
実際にこのように、猟師たち自らが「ワクワク感」と記載しています。
以下は、LIAが猟友会についての詳細を書いた記事です。
こちらからも、猟師の本質がよく分かります。
記事には、弾丸が装填された銃を肩に担いで、獲物を探しす猟友会員の動画があります。
この猟場のすぐ脇に道路があり、その道路の隣は住宅街になっています。
このような持ち方は「やってはいけない行
毎年、狩猟が原因で一般人が犠牲になっています。
アメブロをされいている猫とネコとふたつの本棚さんの記事に、猟銃・空気銃による事故の件数がまとめられていました。
年次 死者数(負傷者数)
平成26 13人(16人)
平成27 10人(6人)
平成28 12人(13人)
平成29 13人(11人)
平成30 5人(3人)
令和1 4人(15人)
令和2 11人(10人)
【7年計】 68人(74人)
※注 猟銃による自殺者数を含むc
以下は、猫とネコとふたつの本棚さんの近所に落ちていた薬莢です。
猟銃事件に思うこと | 楽しみは…里山の動物誌 (ameblo.jp)
シカが増えて困るというけれど | 楽しみは…里山の動物誌 (ameblo.jp)
路上から撃っている猟師がいるのです。
またLIAの記事にある通り、個体数調整、有害鳥獣駆除、害獣駆除以外の狩猟は
すべて「趣味の狩猟」であり、
平成25年度では、半分にあたる33万頭もの動物が「趣味の狩猟」で殺されています。
分かりますか? 趣味ですよ?
趣味、つまり楽しいから殺しているんですよ。
こんな事は億の金を積まれたってやりたくありませんが
この殺戮を、たいした儲けが出なくても、楽しんでやる人間がいるのです。
そんな人間に、倫理観とか、モラルなんてあるわけがなく、
マナー違反はもちろん、誰も見ていないところで違法行為をやるのも何ら不思議ではありません。
そのため、どうぶつを撃
そこらへんに毛皮や骨を捨てて、肉や必要な内臓のみ持ち帰っ
そんな輩に倫理観などありませんから、現場
タバコの吸殻は、そこらじゅうに捨て、
猟銃の薬莢は撃ちっぱなしで、山の中や川原に散乱させたまま帰って行く猟師など、日常茶飯事。
殺すことを楽しんでいる連中がマナーなんて守るわけがありません。
最後には、猟友会に潜入し、猟師たちの本音を引き出しています。
LIAは、
会話や猟友会員(狩猟者)の言葉を聞き、そこから、どうぶつを殺す事に高揚する精神の持ち主である彼らの本質を見極めてください。
と綴っています。
猫とネコとふたつの本棚さんの近所には、殺した獲物を見せびらかす猟師がいるそうです。
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モザイク部分には、透明なビニール袋に入れられた猪の死体がはいっています。血が大量に道路にも流れ出ています。
この猟師はいつも自宅の門の前に殺した動物を何時間も置いて見せびらかします。田舎家で庭は広いのに。
家の玄関上には、皮の破片がぶらさがった鹿の角が飾ってありました。悪趣味。
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猟師たちは、仕方なくやっているのではなく、殺すことが楽しいからやっているのです。
このようなサイコパスの連中の欲望を満たし、正当化させるのが狩猟なのです。
また、猟師の中には、猟犬を飼育し、このように訓練をさせ、猟の補助をさせる人たちがいます。
狩猟期間中は狩猟の役に立ちますが、狩猟シーズンが終わるとペットと同じですから飼育費用がかかります。
そのため猟師の中には、狩猟シーズンが終わると、猟犬を山中に捨てる輩がいるのです。
そして中には、犬を痛めつけたり、銃で撃ったりしてから捨てる猟師や、犬を繋いだ状態で捨てる猟師までいるのです。
こちらの犬猫みなしご救援隊で保護されたツカくんは、
用済みになったとき、猟師に背骨を叩き割られ、山に捨てられました。
猫とネコとふたつの本棚さんの保護犬ゴンちゃんも、遺棄猟犬とみて間違いないそうです。
痩せこけて山の中をひとり彷徨っていたそうです。
野生動物を楽しんで殺す人間ですから、自分の従えている犬を棄てても、痛めつけても、撃ち殺しても何ら不思議はありません。
そもそもノイヌやノネコは狩猟対象ですから、猟師は犬や猫も殺すことができますからね。
もちろん、表向きはパートナーだとか、大切にしているだとか言って、
元気な姿や可愛がっている姿を見せアピールするでしょう。
しかし、その裏側は分かったものではありません。
口先だけの人間は世の中に山ほどいるのです。
仮に一部の人が本当に可愛がっていたところで、
ではその人は狩猟犬の虐待・虐殺をなくすために何かしらの活動しているかというと、まぁ全くしていないでしょう。
猟師が全員悪い人ではない! などという主張をするだけで、単に自身の立場を正当化したいだけかと思われます。
そんな主張は、はっきり言ってどうでもいいわけです。
狩猟がある限り、狩猟犬の存在を認める限り、このような事は必ず起こるわけですから、
どっちにしろその人は、狩猟犬の虐待を応援する立場でしょう。
このように残酷な狩猟ではありますが、
現実は、かなり解決が難しいと考えられます。
犬猫だけを愛護している方々が狩猟犬のひどい扱いを知り、
肉を食べながら狩猟反対と主張しているのを見かけますが、それは矛盾だらけで論外です。
「なぜ豚牛鶏は良くて、鹿やイノシシはダメなんだ?」と言われたら、返す言葉もないでしょう。
狩猟も残酷ですが、畜産も同様に残酷ですからね。
畜産動物達は、優しく育てられて、優しく殺されるとでも思っているのでしょうか?
中には畜産の実態を知っていながら食べるのをやめない人もいるでしょうから、そういう人たちは猟師たちと心理状態は大きく違いはありません。
狩猟で肉を食べるのと、スーパーで肉を買うのは、直接殺すか、誰かに殺してもらうかの違いでしかありません。
どちらも感情と意識ある動物の殺戮の肯定です。
肉は嗜好品であり、栄養のために食べるものではありませんからね。
なんなら、狩猟で殺して食べている人の方が、命と向き合っているという言い分が表面上は通ることになります。
狩猟に反対するなら、最低でも肉食をやめてから言いましょう。
非常に難しいと言っているのは、菜食の人であっても狩猟へ加担していると言えるからです。
私はもちろんのこと、狩猟反対と言われているほとんどの方は、実際は農業をやっておられない方だと思いますが、
農業で生計を立てている人たちにとっては、害獣の問題は死活問題でしょう。
農業をやっている農家自身が、殺すことを求めているわけです。
秀品のお野菜を育てる為に多数を間引くとか、虫は殺すわ、草は抜くわ、育てる野菜以外の自然を犠牲にして成り立ってるし、種まきから苗の定植、3か月以上もかけて育ててそろそろ食べごろだな…ってスイカを一晩で食い荒らすタヌキックス、殺生すんなって同じ立場でその光景見てもマジで言えんのかな。
— あいか🍅新鮮農家 (@aisaika_daihyou) December 16, 2022
このツイートの方は、保護猫活動をしている方だそうですが
猫に思いを寄せられるはずの人が、鹿も猪も狸もサルもぶっ殺される、という表現を使い、ヴィーガンを煽るツイートをしています。
このような農家が全国には沢山おり、農家たちは動物を殺すこと、猟師を増やすことを切望しているわけです。
その野菜を買っている以上、狩猟の解決は非常に難しいと考えられます。
しかし、駆除しても駆除しても、実際は農作物被害は減っていません。
これはなぜかなのか。
****************引用****************
突然ですが、台所で生ゴミにハエがたかっていたらどうしますか?
庭に落ちているあめ玉にアリが集まっていたらどうしますか?
ハエやアリを追い払うと思いますが、それだけではないはずです。
台所の生ゴミや庭に落ちたあめ玉をそのまま放置していたら、またハエやアリが集まってくるので掃除をするでしょう。
ところが、イノシシなどの野生動物による農作物被害への対策の場合は状況が異なります。
「農作物の鳥獣被害はなぜ起こる? ~野生動物の素顔を知ろう~」でご紹介したように、
私たちは、放任果樹や放置された作物残渣(ざんさ)、耕作放棄地などによって、知らず知らずのうちに野生動物を誘引し、隠れ場所を提供しています。
調査研究によってこれらのことが明らかになったのですから、
生ゴミやあめ玉と同じように、放任果樹や作物残渣を野生動物の餌にならないように処理する環境管理が必要です。
しかし、ほとんどの被害現場では、捕獲だけに頼ってしまうことが多いのです。残念ながら、野生動物を誘引してしまう要因を除去していく対策はほとんど行われていません。したがって、野生動物を次から次へと人里に誘引してしまう状況がなくなりません。
これではきりがありません。
なぜか私たちは、野生動物が相手となると「捕獲が一番良い対策だ」「捕獲すれば被害はなくなるはずだ」と考えてしまいます。
現在、イノシシとシカだけで1年間に120万頭以上捕獲されています。
ところが、20年前に被害が社会問題となって捕獲が奨励されるようになってから今日に至るまで、被害は6倍以上に増えてしまいました。
被害を出す個体、特にイノシシは集落周辺を生活の拠点とすることが多く、山奥から通ってくる個体はあまりいません。
ところが、駆除されるほとんどの個体は山の中で捕獲されます。
農地に侵入していない個体が、無実の罪によって命を奪われているのです。
なぜこのような事態になっているのでしょうか。
ハエやアリであれば、生ゴミやあめ玉の周辺で捕まえることもできますが、イノシシ、シカなどの野生動物をその場で捕まえることは困難です。
野生動物は、耕作放棄地や竹林など、農地周辺で隠れながら人の動きを察知しています。
そして、人の気配を感じるとすぐに逃げてしまいます。
そのため、仮に野生動物を見つけても、ハンターが駆けつけた時にはすでに姿を消しています。
こうして多くのイノシシやシカは、人目を避けて夜に農地へやってきます。
たくさん捕獲して、野生動物の個体数や密度を調整すること自体は悪いことではありません(適切な個体数や密度の議論は非常に難しいのですが)。
しかし、人里に侵入する個体の行動特性を考えると、現在行われている捕獲手法では、農作物被害を減少させるのに効果的な手法とは言えません。
しかし、個体数調整と被害対策のための捕獲は混同されることが多く、個体数調整が進めば農作物被害が減るような誤解をしている人々が多いのです。
私たちは、野生動物の「本能」に目を向けて、本能的に忌避するものがあるはずと考えがちです。
例えば、イノシシの天敵であるオオカミの尿や猛獣のふんなどのにおいを用いてイノシシの行動を調査しましたが、イノシシがオオカミの尿や猛獣のふんを忌避する可能性はきわめて低いことがわかっています。
におい、音、光による忌避効果は「ハチに刺されたら尿をかけとけば大丈夫」と同じでおまじないのようなものです。
確かに病害虫に効果のある忌避剤は存在します。科学的根拠もあります。しかし、イノシシやサル、タヌキなど、哺乳類は優れた脳を持ち、さまざまな学習や経験をふまえて行動します。
例えば、農地ににおい物質をまいた場合、野生動物はまず、環境に変化があることを認識して、その環境の変化が自分にとって安全であるか否か、様子見を行います。様子見は数日で終わることもあれば、数週間、数カ月続くこともあります。この様子見を、人間は「野生動物は怖がっている、忌避している」と勝手に判断してしまいます。
しかし、野生動物は冷静に判断し、環境の変化に危険は無いことを確認して田畑に侵入するようになります。
さらに、野生動物は餌と餌のある条件とを結びつけることができます。人間が設置した光やにおい、音のある場所には餌がある、とそれらを目印として学習します。
また、イノシシやシカは本来、昼間でも行動する動物です。
しかし人里では、危険を回避するために夜間活動します。そのため人間は、「野生動物は夜に活動するから光が苦手なはずだ」と勝手に勘違いしてしまいます。
一方の野生動物は、人が来ない時間帯に田畑が光で照らされるため餌探しにとって好都合となるのです。
このように、「イノシシは夜行性だ」「最近のシカは双子ばかり産むようになった」「シカの唾液には毒があり植物を枯らす」「サルに石を投げると投げ返されるから危険だ」「モグラに野菜を食べられる」など、農村伝説は枚挙にいとまがありません。
これら根拠のない説に惑わされず、きちんと野生動物の生態や特性を理解して対策をとることが、鳥獣被害を減らすためには大切なことなのです。
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生ゴミにたかるハエをこないようにするには、生ごみを撤去すればいい。
生ゴミをそのままにしておきながら、きたハエを殺し続けるという行為は、根本的解決にならず、次から次へとハエがやってくるだけでキリがありません。
狩猟だけに頼る対策は、これと同じということですね。
放任果樹や放置された作物残渣(ざんさ)、耕作放棄地などによって、知らず知らずのうちに野生動物を誘引し、隠れ場所を提供しています。
さらに言えば、生ゴミにたかるハエではなく、関係のないよそのハエを殺しにいっているのが狩猟ということです。
被害を出す個体、特にイノシシは集落周辺を生活の拠点とすることが多く、山奥から通ってくる個体はあまりいません。
ところが、駆除されるほとんどの個体は山の中で捕獲されます。
農地に侵入していない個体が、無実の罪によって命を奪われているのです。
要するに狩猟って、農作物被害にとって何の解決にもならず、
動物をただイタズラに苦しめて殺し、殺すことを趣味とするサイコパスに居場所を与え、
そのような人間を量産している事につながっている可能性が高いですね。
結局、農家は農業をやる以上は、自分でしっかり対策をするしかないと思われます。
効果的な鳥獣害対策とは~被害が軽減している地域が実践していること~
猫とネコとふたつの本棚さんは、田舎で兼業農家をされているとのこと。
にも関わらず、「害獣」の存在は認めていないとおっしゃられており、
畑は、獣たちの習性を考えた上で対策し、対策対象であるシカもイノシシも、2010年以来、一度も畑には侵入できていない、とのことでした。↓
猟銃事件に思うこと | 楽しみは…里山の動物誌 (ameblo.jp)
本などから、それぞれの動物の習性を学び、対策を行ってきたそうです。
その結果、イノシシ、シカは入ってきていないそうです。
サルの対策は保護犬や保護猫がいる関係ですぐに追い払うことが出来、あえて対策をしていないそうですが、
本気でやればネットや電気柵等でサル対策は可能だろうとおっしゃられていました。
それどころか、シカたちは狭小果樹園の下草を食べてくれ、痛んで落ちた実もきれいに掃除してくれ、さらにシカたちの落とし物は良質な堆肥になっていく、とのこと。
こういう農家もいらっしゃる、ということです。
ただし、やはり現実はそう甘くないようで、
ネットを張ってあるだけ、電気柵をめぐらせてあるだけの田畑は簡単に侵入され、メンテナンスを怠ってもすぐに侵入され、
被害の大きい動物は複数おり、
シカ、イノシシ、サル、アライグマ、カラス、ハト、ハクビシンなど、その動物や、育てている作物などの対象を踏まえて、対策を変え、
丁寧に、メンテナンスを怠らずに対策する必要があり、
どれだけ完璧に対策を行っても、災害が起こればどこかがほつれて侵入可能になってしまうそうです。
農家全員に、そこまでの動物への倫理観と、根気があるかと言われると、残念ながら答えはNoでしょう。
建前では命が大事、と言っていても、本音では動物の命なんてどうでもいいと思ってる人はごまんといます。
特に、本業が農家の大規模農業になると、その分、対策は大変になり、丁寧に対策を行う人間は皆無に等しいような気もします。
現段階で、倫理観があり、根気がある人は可能かもしれませんが、
誰でも、楽にできる、害獣への有効な対策というのは見つかっていないというのが、現実のようです。
農作物共済に入れば、農作物が被害にあった場合、被害分を補償してもらえるようです。
対策をするのが面倒くさいというのであれば、共済に入ればよいのです。
しかしお金がかかるので、やはり無料で誰かに殺してもらう方が手っ取り早いと考える倫理観のない人はまず入らないでしょう。
狩猟問題に関しては、日本人全体の倫理観が向上しない限り、かなり解決は難しそうです。
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