レンコンのために もがき苦しむ野鳥たち | チロ・ツグミ・メリー・マフユと 動物問題 ~ ヴィーガン ~

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愛猫チロとツグミ、愛犬のメリーと暮らしています。
主に、動物問題について書き記します。
超偏食&料理経験なしでしたが、畜産の悲惨な実態を知ってから、ヴィーガンになりました。

以下は、茨城県の霞ヶ浦市で、2022年に撮られた動画です。

 

 

 

 

 

防鳥ネットに、野鳥が絡まってジタバタする様子や、絡まって死んでしまった様子が映っています。

 

 

茨城県は、レンコンの生産量が日本一となっています。

特に、霞ヶ浦市や、土浦市は、レンコンの栽培が盛んです。

首都圏で売られている大半のレンコンが茨城産とのことです。

 

茨城県の多くのレンコン農家は、野鳥による食害を防ぐために

「天井型防鳥ネット」を張り、野鳥を大量に殺しています。

 

ネットに絡まると逃れる事はできず、そのまま衰弱死、または餓死していきます。

 

長く苦しみ、一晩かけて死ぬこともあれば、

 

次の日になってまだ死にきれない鳥もいます。

 

首が絡まった鳥は、窒息死します。

 

 

絡まったまま、他の動物に食われることもあります。

 

捕食にきた鳥たちが、網に絡まってしまうこともあります。

オオバン(右)を捕食しようとしたオオタカ(左)

 

 

死んだ後も放置され、ミイラ化した死体。

 

 

横で鳥が苦しんでいても、農家は決して助けません。

 

網に残った野鳥のもげた足。

 

 

防鳥ネットによる犠牲は、2か月で2000羽近くにものぼります。

 

これは2020年の映像ですが、冒頭の2022年の映像は何ら変わっていません。

 

 

 

茨城県の多くの農家の怠慢,思考停止により、14年間、何の解決もしていないようです。

 

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まだ11月で、ぶら下がっている鳥たちはこれでもまだ少ないのです。

 

水鳥たちはレンコン収穫後の田を好みます。

収穫後の田には、農家の人にとっては不要だけど、水鳥にとっては栄養満点のレンコンのひげ根やクキといった残渣がたくさん浮いているからです。

水鳥が大好物の緑色の小さな浮草もたくさんあります。
 

これからレンコンの収穫ピークを迎え、来年1月になり収穫済みの田だらけになってくると、

毎年、茨城県のレンコン田は目を覆わんばかりの光景が広がります。

 

日本野鳥の会(茨城県)の報告によると、

茨城県霞ケ浦・北浦では2カ月余りで多い時には2千羽にものぼる鳥類が死んでいることもあるそうです(レンコン田の所有者が死体をはずすこともあるので実際にはもっと多いと考えられます)。

 

「レンコン被害を守るために仕方がないではないか」という人もいるかもしれません。

 

しかしまず、

そもそも問題視されるほど水鳥はレンコンを食べているのか、

野鳥が絡まる天井型の防鳥ネット以外の方法(防鳥ネットを直に地面に置くなど)ではダメなのか、という問題があります。

 

つぎに防鳥ネットを使うにしても「人道的な使い方」ができるにもかかわらず

非人道的な使い方が実践されているという問題があります。

 

 

水鳥によるレンコン被害、それほど大きいのか?

 

水鳥は収穫後の田を好みます。

 

これは野鳥の会の調査で

「商品となるレンコンが埋まる未収穫田よりも、収穫後のレンコン田の防鳥網で死ぬ鳥類のほうが圧倒的に多い」

ことから明らかです。

 

もちろん収穫前の田に水鳥が入ることがないわけではありません。

またレンコンを収穫中の田に入ることもあります。

 

しかしここで水鳥が泥に埋まった好んでレンコンを好んで食べるのかという疑問が出てきます。

 

レンコンを食べようとすると水中の泥に潜らなければなりませんが、

水鳥は基本的に水面採餌(水面に浮かんだ餌を食べる)を好みます(野鳥の会の調査では、マガモの場合、潜って餌を食べる倒立採餌行動は、採餌行動全体の1.3%にすぎなかったそうです)。

潜るにしても水鳥はそこまで深く潜れるわけではありません(マガモの場合20㎝程度)。

水面にはより魅力的なレンコンの残渣物がたくさん浮いており大好きな浮草もあります。

わざわざ好んで泥の中のレンコンをつつくことがあったとしてもマレではないでしょうか。

 

一方で現場の生産者らは野鳥による被害があることを訴えていることから、被害はゼロではないと考えられます。

ただしそれがどの程度なのかまとまったデータはありません。

 

レンコン田に野鳥が入って何かしている姿(浮草を食べている姿など)をみて、野鳥によるレンコンの被害を大げさに捉えすぎている可能性もあります。

 

レンコンを損傷させるのは水鳥だけではありません。

タニシ、カメ、ザリガニ、病気、人(レンコン田を歩いていて傷つけてしまう)も損傷の要因です。

 

 

天井型防鳥ネットの効果が明確ではない


まず前提として、「野鳥の侵入を阻む」という目的で天井に防鳥ネットがかけられているレンコン田にも、水鳥は入っています。

周囲は空いているからです。

 

防鳥ネットはほとんどが周囲(サイド)が無い天井のみのネットです。

まれに天井ネット、プラス周囲にもネットを設置してあるレンコン田もあります。

しかしそのレンコン田にも水鳥が入り、天井のあちこちから死体がぶら下がっている状況です。


次に天井型防鳥ネットはレンコン被害を軽減させることが目的ですが、目的を果たせているのか明確になっていません。

茨城県のレンコン生産を拡大することを目的として防鳥網が使用され始めたのは2003年。

2002年から3カ年度にわたって実施された県の「重点園芸品目グレードアップ事業」で鳥害の防除対策が事業対象となったことがはじまりでした。

 

当該事業の結果報告書は「防鳥網に効果がある」と結んでいますが、それを裏付けるデータはみつかりません。


2016年に茨城県が茨城大学に委託して行った調査では、防鳥ネットのないある一つのレンコン田のうちの2アールを調査して(一つの田は通常10アール)、カモによる食害が全収量の3.5%だとの結果を出しています。

 

しかし野鳥の会によると、

「カモの食痕が見つかったのはそもそも商品にはならない(価値がない)小さなレンコンであり、

一部は収穫前にすでに太陽光に当たって変色したレンコンまで含めていること、

また商品になったとして、店頭価格で過大に見積もっても、その総額は1万円程度に過ぎない」ということです。

 

調査報告書は、

「これらの食害レンコンについて中央農研の鳥獣害専門家による鑑定の結果,

「カモなどの鳥害による被害の可能性が十分考えられる。

カモ類などのくちばしの形状などを考慮しても一つのレンコンを集中的についばみ,大きな食害跡をのこしたことが考えられる。」と書いていますが、

水鳥が実際に泥の中のレンコンをどんなふうに食べているのか、見たことがある人は誰もいません。

 

この調査はまた、天井型防鳥ネット有無での違いの調査ではないため、比較ができない、

そしてサンプル数が少ないという問題があります。


2017年10月-2018年1月に行われた調査(茨城県が茨城大学に委託して行った調査)では

天井と周囲を防鳥ネットで覆った完全閉鎖型のレンコン田と防鳥ネット無しのレンコン田の比較が行われています。

 

完全閉鎖型のレンコン田のほうは野鳥の飛来数が17羽、防鳥ネット無しのほうは80羽という結果でした。

 

ここでも、完全閉鎖型であっても野鳥が飛来していることがわかります。

 

またレンコンの被害割合についても比較が行われています(こちらも10アールのうちの2アールのみ)。

 

この調査によると

完全閉鎖型防鳥網では被害がゼロ、防鳥ネットなしでは3.6%の被害という結果になっています。

 

しかし現状、茨城県のレンコン田には完全閉鎖型防鳥ネットはほとんどなく、天井のみの防鳥ネットです。

 

その天井型防鳥ネット(四方がないタイプ)での比較は行われていません。


2019年に作成された土浦市・かすみがうら市鳥獣被害防止計画では、

2018年度のカルガモによるレンコン被害総額が104,392,000円、

バン・オオバンによる被害総額も104,392,000円だとし、

「防鳥ネットについて、被害状況等を把握した上で、整備検討する。」としています。

 

しかしこの被害額は個々の生産者が調査票に書き込んだものを行政が集計しているだけで、

上述した何が原因のレンコン損傷なのかも個々の生産者が判断しています。

 

判断基準が個々の生産者にゆだねられており一定していない数値にどれだけ信憑性があるのかは疑問です。

 

さらにこの被害額は天井型防鳥ネットの有無での算出がされていません。

したがってこの被害額の大きさが、「天井型防鳥ネットが必要」であるという根拠にはなりません。

 

 

防鳥ネットを設置するにしても、人道的な方法や天井網以外の方法が可能。にもかかわらず非人道的な方法が継続されている
 

収穫後もかけっぱなし。


前述したように、レンコン未収穫田よりも、収穫後のレンコン田のほうが天井型防鳥ネットにからまり死ぬ鳥が圧倒的に多いのです。

収穫後は天井型防鳥ネットを取り除けばからまる鳥が減ります。

 

さらに、収穫済の田の網を取り払うことで、未収穫田の鳥を収穫済の田に誘引できる可能性があります。

 

にもかかわらずはったまま(天井型防鳥ネットを使用する農家の多くは年中かけっぱなし)です。

取り外し・取り付ける作業に手間がかかるというのがその大きな理由です。

 

しかしそれは毎年多くの鳥が絡まり、長時間かけて苦しんで死ぬことを正当化できる理由とは思えません。

収穫を終えれば天井の防鳥ネットを外す農家さんもいるからです。

 

 

同じ防鳥ネットでも直置き、周囲のみという方法がある


水鳥をからめる天井型の防鳥ネットではなく、蓮のうえに直接置く「直置き」でも鳥がレンコン田に入ってくることを防ぐことができます。

そのやり方だと鳥はネットにからまらずに済みます。

 

佐賀県白石町では野鳥の会の提言により2018年末からこの「直置き」に変更になっています(2019年1月日本野鳥の会茨城県号外)。

 

茨城県でも地域によって天井型の防鳥ネットではなく直置きを採用しているレンコン田があるものの、天井型防鳥ネットが広範囲で見られます。

茨城県で直置き網が使われているレンコン田について、詳細はコチラをご覧ください。

 

 

ダルダルの網


天井網をたるみなくかけることで絡まる鳥を減らすことができます(減るだけです。たるみの少ない天井網にも死体はぶら下がっています)。

ピンと張っている網であれば、そこに当たった鳥は跳ね返るからです。

 

しかし茨城県のレンコン田ではゆるくかけてあるため、カスミ網のように鳥はからまり、逃れようとしてさらに身動きできなくなります。

茨城県のこのようなゆるい防鳥ネットは、鳥獣保護法が禁止している「カスミ網」と同じ作用を鳥にもたらしています。

 

 

天井網にからまり鳥がもがいていても放置


・ 収穫作業中なので助けることができない。

  早く収穫しないと泥から上げたレンコンが乾いて悪くなる


・ 鳥がぶら下がっている場所まで収穫がすすんだら天井網から外す。

  まだ掘っていないところまでいってしまうとレンコンが傷ついてしまう

 

・ 未収穫の田に入るとレンコンがだめになってしまう


いずれも天井網にからまりもがいている鳥を助けてほしい、もしくは自分で入って助けたいと、収穫作業をしている人にお願いした時の答えです。

自分の作り上げたものを丁寧に収穫したいという気持ちは当然です。

傷ついたレンコンは売り物になりません。

 

しかし天井から宙づりになった鳥は一分一秒を争います。

宙づりになった時間が長ければ長いほど衰弱が進み、逃れようともがき続けて足や羽を痛め骨折するからです。

 

空を飛ばなければならない鳥の骨は軽量化されており、骨が折れやすい傾向があります。骨折してしまうとネットから外してももう自然界で生き残ることはできません。

「バンは外そうとすると突くので死ぬまで待つしかない」

そのような考えの生産者の人たちもいました。

 

カモと違ってバンのクチバシはとがっています。

突かれるのはたしかに痛いでしょう。

 

でも野鳥が人を警戒するのは当然です。

しかも絡み取られて自分は動けないのです。

必死で嘴で抵抗することしかできません。

レンコンをダメにするか、鳥を見殺しにするか、その二択しかないような管理方法はもう放棄すべきではないでしょうか。

 

 

持続可能なレンコン田とは―生き物との共存


「水鳥がレンコンを食べる」と、高価な防鳥ネットをお守りのようにかけ続け、水鳥を排除することは賢いやり方なのでしょうか。

 

レンコン田に生息するタニシやザリガニやカメもレンコンを食害します。

タニシが増えすぎると薬で駆除が行われます。

 

しかし水鳥はそのタニシや、ザリガニを捕食します。

レンコン田にたくさん浮く水草も多すぎると水温が下がってしまうため農家の人はそれを除去します。

水草は成長が早く次々と増えて厄介なものですが、その水草も水鳥の大好物で食べてくれます。

 

天井網はレンコンを食べないサギもからめて殺します。

フクロウなどの猛禽類やカラスも無差別にからめとり殺害します。

 

このようなやり方しかないのでしょうか?

水鳥が自分の田に入ることに神経質になって追い出すのではなく共存することもできるのではないでしょうか?

 

現に茨城県でも天井型防鳥ネットを使用していない生産者もたくさんいます。

それは霞ヶ浦で生きる動物たちとの共存が可能なことを示しています。

 

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簡単に言いますと、水鳥による被害や、防鳥ネットの効果が明確でないにも関わらず、防鳥ネットで野鳥を殺しまくっているわけです。

 

仮に、水鳥による被害が甚大で、防鳥ネットが効果があると仮定しても、

 

収穫後は被害はないわけですから、防鳥ネットをしておく意味はありません。

多くの水鳥が、収穫後のレンコン田を好むわけですから、収穫後は防鳥ネットを外しておけばいい話です。

 

しかし一部の農家たちは、「面倒くさい」という理由でそのままにしておき、野鳥の被害を出し続けるのです。

命を軽く見ている証拠と言えるでしょう。

殺し続けている人間は、必ず感覚が麻痺していきます。

 

 

さらに、防鳥ネットをピンと張っておけば被害が減るにも関わらず、それもしません。

被害が減るかどうかなど、どうでもいいのでしょう。

これも、命を軽く見ている証拠です。

 

 

さらに言えば、野鳥の犠牲が多く出るのは、「天井型防鳥ネット」と言って、天井に張るタイプのものです。

これとは別に、野鳥の犠牲を限りなく減らせる「直置き網」というタイプのものがあるのです。

 

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直置き網の場合は天井型防鳥網のような懸念は少ないため、使用されている網目は4.5㎝のものがよく見られます。

 

レンコン田の上に直に置くため、野鳥が入り込んだとしても離水時に網に絡まるということは起こりません。

地面からネットまでの距離が短すぎるため、野鳥が飛び上がった時に絡まるほどの推力が出せないからです。

 

この地域では、直置きのレンコン田があちこちで見られます。

 

とはいえ、まだ天井型防鳥網を使用しているレンコン田もあります。

そこでは、野鳥たちが絡まって宙づりになっていました。

一つのレンコン田で4羽が宙づりになっているところもありました。

 

しかし、この日、この地域で見て回った直置き網(ベタ置き)のレンコン田では、絡まっている野鳥は一羽もいませんでした。

 直置き網 2021年2月茨城県小美玉市

 

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このように犠牲を最小限に出来る方法があり、茨城県の一部農家もこれを実際に採用しているのです。

そして、こういう農家さんは、収穫後もきちんと網を回収することが多いようです。

つまり、野鳥の犠牲を減らそうと努力しているのが行動で分かります。

 

 

このように代替法があるにも関わらず、

知らないのか、面倒くさいのか、

茨城県の多くの農家は、天井型防鳥ネットを採用し続け、野鳥を殺し続けているのです。

仕方がないなどと言いますが、本音はどうでもいい、ということでしょう。

 

日本人はすぐに、農家の丹精込めてやってくれてる汗水垂らす姿を想像し、農家を無条件に信用しますが、

ビジネスなので懸命に働くのは当たり前です。

何の職業であれ、その人が良い人かどうかは、行動を見て判断してください。

 

茨城県産のレンコンは買わないようにしましょう。

 

 

今回のように、植物の生産・収穫のために、野鳥が犠牲になるケースは他にもあります。

 

 

動物好き、動物虐待反対であれば、動物を食べないことは当たり前ですが、

それ以外の犠牲にも目を向けるため、知識をつけ続けることが大事です。

 

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