以下は、日本の豚たちのお見送り活動をした男性の投稿。
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Vigil ヴィジル(豚さんたちのお見送り活動)
屠殺場へ向かって歩く自分の足。
近づくにつれてきつくなってくる匂い。
大きな建物と先に着いてトラックから降ろされたぎゅうぎゅう詰めの豚さんたちが建物の入り口で目に映る。
空になったトラックが出ていくと同時にぎゅうぎゅう詰めの豚さんたちは建物の中に入って見えなくなった。
1台、また1台とトラックで運ばれてくる豚さんたち。
ときどき豚さんの悲鳴が聞こえてくる。
あるトラックの近くまでいけたとき、中にいたのは大きかったり小さかったり、ぐったりしていたり外に興味があったり、毛が黄色かったり黒かったりピンクだったり、手を振ると反応してくれたりした豚さんたち。
それぞれに感情があった。
「大好きだよ」、「愛してるよ」そう伝えた。
ここにいる豚さんたちはどんな日々を送ってきたんだろう。
もっと自分が何かしていればこの現実は変わってたんじゃないか?
どうしてこうなってしまったんだろう。
どうして豚さんたちが殺されなきゃいけないんだろう。
どうして豚さんたちが当たり前に運ばれてくるんだろう。
どうして目の前で殺される豚さんを黙って見ているんだろう。
どうして豚さんたちが殺されるのを必死で止めることが犯罪になるんだろう。
どうして自分は法に従うことを理由にやるべきことを無視していられるんだろう。
どうして、どうして、どうして。
どうしてあの豚さんは手を振るとこっちを見ていたんだろう。
トラックは突然動き出してまた日常が再開した。
今はもうこの豚さんたちは生きていない。
その後もトラック何台分かの豚さんたちを見送って、屠殺場に背を向けて立ち去った。
ぎゅうぎゅう詰め、いつも通り。
響く叫び声、いつも通り。
今日が最後の日、いつも通り。
「いつも通り」でいい?
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Vigilとは、お見送り活動のことを言います。
お見送り活動は、動物に最後の瞬間だけでも癒やしや愛を与える、実態を記録し広める、などの目的があります。
個性があり、感情のある彼らの最後を、目の前で見送ることで、その後の活動への力になるそうです。
投稿にあったように、日本では、豚を屠殺場へ運ぶ際、トラックにぎゅうぎゅう詰めにして運びます。
過密状態のまま、長距離、長時間、座ることもできず、運ばれるのです。
豚たちは大きなストレスを抱えながら、運ばれ続けます。
そのストレスは攻撃に変わり、豚どうしで闘争が起きます。
無理もないでしょう。
我々で言えば満員電車の状態で、目的地も聞かされないまま、長時間、延々と過ごさなければいけないようなものです。
到着する頃には、衰弱して歩くのが困難になっていたり、死んでしまう豚もいます。
このような苦しみに耐え、ようやく屠殺場に到着すると、
今度は中に運ぶ際に、職員によって暴力を奮われることがあります。
蹴る
豚の上に乗って蹴る
棒で叩く
ホースで鞭打つ
電気スタンガン
自分の仕事を早く終わらせることしか考えていない職員たち。
殺すというこれ以上ない暴力が行われている場所です。
このような職員がいても、何ら不思議はありません。
さらに、と殺が翌日に行われるときは、吹きさらしの係留所で、またもや過密状態のまま、一晩放置されます。
係留所でもストレスから、闘争が起こります。
豚は寒さに弱いですが、吹きさらしの係留所では、雪の降る極寒の中であっても、一晩過ごさなければなりません。
この雪の降る中、冷水のシャワーを浴びせられ、一晩放置されるのです。
時間が経つに連れ、皮膚が赤くなっていきます。
これらの苦しみに耐えたところで、待っているのは屠殺、つまり死があるだけです。
出荷からと殺の間だけでも、豚はこれだけの苦しみを味わいます。
しかし、豚の苦しみは出荷の時に限った話ではありません。
豚肉の生産では、生まれた子豚は、生後1週間以内に、3つの虐待が行われます。
1つ目は、尻尾の切断。
麻酔なしで尻尾が切られます。
「過密飼いのストレスからお互いを傷つけあうことを防ぐ」といった理由で行われます。
食用豚たちは、過密飼育のストレスフルの状況で拘束されます。
あまりにもやることがなく、ストレスが溜まっているため、仲間の尻尾などをかんでしまうことがあります。
要するに、飼育状況を快適にすれば、起こらない話です。
業界側がわざわざ豚にとってストレスフルな状況を作って、問題行動をおこさせているにも関わらず、
根本的な改善は行わずに、尻尾を切って痛めつけて対処を行っているのです。
日本の養豚場の80%以上で、この虐待行為が行われています。
2つ目は、歯の切断。
麻酔なしでニッパーで歯が切断されます。
「子豚がお母さん豚の乳首や、ほかの豚の尻尾や耳を傷つけることを防ぐ」といった理由で行われます。
これも、かみついてしまうようなストレスフルな飼育を行っている事が原因です。
わざわざストレスフルな状況を作って、問題行動をおこさせ、根本的な改善は行わず、尻尾を切って痛めつけて対処を行っているということです。
切断された歯のうち 92%で神経感染症が起こり、
10.6%が出血、3.3%が骨折し、
歯の切断後、60%で歯の神経が開いてしまっていることが科学的に明らかになっています。
日本の養豚場の60%以上で、この虐待行為が行われています。
そして3つ目は、オスの子ブタの去勢。
麻酔なしで、鋭利なカミソリでふぐり(陰嚢)を切開、睾丸を取り出し、一気に引き抜き、切り取ります。
血がふきでて、言うまでもなく激痛であり、子ブタは鳴き叫びます(血がふきでた画像)。
あまりの痛みに、痛みが2~3日続くと考えられています。
無麻酔での去勢が原因で、心的外傷性疾患により死亡する子豚もいます。
処置後に腹膜炎を起こして死亡したり、ストレスから発育や免疫力が落ちる傾向があります。
去勢をする理由は、肉の雄臭を防ぐためです。
人間の味という欲のために、豚たちは切り刻まれるのです。
90%以上の養豚場がこの虐待行為を行っています。
また、赤ちゃんや子豚は、床に叩きつけて殺されることがあります。
成長不良、病気、奇形などといった理由で、業者の利益にならないためです。
これを業界では、淘汰といいます。
あたかも自然淘汰のように言ってぼやかしていますが、やっていることはただの虐殺です
日本では、他にも、心臓に消毒剤を注射するなどして殺されます。
注射された子豚は、数分苦しみ もがいた後に、絶命します。
殺された豚たちは、ゴミのように捨てられます。
豚の生産では、幼い頃にこれだけのありえない虐待が行われているんですね。
そしてこれらの虐待行為は、母豚の前で行われることがあります。
また、個体識別のために、耳が切り取られることもあります。
もちろん麻酔なしです。
子供を産む母豚、つまり、繁殖用のメス豚は、
種付けされると、出産までは、妊娠ストールという狭い檻で拘束されながら飼育されます。
一生のほとんどを、転回もできない、身動きができない、何もやることがない、この狭い檻で閉じ込められて生きるのです。
何もやることがない母豚は、目の前の鉄柵を噛み続けるという異常行動を行うことがあります。
妊娠ストールの母豚は、食事も、トイレも、この檻の中で行います。
必然的に、檻の中は、糞尿だらけの不衛生な場所になります。
豚は本来、綺麗好きにも関わらず、自分達の体は、自分達の糞で汚れていきます。
あまりの辛さに、豚たちは精神的に追い詰められていきます。
88%以上の養豚場で、この妊娠ストールが使用されています。
閉じ込めておいた方が、職員が、母豚たちの受胎・流産の確認や、給餌管理をしやすくなるからです。
そして、出産間近になると、分娩ストールという檻にうつされます。
ここで、生まれた子供たちは、母豚の母乳を吸って大きくなります。
見ての通り、こちらも非常に狭い檻です。
母豚は身動きができないため、子育てはできませんし、子供の具合が悪くても、助けることは不可能です。
母豚は、3週間程度、分娩ストールで過ごした後、子供と引き離され、種付けされ、妊娠ストールへ。
種付けは、人工授精によって行われるのが一般的だと考えられます。
膣に器具を挿入される、非常におぞましい行為です。
この人工授精のための精子を、種豚から採取するのです。
このように、自然からかけ離れたおぞましい行為を、当たり前のように行っているのが、養豚業界です。
このようなサイクルを何度も繰り返し、4~5年で生産効率が落ち使い物にならなくなれば、
繁殖用の母豚たちは屠殺場へ送られます。
繁殖用の豚以外が大多数であり、その豚たちはわずか6か月の子供のうちに殺され、肉にされます。
豚たちは、短期間で大きくなるように品種改良されているためです。
写真は、生後4か月の姿。異常な大きさです。
品種改良には
・ 一日でも早く出荷するための「成長率の向上」
・ 脂肪が交雑した霜降り肉などを作るための「肉質改良」
・ より多くの子供を産ませるための「繁殖能力の向上」
などがあり、
人間都合の品種改良によって、豚は苦痛を感じたり、病気を抱えやすくなっています。
まずは、脚弱。
足が弱り、立ち上がることが困難になります。
脚弱は、床の状態、拘束飼育による運動不足など様々な要因がありますが、成長率向上による品種改良も要因の一つです。
生後4、5か月の豚の多くが四肢の関節に骨軟骨症があり、徐々に進行して、やがて脚弱という症状になって現れます。
次に、母豚の空腹による異常行動。
太るように改良されたことにより、豚たちはお腹が空きやすくなっています。
しかし母豚は、妊娠期間中、生殖能力を最適化するために、餌を制限されます。
餌を満足に食べることの出来ない母豚は、空腹に苦しみ、
目の前の柵をかじり続けたり、
口にモノが入っていないのに口を動かし続けたり(偽咀嚼)などの異常行動を起こします。
そして、子豚の死亡率の増加。
日本の母豚1頭あたりの産子数は11頭。
豚はイノシシの品種改良ですが、イノシシの産子数は4~5頭ほどなので、かなり多産になってきていることが分かります。
母豚が多産になるにつれて、離乳前の子豚の死亡率は増えます。
ある研究では、13年間で、生まれた豚が3.0頭増加し、離乳前の死亡率は5.4%増加していることがわかりました。
さらに、母豚の脱肛。
脱肛は直腸、膣、子宮が外に出てしまう疾患で、母豚は痛みで苦悩し、治癒しなければ死に至ります。
脱肛の原因は様々ですが、品種改良による繁殖率の向上が1つの要因と考えられています。
脱肛の増加により、アメリカでは2013年から2016年の間に母豚の死亡率が約2倍に上昇したというデータが出ました。
脚弱、空腹、多産、脱肛など、品種改良は豚たちに様々な苦しみを与えています。
このような苦しい生活を過ごし、時がくれば、トラックでぎゅうぎゅう詰めにされ、と殺場へ運ばれるのです。
そして、最後は恐怖の中、頸動脈を切られ、出血多量で死亡します。
皿の上の肉は、感情があった動物達の死体の一部です。
我々と何の違いもない、意識も感情もある豚が、あなたの数分程度の食事のために、
壮絶な虐待を受け、極限までの痛みと苦しみと恐怖を味わい、肉にされているのです。
日本人はすぐに感謝していただくことに意味があるなどと言いますが、
殺された後に感謝してくれれば、このような悲惨な一生を送ってもいいという奇特な方がいらっしゃれば教えてください。
このような言葉は、現実をまるで知らない人か、欲に勝てない人や、倫理観のない人が建前で使う、ただの言葉です。
豚も、感情があり、個性のある生き物です。
残念ながら、犬猫の虐待に反対しておきながら、肉を食べるという矛盾した方が大多数です。
肉からしか摂れない栄養はなく、タンパク質不足になるなど大嘘です。
・ 菜食の始め方
・ 人間の体と食べ物
美味しいという欲だけのために、豚を苦しめていることを自覚してください。
人を非難する前に、まずは自分自身を変えることから始めましょう。
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