※2021年に作成した記事です。
太田匡彦さんの記事
<人気の「折れ耳」スコティッシュは遺伝性疾患 猫が苦しむ恐れ自覚を>より。
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猫ブームの影響で、純血種の猫をペットショップで買う消費行動が浸透してきた。
この数年、販売頭数は右肩上がりで増えている。
なかでも人気なのがスコティッシュフォールドだ。
アニコム損害保険の調査では、2021年まで13年連続で人気1位の猫種となっている。
人気の理由にもなっている「折れ(fold)耳」を、
骨軟骨異形成症という、優性遺伝する遺伝性疾患の症状だと知る消費者は、どれだけいるだろうか。
原因となる遺伝子を両親から受け継げば重症化して四肢に骨瘤(こつりゅう)ができ、歩く際に脚を引きずるようになったりする。
多くの人が飼う、片親からだけ原因遺伝子を受け継ぐことで耳が折れている猫でも、年齢を重ねると四肢の関節が変形する。
これらは獣医学的に、痛みが生じると考えられる状態だ。
折れ耳スコティッシュの多くが、あまり動きたがらなかったり、動きが遅かったりするのは、痛みのためだと推定されている。
そもそも「病気の猫」をあえて繁殖、販売しようとすることに問題があるのだが、
今年6月に施行された環境省令でも、
「遺伝性疾患等の問題を生じさせるおそれのある組合せによって繁殖をさせないこと」
と定められている。
スコティッシュの骨軟骨異形成症は優性遺伝するから、
折れ耳同士で繁殖すれば75%以上の確率で折れ耳の子猫が生まれ、
折れ耳と立ち耳とで繁殖した場合でも50%以上の確率で折れ耳が生まれる。
販売されている「折れ耳の子猫」の側から見ると、両親または片親は必ず折れ耳だということになる。
つまりペット店の店頭に折れ耳のスコティッシュがいる時点で、
省令が禁じる「遺伝性疾患を生じさせるおそれのある組み合わせ」による繁殖が行われたことは明らかなのだ。
ところが全国のペット店では今日も平然と、折れ耳のスコティッシュが売られている。
親犬、親猫の遺伝子検査を進めれば「予防」が可能なほかの遺伝性疾患についても、
柴犬で発症するケースが多い「GM1ガングリオシドーシス」など一部を除いて、効果的に減らせていない。
人気の犬種・猫種ではむしろ、原因遺伝子を持つ割合が増えている疾患もある。
業者の自主性に任せていても解決が難しいようなら、法令をもって事に当たるしかない。
だが、実際に業者を監視・指導する自治体の現場で、法令の適切な運用ができていない。
環境省は自治体に対して法令をしっかりと周知し、少なくとも外見で判断できるスコティッシュが繁殖・販売されているケースについては、業者への指導や処分を徹底するよう促すべきだ。
また消費者にも、自らの嗜好(しこう)が犬猫たちを苦しめる可能性があることを自覚してほしい。
ニーズがなければ、業者もあえて繁殖させないのだから。(太田匡彦)
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アニコム損害保険の人気の猫種ランキングによると、
1位は「スコティッシュフォールド」であり、2位は「マンチカン」です。
記事にもある通り、スコティッシュフォールドの折れ耳は骨軟骨異形成症という病気からきているものであり、
これによって、軟骨にコブ(骨瘤)ができ、
これが神経を圧迫し、激しい痛みを伴います。
スコ座りも、痛いから ああいった座り方をしているわけです。
https://www.anicom-sompo.co.jp/nekonoshiori/5340.html
つまりは、病気で痛みを抱える猫が1番人気ということであり、
つまりは、病気の猫をブリーダーは大量生産し、ペットショップは大量に売りさばき、消費者たちは大量に購入しているというわけです。
さらに、折れ耳×折れ耳の交配では、致死性遺伝子の働きによって、奇形や死産も増えます。
問題は、その猫を病気にしていることだけでなく、多くの犠牲のもとに、その猫が存在しているということです。
マンチカンの、短足×短足も同様です。
スコティッシュフォールドを買うような人ほど、良いブリーダーもいる、良いペットショップもあるとか言うことが多いですが
スコティッシュフォールドや、マンチカンのブリーダーをやっている時点で、良いブリーダーなわけがありませんし、
販売している時点で、良いペットショップなわけがないんですよ。
彼らはこういった問題を知っててやっているわけです。
金儲けのために。
猫だけでなく、犬も遺伝病に苦しめられています。
コーギーは、遺伝病の変性性脊髄症を発症しやすいことで知られています。
変性性脊髄症は、痛みを伴わず、ゆっくりと進行する脊髄の病気で、
後肢の麻痺から始まり、数年かけて徐々に前肢、呼吸筋の麻痺へと進行していきます。
症状は10歳頃になってから現れ、後ろ足のふらつきなどの症状がみられ始め、
3年程かけてゆっくりと進行し、最終的には呼吸ができなくなります。
1990年代にコーギーが人気となってしまい、ブリーダーがこぞってコーギーを繁殖させ、この遺伝病が広がってしまいました。
ダックスフントのダップルカラーは、マール遺伝子の作用で斑模様が作られることによるものです。
マール遺伝子の、部分的に毛色を脱色させるような働きが内臓などの大切な部分に働いてしまうと、
目や耳、内臓などに障害や疾患を持った仔犬が誕生します。
また、死産のリスクも上がります。
他の犬種・猫種も、様々な遺伝病がブリーダーにより広められ、極端な体型への改良により、苦しめられ続けています。
帝王切開でしか子供を産むことができないブルドッグ。
巻いた尻尾を作るために、脊椎が歪んだパグ。
潰された頭蓋骨により呼吸器に問題を生じやすい、パグ、ペキニーズ、ブルドッグ。
聴力を失いやすいダルメシアン。
極めつけは、一目見て異常だと分かるティーカップドッグ。
未熟児を産ませるために、妊娠している繁殖犬がスプーン1杯の食事しか与えられませんでした。
犬は、親戚と無理やり交尾させられるか、膣をいじられ人工授精させられ
外見のため、慣習のために、親指や尻尾が不必要に切られてます。
このような異常な世界を作り上げているのがブリーダーたちであり、ペットショップです。
>>遺伝性疾患は減らせていない
当たり前ですよ、本気で減らす気がないのですから。
ブリーダーやペット業界が本気になるのは、自分達の金儲けだけです。
だから、このように数値規制の際に、反対の署名をするブリーダーたちが沢山いるんですよ。
しかし、そのブリーダーや、ペットショップを支えているのは、消費者です。
記事にもある通り、なぜこのようなことをブリーダーたちが行うかといえば、消費者がそれを求めるからです。
もっと小さいものを、もっと珍しいものを、もっと可愛いものを手元に置きたいという その欲が、
犬や猫の遺伝子をコントロールし、病気を広げ、種として存在しえない体型を作り続けています。
業界の人間は消費者のニーズにこたえているにすぎず、売れなければ生み出しません。
逆に言えば、消費者が買い続ける限り、犬猫の地獄は終わりません。
悪徳ブリーダーだけを問題視する人が多いですが、生体販売業界全体が狂っているということを自覚すべきです。
外見とか、血統とか、年齢とかいった、自身の欲を優先させるのではなく、恵まれない保護犬や保護猫を引き取る、あるいは飼わないという選択をしてください。
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