食べ物の好き嫌いが

かなり分かれるといえば、

牛乳、乳製品

であろう。


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関税率表(タリフ)の

第4類といえば、

この乳製品を含む

動物性食品である。


表題は

「酪農品、鳥卵、天然はちみつ及び

他の類に該当しない食用の動物性生産品」

である。


類注には、

まず

「ミルク」について、

「全乳及び部分的又は完全に脱脂した乳」

とある。

→乳については、乳等省令というものがあり、

 その中の分類でもある程度判別できる


他にも、

ヨーグルト、バター、デイリースプレッド、

ホエイチーズ

についての規定があり、

除外規定については、

・食用に適さない昆虫類

・ホエイから得た物品で乳糖の含有量が

 全重量の95%超のもの

・一以上のミルクの天然の組成分を

 他の物質で置き換えることにより、

 ミルクから得た物品

・アルブミン及びグロブリン

(簡略化して書いているため

 詳細はリンクを参照)

となっている。


他、昆虫類に関する規定と

号注で調製ホエイ、バターについての

規定がある。


項はとても簡単に書きすぎると、

0401 ミルク・クリーム

0402 ミルク・クリーム

0403 ヨーグルト等

0404 ホエイ

0405 バター等

0406 チーズ

0407 鳥卵

0408 鳥卵

0409 天然はちみつ

0410 食用の昆虫類

となる。


0401〜0406項までが、

俗に言う乳製品であり、

前述の乳等省令で定義されるもので

ある程度分類できる。


ただ一般的に乳製品関連は

普通に輸入すると関税率が

めちゃくちゃ高いし、

プラスして調整金を農畜産業振興機構という

農水省の天下り団体に納めなければ

ならないため、かなり輸入のハードルは高く

乳製品製造メーカーや老舗専門商社的な

ところしか輸入できないのが現状だ。



主な乳製品の分類



0401項は、

「ミルク及びクリーム

 (濃縮若しくは乾燥をし又は

  砂糖その他の甘味料を加えたものを除く)」

となっている。


項の規定の

濃縮していないもの

乾燥していないもの

砂糖その他の甘味料を加えていないもの

に該当している

生乳、牛乳、特別牛乳、低脂肪牛乳、

無脂肪牛乳などとなる。


生乳はいわゆる搾りたてで殺菌とかしてない

牛乳で輸入はほぼないと考えて良いだろう

(日本国内でも牧場や直販店でしか飲めない)


牛乳は生乳を殺菌して、

油分や水分を均質化(ホモジェナイズ)して

販売されたもの

(輸入牛乳などほとんど見ることはない)


クリームについては、

生乳から乳脂肪以外の成分を除去したものと

定義されている。




輸入する物品の

・乳脂肪分

・無脂乳固形分

 (乳脂肪分以外の固形分)

 ※主に乳糖、乳タンパク(カゼインなど)、

  ミネラルなど乳本来の成分

・水分

を分析表などで確認して、

原材料表で砂糖等の有無、

製造工程表で濃縮、乾燥、殺菌等

の有無を確認する。


0402項は、

一つ上の項とは逆に

濃縮したもの(砂糖、甘味料の有無問わず)

乾燥したもの(砂糖、甘味料の有無問わず)

砂糖その他甘味料を加えたもの

が含まれる。


ここに含まれるものは、

脱脂粉乳

無糖練乳

加糖練乳

などが該当する  


脱脂粉乳(スキムミルク) 

わかりやすいのがカルピスの原料で

遠心分離でクリームと脱脂粉乳に分けられ、

クリームはさらにバターへ加工して販売される




無糖練乳



加糖練乳(いちごにつけるやつ)





こちらも製法や使用原材料、

成分の分析表は必須。


0403項は、

ヨーグルトなど発酵させたミルク、クリームが

該当する。


ヨーグルトなどは、

発こう乳として分類される


ヨーグルト

 

ケフィアというのは

どうやらヨーグルトが乳酸菌だけから

発酵されるのに対して、

乳酸菌プラス酵母から発酵されるものらしい。

https://item.rakuten.co.jp/kefran/oc-001/



0404項は

ホエイといって乳清とよばれ、

クリームチーズやヨーグルトを放置すると

固形部分と黄味がかった水分に分離されるが

黄味がかった水分に含まれている成分にあたる。


写真の右側がホエイ(乳清)



よく筋肉増強などのタンパク質成分として

ホエイパウダーなどで売られているやつを

イメージしてもらえばいい。



0405項はバターなどが該当する

号注にある通り、

無水バターとギーはバターには分類されない。  


バター

贅沢だけどこの美味さを知ってしまったら

マーガリンなど食べられない


ギー

バターよりも液状な感じ



0406項は

チーズが該当する。

チーズについては、

大きく

ナチュラルチーズ、プロセスチーズに

分かれ、

ナチュラルチーズは

熟成してないチーズは

フレッシュチーズとして分類される。

(ブラータ、モッツァレラなど)

その他でも、

MFFB値という数値を基準にして

・ソフトチーズ

・セミハードチーズ

・ハードチーズ

に分類される。


こちらも非常に高関税であるので

EPAなどで安くするパターンが多い。


ブラータ

(フレッシュチーズ)かつソフトチーズ


セミハードチーズの代表、ゴーダチーズ



ハードチーズの代表、

パルミジャーノ・レッジャーノ

硬くてそのまま

かじると歯が欠けそう



0407,0408項は鳥卵であり、

項の規定にある殻の有無により

分類が異なる。


0407は殻付き

0408は殻なしである




0409項は天然はちみつであり、

これは分類例規に明確な規定が存在する。

・水分が20%以下

・ショ糖が5%以下

・果糖とブドウ糖の合計が60%以上

であることを

公的検査機関の証明書写しを添付することで

証明する。

この成分基準を満たさないと、

天然はちみつに分類されず

人造はちみつとなり関税率が倍になってしまう。


プーさんが好物なのも頷けるが…


0410項は

昨今の健康志向などの高まりから、

昆虫類をタンパク源とする食文化?

が欧米で高まっていることから

HS改正で追加されたもの。


次にこの類に関わる他法令について

0401〜0406項までは

動物検疫にかかる

ただしLL牛乳のように常温保存が可能な牛乳、

無糖練乳などいくつか除外されているものも

ある。


基本的な分類として

・飼料用かどうか

・リスト国かそうでないか

・検疫対象のHSコードかどうか

で輸入基準が変わるのと、

申請にあたり

衛生証明書原本を必ず入手しなければならない。


食肉関係に比べると検疫は緩く、

検査率も少ない。


0407〜0408項も

生卵は動物検疫対象となり、

鶏インフルエンザ発生国からは輸入禁止、

日本向けに生卵を輸出できる国も限られている

(動物検疫の言葉では「液卵製品」という)



ゆで卵や皮蛋などの卵加工品は

家畜伝染病予防法でいう指定検疫物には

該当しないが、

検査不要なものであるかどうかは

一度確認検査を受ける必要がある。


食品衛生法下の食品届はちょいと厳しい!

先日書いた食品届の部分で触れた

「食品、添加物等の規格基準」

に従うことはもちろん、

乳製品の場合は前述の「乳等省令」に

規定される規格基準に合致しなければならない。

プラス動物検疫にも出す

衛生証明書原本も出す必要がある。

(こちらは動物検疫と兼用になるため、

地域により扱い方が多少異なるが、

動物検疫所にPDF提出して、

厚生労働省検疫所へ原本提出する

流れが一般的なはず)


しかも乳等省令にかかるものは

検疫所から厚生労働省本省へ

お伺いがなされるため、

実績がないものは

審査に時間を要する。





また乳製品の一部のものは

前述の通り、

「畜産経営の安定に関する法律」

の規定により

加工原料乳生産者補給金制度があり、

関税とは別に納付金を

農畜産業振興機構(ALIC)という

農水省の役人の天下り団体に納めなければ

ならない場合がある。


年間ごく少ない量を入札で輸入する方式

(これができる業者は限られる)

と一般輸入で機構に売買する方式がある

(これは非常に高額なため、メリットがないのと

関税暫定措置法のセーフガードにすぐかかるため

これもやる意味はほとんどない)


あとは鳥卵の場合、

一部の鳥類の卵は鳥獣保護法による

適法捕獲等証明書等の添付が必要。


また一部の動物由来のものは

ワシントン条約該当の可能性もあるので

由来動物の学名の把握は必須と言える。


あと最後に乳製品については

関税割当も絡み、

こちらは一般的に輸入国管理制度適用のものが

多いので、年度替わりのタイミングで

早めに農林水産省へ申請する必要がある。

しかも一般輸入用とEPA用でも異なるので、

それぞれで申請しないといけない。

割当も用途、品目で異なるので

間違えないようにご注意いただきたい!


今年度の一般輸入用


TPP用


日欧EPA用


日米貿易協定用


その他のEPA用


これだけ手続きが異なるので

非常に面倒くさい。

知ってるところ、勉強してるところ

以外は手を出さない方がいいであろう。


乳製品に関しては、

専門書だが初心者にもわかりやすい本があった

ので紹介したい。



乳製品についての基本的な分類や

成分についてわかりやすくまとめてくれている。


分類については、

書ききれない部分が多々あり、

今後修正を加えていく予定だ。

ご容赦いただきたい。