拘束。
地震の災害に遭われた皆様に、心からお見舞い申し上げます。
一日も早いご復興を、願っております。
この話は、事実に基づいたフィクションである。
もし、なんらかの理由で予期せずこのページを開いてしまった方には、
申し訳ないが、即座に閲覧をやめることをおすすめする。
これは、私の過去の清算の意味以外になく、
誰かに不要な感情を持たせるつもりはない。
ここで公表するに自分自身が救われるだけだ、
繰り返す、これは事実ではない。
私の話では、ない
たまに、何か(例えば料理とか)をしていると、母の言葉が蘇って止まないときがある。
「本当にいい加減ねえ」
「食中毒になりそう」
「あなた、向いてないわ」
「でたらめなんだから」
「適当ですぐ済ませるんだから」
「ほら、ちゃんとやらないと」
「ちゃんと」
「ちゃんと」
「ちゃんと」
こういった言葉が反芻され、
わたしは投げ出したくなる。
「ほら、ちゃんとしなさい」
「ほら、ちゃんと・・・・・」
「なんで、ちゃんとできないの」
母の使う「ちゃんと」はとても都合のよい言葉だ。
「私の気に入るように」を全て代弁してくれるのだから。
そう理解しながらも、それでも、
「ちゃんと」
「ちゃんと」
「ちゃんと」
脱いだ服、食べ終わった食器。
「ちゃんと」
「ちゃんと」
「それじゃ、はあ・・・・」
「ちゃんとしないと、困るの自分よ」
ちゃんとしてないわたしは、
いまだ、何もいえない。
そして、困っている。
泣くな、と言う男。
この話は、事実に基づいたフィクションである。
もし、なんらかの理由で予期せずこのページを開いてしまった方には、
申し訳ないが、即座に閲覧をやめることをおすすめする。
これは、私の過去の清算の意味以外になく、
誰かに不要な感情を持たせるつもりはない。
ここで公表するに自分自身が救われるだけだ、
繰り返す、これは事実ではない。
私の話では、ない
母は、わたしの交際関係に過敏だった。
最初に帰りが遅くなったとき、それがバイトと知れていない日で、
母はわざわざバイト先に電話したらしい。
「お休みですよ」ここから母の闘争心を煽ったらしい、
このわたしは騙せないわよ?とでもいうような体勢だった。
暗闇の中ぽつぽつと歩いてくるわたしに、数十メートル先から母は怒鳴った。
「あんた、いままで何してたの?!」
「友達とお茶してた・・」
「嘘じゃない!!バイト休みでしょ?」
バイト休み=・・・・・・?
わたしが、バイトを休んで他の友達と遊ぶことはこの母の考えになかったのだろうか?
バイトを休む、確かにバイトは面白かった、けれど何があっても休まないわけではない。
そして、「お仕事?」と言って笑ったのは母自身だ。
「男の人と会ってたんでしょ?!」
「違うよ」
「会ってたんでしょ?わかるのよ?!」
何言っても無駄。
わたしはそう思う。
それにしても、母の態度は尋常ではなかった。
「あんたまだ子供なのに、男と付き合ってどうするの!!わかってるの?
わかってんのあんた?」
「会ってません」
「うそでしょ?今言ったら怒んないわよ?お母さんはねあんたのためを思ってるからいうの、
わかんないなんておかしいわよ、で、会ってたのね?」
「会ってません」
「・・・・言いたくないならいいわよ、恥かしい付き合いしてるって思われんのよ?
いいのね?お母さん、知らないから!!」
それでも黙っていると、
「ただあんたが心配なのに・・・」母は、そういって、泣いて見せた。
泣くな、と言う男。
この話は、事実に基づいたフィクションである。
もし、なんらかの理由で予期せずこのページを開いてしまった方には、
申し訳ないが、即座に閲覧をやめることをおすすめする。
これは、私の過去の清算の意味以外になく、
誰かに不要な感情を持たせるつもりはない。
ここで公表するに自分自身が救われるだけだ、
繰り返す、これは事実ではない。
私の話では、ない
思い出して、順序だてて書いていくつもりだった、
けれどお許しいただきたい。
花火のようにいきなり上がってきて消えるまで、記憶は途切れない。
一つ思い出すと、次から次へと上がってきて、
一瞬で消える。
普段は思い出さない過去が、いきなり暗い中にぱあっと光る。
一つ上がると止まらなくなる。このピークが終わるまで、お付き合いいただきたい。
高校を卒業する前、友達の彼氏、と言う人がわたしに挨拶をした。
「こいつがお世話になってまして。こいつ、わがまま言ってるんじゃない?」
その友達は照れながら、やあだやあだ、と彼に甘えた。
彼は、優しげで、愛情たっぷりに皮肉る。
これがわたしにとって、たまらなく羨ましかった。
母はいつも他人に、「このこ、こうでしょう?ねえ・・」と嫌そうに、
自分も被害者だ、と言わんばかりの言い方をした。
そんなことないですよ、お嬢さん、いい子ですよ?と言われるまで、
母のわたしに対する卑下は続いた。
それに慣れていたわたしにとって、彼の言動は、とてもとても願うものだった。
わたしも、そう、言われたい。
今までのことを、愛情を裏にした照れ隠し、と全て記憶を塗り替えてもらえるんじゃないか、と思った。
そうだと思わせてくれるんじゃないか、と思った。
こんな人と付き合えたら。
「羨ましいです」と正直に言った。
彼は、友達に絡ませる腕をなだめながら、「そうかな?」
「ほんと、羨ましいな、わたしもそういわれて見たい」
「言われるでしょ?・・・・彼氏とか?」
ここでわたしはにこっとして黙った。
あの子が愛される理由がわからない。
わたしだって、愛されたっていいはずだし、なのに足りないのに、どうして、何でも持っている子に?
これ以上、いらないじゃない。
わたしには、あるべき愛情がない。その分、この子より愛されたっていいんじゃないの?
当時、わたしは本気でそう思っていた。
しばらくして、彼は、わたしのことを好きになった、と言った。
「あいつみたいに、愛されるのが当たり前っての、苦手なんだよね」
そういった。
けれど、けどわたしは思っている。
愛されるのは当たり前なんじゃないのか?それを与えられることが普通で、
与えられないわたしこそが不幸なのだ、と思っている。
あなたは、わたしのその不幸を埋めてくれるのではなかったの?
「当たり前には、好きになってくれないよね?」
「やっぱさ、努力って必要なんだよね、お互い」
彼は瞳をきらきらとしていった。
この人も、わたしに努力を求める。
このままのわたしを、愛してくれてない。そう思うと、彼に母の影が重なった。
どれだけ愛してくれているのか、わたしは無意識に確かめた。
例えば、電話に出ない。
例えば、「これをしてくれないから、あなたはわたしを愛してない」と問い詰めた。
初めて、好きだ、と言ってくれた彼にわたしは「好き」の意味を確かめ続けた。
この人は、母とは違う。
違う、絶対に違う。
母がおかしいのだ、きっと母がおかしいのだ。
だから、この人はわたしを満足させてくれなきゃいけない。
それが、「好き」だと言うことだ。
彼は、壊れていった。