『はまゆり』は釜石線を走る快速列車で、元々は急行『陸中』と名乗っていましたが2002年に格下げとなった列車です。
急行『陸中』は面白い変遷を辿っていて、1961年に登場したときは上野から常磐線経由で宮古まで向かう列車でした。
1968年のヨンサントオ改正で仙台から秋田へ向かう全く別物の急行になったのですが、東北本線を走行した後、釜石や宮古へ向かい、花輪線から秋田へ向かうという今では考えられないような遠回り列車でした。
新幹線の開業によって区間が短縮されていき、現在は盛岡~釜石間、東北本線にも乗り入れて、利便性を高めています。
車両はキハ110系、基本は3両編成で繁忙期になると4両に増結されます。
この快速ですが、元が急行だったので面白いポイントが2つあります。
1つ目は指定席があること。
そのため、1号・2号と番号も振られていて、号車も決められ、3号車が指定席です。
2つ目は一部リクライニングシートが採用されていること。
指定席3号車には必ずリクライニングシート車が投入され、あわせて自由席の2号車にもリクライニングシート車となることが多いです。
私が乗車した日は3両ともリクライニングシートという豪華編成でした。
座席配列は2+2、シートピッチは940mmほどで、窓割りはきちんと合っています。
中心に肘掛けは無いですが、両サイドの肘掛けにはビニールが張っているのでひやっとしなくて良いです。
他にも背面テーブルや網ポケットもあるなど、特急型と遜色がありません。
色違いの車両もあります。
車端部にはスペース的にボックスシートになっています。
騒音がちょっとうるさいせいか少し避けられている区画ですが、個室感があって団体利用ならば良いと思います。
透明なパネルなので前面展望も楽しめます。
釜石行の場合、3号車14番のAB席が前面展望に適しています。
ただし注意点として、花巻で方向転換をするので、最初は最後尾となり、釜石線内で最前列となります。
盛岡行の場合、自由席の1号車1番のCD席が早いもの勝ちで前面展望を楽しめます。
ただし、トイレがこの部分にある場合もありますし、そもそもリクライニングシート車ではないことの方が多いので、期待しないほうが良いと思います。
歩王さんのブログで前面展望について紹介されていたので合わせてご覧になってみてください。
この車内レイアウト、JR東海ではお馴染みの373系とそっくりです。
リクライニングシートだし、デッキを仕切る扉がなく、乗降口が広めのドアになっている点など類似点は多いです。
三陸沿岸と東北新幹線を結ぶ列車の中でも釜石線は山田線や大船渡線に比べると観光やビジネスなど一定の需要がある路線のように感じます。
(釜石駅前にはJR東日本グループのホテルが大きく建っていました)
キハ110系もだいぶ老朽化し、次に新型が投入される可能性もありうるので、この乗り得列車を狙ってみるのもありだと思います。
(なお、山奥を走るばかりで車窓は少し単調で今回写真は撮っていなかったです…)
左はキハ100系、右はキハ110系、見た目は似ていますが結構仕様は異なります。
キハ100系は両運転台で17.5m車体、キハ110系は片運転台タイプも存在し、20m車体になっています。
製造年度によって、スカート部分が通常の鋼板になっているものもあれば、パイプ状のものもあります。