内部留保への課税 | 秋山のブログ

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経団連会長が、希望の党などが主張している内部留保に対する課税に反対したという記事があった。

このブログにおいて、内部留保に関しては、以前から重大な問題として取り上げている。

 

会長は思いつくまま反論を述べている。例えば二重課税だとか、内部留保に課税しないのが国際的な状況だとかである。ところで、あまり説得力のないことを述べているから、会長の主張は間違っているかと言えば、そんなに話は簡単ではない。企業が内部留保を貯めるのには理由があるからだ。

 

本来企業は借り入れをおこなって、負債を抱えた状態で事業をおこなうのが本来の形である。貨幣のストックの企業、家計、国家、経常収支の合計は常にゼロである。家計はまず貯めておいて、老後それを切り崩して生活するというのが一般的だ。そして国家や経常収支はトントンになっているのが理想的である。

企業が内部留保を貯め出した理由は、負債を抱えておくのが危険、又は損になったからだ。

成長率が低下している状態で、金利が上がれば、企業は返済に困ることになる。貨幣は借り入れによってのみ増えるものなので、国が借り入れを行なうか、経常収支が増えなければ、成り立たないのだ。

逆に貨幣が持っているだけで増える傾向にあるならば、それは内部留保を増やす強いインセンティブとなるだろう。

 

貨幣の本質を考えれば、融資は利息の分を含めても目減りするのが当然である。新古典派の経済学者は、返すお金が目減りするのは不誠実などと主張するが、持っている資産が自然増することを期待する方が余程不誠実であろう。インフレを抑えるために金利を上げるという政策が、経済の悪循環の原因であることは疑う余地はない。企業の内部留保に税金をかける前にすべきことは、新古典派が流した最悪の嘘を修正することだ。