増税するなんて言ってない | 秋山のブログ

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選挙戦まっさかりである。経済政策を比較しているページを見つけた。

 

下から批評してみよう。

 

○新党大地→論外。重要性のない財政再建を重要視するのみならず、これしかとりあげていない。

 

○幸福実現党→意外と悪くない。特に間違っているのは、配当課税の廃止。配当は貨幣の循環において貨幣が漏出する要素である。漏出したものの一部を税で取り上げて公共のために使うことは、経済を改善する。相続税の廃止も消費の抑制を生み、格差を広げるだろう。法人税減税も配当を増やし、労働分配率を下げるのでマイナス。償却資産はよい。

 

○日本のこころ→正しい。異次元の財政政策、消費税マイレージも面白いアイデア。しかし異次元の財政政策と言うならば、消費税は減税だろう。

 

○社民党→間違ってはいない。しかしボトムアップの経済政策が具体的に何なのか分からない。イメージでの主張は意味が無い。為替取引税はよいが、富裕税は今一。外国からの搾取を防がなくては意味がない。

 

○共産党→間違ってはいない。しかし社民党以上に具体性に欠ける。法人税、所得税は戻すべきだが、ならば同時に以前は大幅に認められていた経費、交際費の基準も戻すべきである。

 

○日本維新の会→間違い。消費税増税凍結はよいとしても、財政均衡を重要視している。工程表や財政責任法など愚劣極まりない。

 

○立憲民主党→怪しい。ここだけが消費税を延期としている。増税すべき税の種類は正しいが、財政再建に重きを置いている可能性が高い。中小企業支援は正しい。

 

○希望の党→間違い。金融政策、財政政策に否定して、民間活力を引き出すなど、まるで分かっていない。ワイズ・スペンディングで財政支出削減など、完全に誤った新自由主義政策。

 

○公明党→間違い。軽減税率は煩雑になるだけで、消費税増税のマイナスにははるかに及ばない。生産性を上げる具体策がない。今回の公明党の公約にはいいところが全くない。

 

○自民党→間違い。消費税は当然引き上げるべきではない。上げた一部を、財政再建ではなく、子育て世代への投資に使うのはよい。生産性革命とか具体性がない。財政収支黒字化を進めれば、経済成長は実現されない。

 

この図を見れば、家計、企業、国家は財政に関して全く性質が異なるもので、同じように考えることが誤りであることは、理解できるであろう。他にも多くの示唆を与えてくれる。

経済の規模が大きくなって、国民がより多く消費できるようになる時、家計の貯蓄は大きくなる傾向にあるだろう。借金や貯蓄の切り崩しで消費が増えることもありうるが、それを続けることは不可能だからである。すなわち、国か企業が借り入れを増やすか、経常黒字を拡大させる必要がある。経常黒字の増大は他国との軋轢、特に米国との軋轢を増大させるため好ましくないため、もし国家が財政再建を望むのであれば、企業が借り入れによって事業をおこなう正常の状態へ回帰させる必要がある。そのためには、内部留保よりも借りた方が得な状態、すなわちインフレで、名目成長率が高く、一方、金利、配当が低い状況を創りださなければいけない。

 

そうすると当然、財政政策と金融政策で、インフレが起こるまで不均衡を続けるしかないわけで、正解は「日本のこころ」だけということになる。

財政再建を重要視している政党が多いことは、嘆かわしい。本人たちは責任感があるつもりであろう。

 

もちろんこれらは所詮公約であって、本心のところは分からない。公約を掲げて政権を取っても、様々な横槍が入って実行できないことは多々ある。政治家と官僚との戦争も、マスコミの攻撃も最早多くの国民が知ることであろう。

そこまで考えて上の公約を見ると、本音なのか、嘘なのかということも着眼点になってくる。そして一番嘘だと思われるのが、自民党の公約だ。高橋洋一氏の話によると、2年後の増税の約束など、約束していないことと同じだそうだ。増税を延期した時も、その2年前には必ず増税すると言っていた。全く同じパターン、同じ説明である。むしろ重要なのは財政再建に少なくとも一部は使わないことで、これは後日万が一増税しても財政再建には使わせない布石だろう。目標を堅持という言葉も、批判を封じ、どんな政策もできる言い回しだ。

何だかんだ言って、国を滅ぼす財政均衡主義を信仰として持っているのが財務省で、そこをコントロールできるかどうかが、国民を豊かにする政治ができるかどうかの鍵だ。そのための能力ということであれば、自民党が他の党より一枚も二枚も上手であるように思えるのである。