扶養控除撤廃論議 | 秋山のブログ

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NHKの深読みという番組で、扶養控除撤廃に関する話題が出ていた。視聴者に分り易く説明するためになかなか努力している番組であるが、番組スタッフ自身が状況の理解に苦労していたり、間違って理解していることもたまにある。今回の話では、少子高齢化の嘘(少子高齢化が起こっていること自体はもちろん事実だ)に完全に騙されていた。

NHKの説明はおきまりのものだ。
少子高齢化で働かない老人が増えている。その一方、労働人口はどんどん減っている。
だから、労働人口を増やさなくてはいけない。働いていない女性(家事は労働であるが)に働いてもらおう。そのためには扶養控除撤廃だと。

これが誤りであることは初期から繰り返し書いている。知識が増え、初期の内容が陳腐になっても、その部分に全く変わりはない。問題はどうやったら分かりやすく説明できるかだ。

現代人は、一人の人間が、何十人分の、何百人分の、食料や、製品を作る。世界中に失業者があふれているように、供給力に問題は全くない
人手不足の分野がたまにあるのは、適正な価格設定や賃金になっていないことが原因である。飢餓などがみられるのは、適切な分配がおこなわれていないためである。
生産力があがれば、より多く消費できるようになり、皆に恩恵があるはずだったが、生産力の上昇した分が搾取に利用されることが多くなった。その結果、ほとんどの人の生活が悪化した。
金融業の発達は、その社会的貢献の一方、社会の多くの層から上前をはねるようになった。賃金が変わらないところに出費が増え、ほとんどの人の生活が悪化した。
新自由主義に基く政策や、財政均衡主義に基く政策も人々の生活を悪化させる原因である。
人々の生活の悪化の原因は、少子高齢化ではない。しかし少子高齢化には、人々の生活の悪化が関係している。
すべきことは、さらなる労働力の追加ではない。人々が本来もらうべき対価をもらえるようにすることと、独占等により暴利を貪る金融関係の業務に働きかけ利益を適正な水準まで下げることだ。(最悪なのは、さらなる労働力の追加によって、平均賃金の低下がおこることだ)

ということで、女性の活用を推進する必要は、経済に関してはない。財政均衡主義的な視点での導入に関しては、論外である。ただし男女の同権という観点では、社会進出を助ける政策は、とても重要だろう。
ただお金が上手くまわっている状態。純粋に人手が足りなくて困るような状態になれば、国の手助けなどなくても、民間で整備が進むのではないだろうか。すべきことは、扶養控除の撤廃ではなくて、扶養控除限度額の撤廃や、妻への扶養より子供の扶養を厚くすることだと思う。