今回も 厚生労働本省 の予算のつづきになります。
総額は
32兆9777億4991万7000円 。
今回はこんな項目から。
- 社会福祉諸費 351億0413万8000円
たとえば、こんな支出。
社会福祉施設職員等退職手当共済事業給付費補助金 273億7759万円
社会福祉法人が経営する社会福祉施設などに勤務する職員に、退職手当を支払う事業です。
国と都道府県と経営者が、それぞれ1/3ずつ負担する仕組みになっています。
職員の処遇向上と、福祉施設の健全な経営が目的です。
(図は福祉医療機構からの引用です)
”独立行政法人 福祉医療機構” に支出されます。
社会福祉事業施設等貸付事業利子補給金 27億0551万4000円
”独立行政法人 福祉医療機構” は、社会福祉施設の整備などに資金を融資する事業をしています。
建築資金などを長期・固定・低利で提供し、社会に欠かせない福祉・医療サービスを安定的・効率的に提供する基盤とするのが目的です。
国はこの融資制度の維持のため、金利変動による金利差の不足相当額、借入金利息と貸付金利息の差額などを補給しています。
褒賞品費 417万6000円
民生委員手帳等作成費 368万8000円
”民生委員” をご存じでしょうか。
厚生労働大臣から委嘱され、それぞれの地域において、住民の相談に応じて必要な援助を行い、社会福祉の増進に努める方々で、”児童委員” を兼ねています。
1917年から始まった制度で、2017年には創設100周年となりました。
子どもたちの見守りや、地域のパトロールなどを実施されています。
(図は政府広報からの引用です)
立場は特別職の地方公務員(非常勤)となりますが、給与はありません。
ボランティアで活動してくださっています。
任期は3年。
全国で約23万人が任命されています。
上記の予算ですが、
褒章品費は、民生委員の有功章と特別顕彰に、
民生委員手帳等作成費は、民生委員手帳や辞令用紙などに支出されます。
民間社会福祉事業助成費補助金 2億7967万7000円
”社会福祉法人 全国社会福祉協議会” の事業を補助しています。
具体的には4つの取組みがあります。
・地域福祉活動支援事業 2億0300万6000円
この事業では、
生活福祉資金貸付制度の適正な運営のための体制整備
民生委員・児童委員への情報支援
地域団体(町会や自治会など)、ボランティアグループ、NPOなどが行う互助事業の実施
民間相談機関の相談員などの研修
ボランティア活動に対する理解を深める取組み
などを実施しています。
・就労系施設生産活動促進事業 1222万1000円
”就労系施設” とは、障害や疾患がある方の就労を支援し、かつ就職し働き続けていく過程を支援する施設をさします。
この事業では、
発注者側(国・民間企業など)に、発注を行うために必要な情報の発信
就労系施設の製品開発、販売促進、品質管理などについての指導・研修
就労系施設製品の販路の拡大と受注の安定のための展示販売
を実施しています。
・中央福祉人材センター運営事業 5269万7000円
社会福祉事業で働く人の確保を目的として、”都道府県福祉人材センター” が設置されています。
”中央福祉人材センター” は、都道府県センターの統括や研修、啓発活動などを実施しています。
・福祉サービスの第三者評価等事業 1175万3000円
福祉施設・事業所に対して、福祉サービス提供体制や内容について第三者が評価を行う取組みです。
全国社会福祉協議会のサイトのリンクを貼っておきます。
社会福祉振興助成費補助金 6億0769万9000円
”独立行政法人 福祉医療機構” は、社会福祉振興助成事業(WAM助成)を実施しています。
NPOやボランティア団体などが行う民間福祉活動を対象とした助成金制度です。
財源は、上記の補助金です。
(図は福祉医療機構からの引用です)
地方改善事業委託費 579万3000円
アイヌの人々を対象とした電話相談を実施しています。
地方改善事業費補助金 36億1852万8000円
”隣保館” や、”生活館・市民館” がお近くにあるでしょうか。
隣保館は、もともと部落差別を解消するための地域のコミュニティセンターとして設置されました。
現在では、地域福祉の推進や、地域交流の場として活用されています。
上記の費用は、
地域の拠点としての基本事業(社会調査や研究、相談、啓発・広報、地域交流、周辺地域巡回、地域福祉)
地域の実情に応じて実施する特別事業(隣保館デイサービス、地域交流促進、相談機能強化)
などを補助する目的で、地方公共団体へ支出されます。
外国人看護師・介護福祉士受入支援事業委託費 8811万円
少し前のブログにも出てきましたが、日本とインドネシア、フィリピン、ベトナムとの間で締結された経済連携協定(EPA)にもとづき、それぞれの国から看護師と介護福祉士の候補者の受入れが実施されています。
インドネシアからの受入れは平成20年度、フィリピンからの受入れは平成21年度、ベトナムからの受入れは平成26年度から始まりました。
令和元年8月の時点で、累計6400人以上が受け入れられています。
上記の費用は、
外国人介護福祉士候補者に対する、日本における就労前の介護導入研修
巡回訪問などによる外国人介護福祉士候補者の労務管理や研修状況の把握、指導
外国人介護福祉士候補者からの相談・苦情への対応
などのために、”公益社団法人 国際厚生事業団” に支出されます。
社会事業学校経営委託費 3億7811万1000円
各所修繕 514万7000円
”日本社会事業大学” の運営費、修繕費として支出されます。
日本初の福祉専門の大学で、1946年に厚生労働省の委託を受けて開校しました。
所在地は、東京都清瀬市竹丘3-1-30。
学生数は1400名程度、社会福祉学部のみの単学部大学です。
ホームページはこちら。
社会福祉職員研修センター経営委託費 3010万5000円
日本社会事業大学は、”社会福祉職員研修センター” で社会福祉研修事業を実施しています。
社会福祉に携わる方であれば、受講することができます。
このセンターの運営費として支給されます。
つぎは、こんな項目。
- 社会福祉施設整備費 49億0541万1000円
たとえば、こんな支出。
社会福祉施設等施設整備費補助金 44億6225万9000円
社会福祉施設などの新築・改築・修繕に、補助金が交付されます。
社会福祉施設等施設整備費補助金 4億4315万2000円
地方公共団体が整備する共同施設(共同作業場)や隣保館などの施設整備に、補助金が交付されます。
かなーり短いですが、少し内容が変わるので今日はここまで。
厚生労働省のホームページのリンクを貼っておきます。
最後まで見ていただき、ありがとうございました。
ではまた。