昭和初期の職人さん達が、西洋をお手本に作ったモノ
昭和初期の建築の流行りだった様ですが、
カフェの建物も「洋館付き古民家」と言われる種類に当たる古民家だと、
カフェにその後いらした、日本建築の研究をなさる方から教わリました。
和室の畳で生活はしているものの、板張り床にドアを付けた洋間を玄関の近くに
作って応接間の様にして使う、この時代にはよくあった、洋間付き日本家屋です。
玄関を入ると直ぐに階段があり、この階段の横に洋間があります。
この洋間は、私も住んでいる時から気に入っていましたが、格天井で、
一枚板で作ったドアが付いています。
今のサイズに比べて幅は広く、高さは低いものです。
『当時の大工さんは頑張りましたね。』とリフォームに入った大工さん
にも言われましたが、階段手摺りの細かい部分の飾りや、
ドア部分を囲む額縁の様な意匠など、当時の大工さんが凝って作ったのだと思います。
この洋間には、
母屋の方にあって余り使われて居なかった、テーブルと椅子を置くことにしました。
多分、家と同じ、昭和初期に作られたであろう古い和製のものだと思ったので、
持ってきて見たらやはりしっくりくる気がします。
座椅子の布地部分が擦り切れていた為、張り替えてもらったのですが、
『今までに一回張り替えた跡があり、中には馬毛を使っていました。』
と、張り替え修理を頼んだ家具屋さん(キヤ・アンティークス藤沢)が
写真を見せて教えて下さいました。
馬毛等の天然素材を詰め物(クッション材)とした椅子は、
18世紀頃のヨーロッパで作られていたらしいですが、
それを日本の家具職人さん方が精巧に模倣していたらしく、
「横浜家具」という西洋家具とは異なる特徴を備えたもの
かもしれないとも家具屋さんが仰ってました。
アンティークを扱うお店に持って行ったので、職人さんから
色々教えていただき良かったです。
当時の大工さんや家具職人さん達は、西洋の家や家具などを研究し、
日本人の器用さと生真面目さで模倣したのかなと思います。
格天井には、古目に作った照明を、母屋から持ってきて付けました。
もう一部屋は和室そのもので、縁側付き。畳であればお茶室です。
天井は網代天井と呼ばれる、
杉の木などの片板(へぎいた)を互い違いにくぐらせて
編んだものを張った天井になって居ます。
お茶室に使われた名残で、炉が切ってあった位置の天井には
今でもフックが残っています。
床の間には、棚を作っていただき、醤油の壺や、明治時代の曽祖父へ
神奈川県からの任命状の様な書面、箱入りの醤油屋の屋号と思われる
印入り塗り椀セット、又住んでいた松竹の女優、桂木洋子さん直筆サイン
入りのお写真など、この地にゆかりのもの達を飾りました。
徐々に、カフェオープンへの準備が整ってきました。
只今、シェサマンサはカフェ営業をお休みし、
焼き菓子通販を行って居ります。
ご希望の方は、シェサマンサの
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よりご注文を受け付けて居ります。