『黒き荒野の果て』(S.A.コスビー作 加賀山卓朗訳 ハーパーBOOKS 2022.2)
舞台は現代(2012年)、場所はアメリカ東部バージニア州のある郡部。
主人公は30代後半で、車の修理工場を個人で経営している黒人男性で、車のドライブテクニックが抜群であった。
彼にはともに暮らす妻とまだ幼い息子2人、そして前妻との間にできた娘がいる。
さらに、介護施設には母をあづかってもらっていて、もろもろお金が必要ななか、懸命に働いている。
しかし、近くにより大きな修理・メンテナンス会社ができ顧客が取られ、客足がばったり途絶え、
あと3か月会社がもつかどうかという瀬戸際に追い込まれている。
そんな中、昔、悪事をともにやってから縁を切っていた旧知がもうけ話を伝えにくる。
「前みたいに一緒にくまないか」という誘いに乗り、ある宝石店でダイヤを盗み出すことに成功するが、
それがいわくつきのお店で、次々に血で血を洗う惨劇が続き、ついに敵の手は男の家族にまで及び。
ざっくりいうとこんなストーリーですが、まず驚くのは、
主人公が黒人だという理由だけで、大変生きづらい社会が今も厳然として残っている事実である。
人種差別は時にあからさまに、また無意識に彼とその家族の日常から将来に暗い影を落としている。
そんな境遇の中、男は自分の尊厳、そして愛する家族のためにどう行動するか、が一番の見どころだろう。
現代につながるアメリカという社会システムの不備や、人々の意識上の「差別」という病巣、そしてドラッグから殺人までの犯罪などなど。
作者コスビーは、アメリカ南部の陰鬱な陰の社会を描き出す多くの作品があるが、
その初期の代表作であるこの作品では、またしてもいたたまれない現実世界が描かれている。
『N1分析』(西口一希)日本実業出版社 2024年12月発行
面白かった!
良書です。
そう、マーケティングには、「帰納法」と「演繹法」があって、
いかに「演繹法」が使えないかを書いてくれていて、それが現場の実感から開始しているところに
私もおおいに共感しています。
どうやったら、1人をふりかえらせられるか、がすべてです。
『なぜあの地域にはラグジュアリー旅行者が訪れるのか』野口貴裕著 ダイヤモンド社
ちょっと期待したのだが、教科書的なことがひととおりまとめられているなぁ、という印象。
状況を説明してくれているだけの内容だったので、インスパイアされるには至らなかった。