日々感じたこと・読んだ本 -11ページ目

『9人はなぜ殺される』(ピーター・スワンソン作 務台夏子訳)創元推理文庫 2025.06を読んで

スワンソンの待望の新作を発売直後に!

またまた面白いし、気持ちいい、物語。

なぜ、気持ちいいのかわからないのですが、たぶん、景観、情感、刺激、

登場人物ほぼ全員(!)に対する共感、ハラハラが散りばめられているだからなのかと。

 

困ったことに、

犯人にも強く共感してしまいました。

もちろん、殺人はけしてしてはいけないのですが、

この作品の犯人がなぜ犯したくなったのかが

最後に明かされて、

それに、とても共感したのです。

 

これ、もしかして、アメリカの推理小説では見たことがない

日本人的な思考と志向なのでは?

 

これ、もしかして、日本人にすんごい受けるのではと思いました。

 

面白い作品を書いてくださったスワンソンさんに感謝☆彡

『炒飯狙撃手』(張國立 著 玉田誠訳 ハーパーBOOKS 2024.03)を読んで

炒飯が好きなのでタイトルに惹かれて、書店で中を見たら、

イタリアと台湾が舞台っぽいので、思い切って買いました。

 

タイトル通り、

炒飯を作るのがうまいイタリア在住の台湾人の料理人が

昔軍隊で培った狙撃の腕を活かし、狙撃で暗殺を行うのですが、

その撃った相手というのが、なぜ撃たなきゃいけなかったのか、

主人公が狙撃を成功させた後に、何者かに命を狙われたことから

今回の狙撃の背景にある深い原因が徐々に明らかになります。

 

もう一人の主人公、定年退職日を数日後に向かえる老刑事の活躍がいい感じです。

 

タイトルから感じたのはなにかユーモラスな印象でしたが、

中味は、そんなことありません。結構なハードボイルド。

北方謙三や、船戸与一の小説のトーンに似てるかな!

 

 

 

『それいけ!平安部』(宮島未奈 2025 小学館)を読んで

 

宮島さんの小説を読むのは、シリーズ100万部を突破した『成瀬』の2冊、

『婚活マエストロ』に継ぐ4作目ですが、段々と登場人物の言葉にはならない、

ちっちゃな感情の表現が巧みになってきた印象があります。

そして、それによって、普段私たちが日常生活において感じる微かな感情を掬い取ってくれるような気がして、

読んだ後に豊かさとつかのまの癒しを感じさせてくれます。

主人公はごく普通の「地味め」な高校1年生の女の子。

高校生生活の初日に前の席に座った変わった子に「平安部に入らない?」と声をかけられて物語がはじまります。

高校の公式部活動に認められるために必要な部員数5人を確保する序盤のお話、

そして集まった5人の個性がわかる中盤、最後は、5人が力をあわせてある目標を達成します。

その様子が、5人の会話や動きから手にとるようにわかり、彼らの純真さが胸を打ちます。

この小説は、読者によって様々な感想が得られると思いました。

子供と大人、

好きなことを大切にする尊さ、

人を信じること、

自己肯定、

友達ができていく過程とその原因、

または 平安の心について、

などなど。

すてきな物語がまたひとつ生まれました☆彡