思ひはかけじ うつろふものを
よみ人しらず
古今和歌集 巻第五 秋歌下 (254)
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ちはやぶる神の座す山の
紅葉した葉に もうおもいをかけまい
散ってしまうのだから
ちはやぶる は神の枕詞
千早振る…血早振る…勢い盛んな人を
表しているそうです。
写真は吉野山からです。
日に日に染まりゆく秋
紅葉の美しさをこのまま永遠にとどめて
おきたいという気持は
今も昔も変わらないですね
皆さんなら何を永遠に残したいですか
そんなちはやぶる茶席に
よく映る釜がありました。
高い繰口と獅子頭の鐶付をもつ大ぶりの釜。
2羽の鶏とともに表された、流水や
州浜に舞う楓の葉のさまは、
百人一首の「ちはやぶる 神代も聞かず竜田川 唐紅の水くくるとは」を想起させる。
炉の季節こんな素晴らしい釜を囲んで
茶をしてみたいですね。