ちはやぶる 神なび山の  もみぢばに
思ひはかけじ うつろふものを

よみ人しらず
古今和歌集  巻第五 秋歌下 (254)
 
                             *

ちはやぶる神の座す山の   
紅葉した葉に  もうおもいをかけまい
散ってしまうのだから

ちはやぶる は神の枕詞
千早振る…血早振る…勢い盛んな人を
表しているそうです。


写真は吉野山からです。

日に日に染まりゆく秋
紅葉の美しさをこのまま永遠にとどめて
おきたいという気持は
今も昔も変わらないですね

皆さんなら何を永遠に残したいですか

そんなちはやぶる茶席に
よく映る釜がありました。



重要文化財 楓流水鶏図真形釜
(かえでりゅうすいにわとりずしんなりがま)
室町時代・15世紀   引用:九州国立博物館

高い繰口と獅子頭の鐶付をもつ大ぶりの釜。
2羽の鶏とともに表された、流水や
州浜に舞う楓の葉のさまは、
百人一首の「ちはやぶる 神代も聞かず竜田川 唐紅の水くくるとは」を想起させる。