前回の記事では、

私の住んでいる多治見や土岐、可児、
瑞浪で作られる

美濃焼の一つ




今回は桃山の名陶も数多い
美濃焼【志野】を紹介させて頂きます。


志野といえば、茶道をしている方は
ピンときましたか?


国宝茶碗【志野・卯花墻ですね。

志野茶碗  銘【卯花墻】 三井記念美術館蔵

解説:日本で焼かれた茶碗で国宝に
指定されているのは、本阿弥光悦の
白楽茶碗(銘不二山)と、
この卯花墻の2碗のみである。

ちなみに

・大阪席 薄茶 黄瀬戸茶碗 銘【難波】美濃
・東京席 濃茶 本阿弥井戸茶碗 銘【玉川】高麗
・名古屋席 濃茶 柿の蔕茶碗 高麗
・京都席 濃茶  志野茶碗 銘【猛虎】美濃

ご覧のように四席中、二席が桃山陶の美濃焼
後の二席が高麗茶碗です。

京都席が志野を主茶碗にしているように
志野は格のある焼物である事が分かります。



皆さんは【志野】といえば白を
イメージされると思いますが

酒井博司先生は、
現在の人間国宝 加藤孝造先生に師事し

【現代の志野】として
上記の藍志野を完成させる事に成功しました。


私は初めて藍志野を見た際、
安藤忠雄さんの建築空間に置いて
みたいと思いました。


美濃焼の伝統的な技法なのに、
それくらい現代にマッチします。




志野の魅力 見所の一つとして
梅花皮 かいらぎ があります。



普通に焼けば自由奔放な長石釉 
つまり 肌あいは、溶けたり溶けなかったり
無造作に動いてコントロールができません。


しかし、酒井博司先生の志野は
理性的に肌あいがコントロールされ、
しかも藍色で表現することで

美濃桃山陶を現代的に昇華している点が
圧倒的だと感じました。


桃山の写しをつくる、李朝の写しをつくるのも
空気までは写しきれません。


実は後の歴史は作るのだろうと、
酒井先生の作品を見ていつも思います。



酒井先生には私が陶芸学校の学生の頃から訪ねては、大物ロクロを指導いただき
今も様々な相談にのっていただいています。

現在は作家活動と共に
所長としても活躍されています。

日本各地で開催される
日本伝統工芸展などでその実物が見れます。