ベッドの上で眠るとき
私はあなたの腕のなか
暖かな空気とやわらかな香り
寝息を立てるあなたの横顔を
眺めて朝を待っている

きれいな色の髪に
私は指で触れてみる
指の隙間をすり抜ける
ブロンドの髪

寝息を立てているあなた
私の足を小さすぎると言い
人形のようだとからかうけれど
それに愛おしさがあるのが私には分かる

あなたはいつも正しくて
時にそれが息苦しくなる
パーフェクトなあなた
朝にはきちんと起きて
いつものカフェで飲むカフェモカ
休日の午後
いつも二人で過ごす時間
通り過ぎる小さな犬
あなたを見つめて
名前を静かに呼んでみる
誰にも聞こえない声で
静かに静かに呼んでみる

私のまつげを好きだという
人形のようだと愛を込めて言う
そして伏せたまつげにそっと触れる
あなたのきれいな指
昼にはきちんとシャツを着て
私を置いて部屋を出る
帰ってくる背中を眺めて
私は堕落した時間を過ごす
11月の低い空
明るさのない暗い空

あなたの名前を呼んでみる
誰も居ない部屋で
静かに静かに呼んでみる

ベッドの上で眠るとき
私はあなたの腕のなか
暖かな空気とやわらかな香り
寝息を立てるあなたの横顔を
眺めて朝を待っている
私のところにやってきて
甘えてみたり
鳴いてみたり
そして一緒に眠る
私はそんなあなたが好き
ムクムクしていて
やわらかくて
足下をうろついて
あなたといる時間が好き
いつまでもお昼寝のような
緩やかな流れが好き
apple tea soda
私の中でキラキラしずくがふくらんでいく昼下がり
ポータブルステレオからの甘い歌

apple tea soda
あなたを待ちこがれているカウンター
向かい側にはステキな恋人達が
暖かな日差しの中で
ひそひそ話をしている
誰にも聞こえない声で
二人にだけ聞こえる声で
少し遅れてあなたが走ってやってきた
少しだけのapple tea sodaを急いで飲み干し
お店を出たら
さぁ出かけよう
私の名前を呼ぶ人が
私が来るのを待っている
私の手のひらを待っている
あなたの手に触れる
温かい

涙が出そうになる
じっとこらえる
「今じゃない」

何も話さない時間が過ぎて
やがてあなたは寝息をたてて
私はそっと見つめている
四角い部屋のベッドで

私の名前を呼ぶ人が
私が来るのを待っている
後悔しないために
私はあなたに会いに行く
後悔したまま
誰かを失った
欠片が残る
そして心に突き刺さる
私の名前を呼ぶ人が

私を待っている
私が来るのを待っている
やわらかな冬の日差しの入る
冷たい部屋のベッドの上で
私はあなたの手をとって
暖かさを感じる

何も話さない時間が過ぎて
やがてあなたは寝息をたてて
私はそっと見つめている

私の名前を呼ぶ人が
私が来るのを待っている
私の名前を呼ぶ人が
私の手のひらを待っている
なんとなく、ただなんとなく
この曲が聴きたくて
あなたの声が聴きたくて
ふと体を起こし耳を傾ける
私の中にじんわりとしみこむように
それはとてもゆっくりと私の中に
ただなんとなく
この曲が歌いたくて
目覚めにお酒で体を起こす
あなたの声も聴きたいのよ
あなたのことが好き
あなたの声が好き
あなたのことが好き
あなたの香りが好き
あなたのことが好き
あなたのことが好き
久しぶりの電話に少し驚く
不意に出てしまう
私からの用事はないけれど
あなたからの用事もない
とても短い会話
とても遠い関係
前に終わったはずなのに
忘れてなかったあなたの声
耳を澄まして聞いて
記憶を呼ぶ
忘れたと思っていたのに
今日は家には帰れない
一人は苦手
誰かがいれば涙を流さなくていい
誰かがいる空気があれば
だから一人は嫌
哀しくないのに涙が出るのはなぜ
突然起きた午前3時
とても哀しい夢を見た
泣きたくなるような
膝を抱えて泣くような
そんな気持ちで
朝まで過ごす
もういいの
私はもういいの
なげやりな気持ちが私を支配していく
小さな悪魔
私はあやつり人形
誰かが私を上手に操るのを待っている
哀しい夢なんて
どこかに消えて
ずっとずっと遠くに消えてしまえ
寂しいなんて思わないけど
部屋で膝を抱えるのは
少し寂しい
誰かがドアをノックして
閉ざした心を開けてくれるのを待っている
それは小さな悪魔
私はあやつり人形
急いで急いで
音楽は止めないで
そのままでいいから
小さな悪魔 今はもう平気
もう平気
あなたにもしも会えたなら
ずっと隠していたコトを言おう
ずっと会いたかったのよって
いつも探していたのって
私には居場所がなくて
あなたがいない場所なら
私も居なくていい
夜空を見上げて
そんなことを考えていた
沢山の宛先のない手紙が散らかった
郵便屋さんも届けられない
沢山の宛のない手紙
さっき開けたばかりの煙草もないし
こんな日に限って外は雨
そういえば、あなたと過ごした時間も雨ばかり
もうずっと昔の話
ねぇ なにかお話を聞かせて
私が黙るように
ねぇ なにか音楽をかけて
私が歌うように
ねぇ なにかお酒を飲ませて
私が眠るように
ねぇ なにか夢を見させて
私が微笑むように
ねぇ なにか与えて
私が満たされるように
ねぇ なにか
私は なにもできない
私は なにも持っていない
いつか全てを失ったとき
温度も光も声も
全て失ったとき
そんな時は

ねぇ なにかお話を聞かせて
私が黙るように
ねぇ なにか音楽をかけて
私が歌うように
ねぇ なにかお酒を飲ませて
私が眠るように
ねぇ なにか夢を見させて
私が微笑むように
ねぇ なにか与えて
私が満たされるように
あなたが私に
バスタブの中でうずくまる
このままどこかへ行けばいい
シトラスの香りのバスルーム
白い泡が優しく香る

バスタブの中でうずくまる
このまま時間が止まればいい
優しい香りに包まれて
泣きたくなるような気持ちになる
日曜日のお昼過ぎ
遠くで電話のベルが聞こえる
知らないふり
私はもういないのよ
どこにも
どこにも

バスタブの中
ひざを抱えてうずくまる
もういらない
何もかも
だけど ひとつだけ
どこにも行かないで
ここにいると言葉にして
私に聞かせて

バスタブの中でうずくまる
このままどこかへ行けばいい
バスタブの中でうずくまる
このまま時間が止まればいい
日曜日のお昼過ぎ
遠くで電話のベルが聞こえる
知らないふり
私はもういないのよ