行かないで、ここにいて。
どこにも行かないと、
あなたの言葉で、
あなたの声で
ききたいの。
静かに流れるジャズ
あなたの名前をゆっくり口ずさむ
雨が降ったあとのおだやかな午後に
2人で出かけたカフェは
まるで時間が止まったみたい
黒猫が通りすぎていく
小さな道を眺めながら
あなたの名前をゆっくり口ずさむ
サボテンが枯れてしまわないように、
時々お水をあげよう。
でも、本当に時々でいいの。
 
私の心が渇いてしまう前に、
時々電話してね。
眠たくなるまで。
私の心が突然のスコールのようなときには、
長い長いお話を聞かせて。
私が羊と夢の中に行くまで。
今日みたいな天気のいい午後に
明日の予定をたてて。
どこか遠くに行きたいの。
いつものシートはとても心地が良くて、
どこまでも行けるような気がした。
私の心があなたへの気持ちで一杯になりそうなとき、
うれしいことがあったとき、
私はあなたに電話をする。
やわらかい声を聴きたくて。
「今朝、サボテンの花が咲いた」から
真夜中にふとラジオから聞こえる歌
聞き覚えのある この歌
あなたと二人 ドライブしながら
いつも聴いていた 私の好きな歌
私の好きなあなたと
私の好きな歌を聴いて
私の好きなところまで
どこまでもドライブ

まだ私たちは とても若くて
とても未熟で 傷つけ合いながら愛し合う
そんな方法しか知らなくて
嫌いになるほど 愛してた
憎みたくなるほど 愛してた
別れの時が来るなんてこと
一瞬だって考えなくて
私の隣にはいつもあなたがいて
傷つけ合いながら愛し合う
そして時が過ぎていくと思ってた

真夜中にふとラジオから聞こえる歌
聞き覚えのある この歌
あなたと二人 ドライブしながら
いつも聴いていた 私の好きな歌
私が好きだったあなたと
私の好きな歌を聴いて
私が好きだったあなたと
私の好きな歌を聴いて

まだ私たちは とても若くて
とても未熟で 傷つけ合いながら愛し合う
そんな方法しか知らなくて
嫌いになるほど 愛してた
憎みたくなるほど 愛してた
そしていつか別れの時が来るなんてこと
一瞬だって考えなくて
私の隣にはいつもあなたがいて
傷つけ合いながら愛し合う
そして時が過ぎていくと思ってた
週末の午前3時

一人で飲むワインのビンを
見つめて少しめまいが襲う
忘れたコトバを思い出して
私はコトバを失う

記憶のどこかにある香り
思い出せそうな瞬間
小さくため息をついた

オルゴールからMOON RIVER
静かに流れて
私はワインを飲み干した
静かに流れる時間とオルゴール
そのまま終わらないで
私をもう少し
もう少し
このままでいさせて
どこにも行きたくないのに
今すぐどこかへ行きたいような
気持ちが行き場をなくして
ただ立ちつくす
私はそれを眺めている
立ち上る煙の向こうに
私はそれを眺めている

つまらない深夜映画は消して
レコードに針を落とす
オルゴールは止まったまま
巻き戻されるのを待ってる
また初めからの同じ時間
静かに流れるオルゴールを
立ち上る煙の向こうに
私はそれを眺めている
いつも思い出す
今日のこの日を
幼かった私たちの姿を
他愛のないおしゃべりの後の沈黙に
耐えられない私がいた
気付かれないように少しうつむく
気が付いた君が笑った
あの頃の二人には

目の前に見えるものしかなかった
それなのに見えないものの魅力にだけは敏感で
そればかりをなにかに探していたような気がした
他愛のないおしゃべりの後の沈黙の後に
私は何を考えていたのかは
今は思い出せないけれど
確かなことは
ずっとこのまま時が止まればいいってことだけ
それだけ

また幾年か年月が過ぎた頃
私はまた思い出すだろうか
気付かれないように少しうつむく私と
気が付いて笑う君の姿を
シーツに残るあなたの香りが
私の心を締め付けて
掴んで離さない香りに変わっていく
落ち着きを失い
静かな夜はおとずれなくて
ただじっとシーツに顔をうずめる
ただじっと
幾度もあなたの香りを確かめて
一人で心を痛める
やがて香りと記憶がつながって
冷たく私を苦しめる
小さな明かりの部屋で
本を読み続ける
じっと耐える
明日になればあなたに会える
新しい私にも
新しい日
新しい私

少し戸惑う
哀しい時間
静かな時間
どこかにいる自分
ここではない自分

あなたがそばにいる
いつもあなたが
小さな明かりの部屋で本を読み続ける
時間が過ぎるのを待つ
じっと耐える
誰にも聞こえない声で
小さく泣く
ベッドにまるまって

あなたがそばにいた
いつもあなたが
失うシアワセを私は知っていた
分かっていたのに
飲み残しのハーブティー
グラスについた水滴が

私の涙とリンクする
溶ける氷
薄くなるハーブティー
あなたとの恋も薄くなっていく
さよならは言わずに
このままさよならしましょ

飲み残しのハーブティー
一気に飲み干す
あなたとの恋が終わりを告げた
静かな夜が過ぎた後の
穏やかな朝が顔を覗かせる
あなたの規則正しい寝息に
ゆっくり私のペースを合わせる
いつも気が付くと私はあなたの呼吸に合わせて
そして毛布にうずくまる

あなたの少し高い体温と
暖かな日差しの漏れる部屋の中
私は毛布にうずくまる
起こさないように静かにベッドを出て
少しの水を飲んだ
シャワーをあびて

さあ出かけよう
お昼も過ぎた頃
私たちはご飯を食べて
ゆうべみた夢の話をした