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 瀬織津姫シリーズを書いている山水さんの著作だけれど、山水さんの本職は調律師さん。スピリチュアルな世界に興味を持つ人々が、かなり活用している音楽に関して、周波数の実態を語ることで啓蒙してくれている。2014年9月初版。

 

【528Hz(A=444Hz)】
 528Hzとは、音楽の基本であるラ(A)の音の高さを444Hzに調律した場合、ドの音が、だいたい528Hzになるというもの。(p.5)
 Hz(ヘルツ)の単位であらわされる、528とか444というのは、1秒間の振動数・周波数。

 

 

【カセットテープとCDプレーヤーの実態】
 1Hzなんてほんのちょっとの誤差なのです、あの時代、カセットのモーターの狂いやレコードのゴムの伸びで、なんと10Hzくらいは当たり前にくるっていたのです。もっとすごいのを使い続けている国民がごまんといる、いたのが実情、世間なのです。
 CDプレーヤーも、出始めの頃は良かったのですが、最近はばらつきがあります。・・・中略・・・。最近は昨今の策略の通りの、長持ちしない製品(モーターも)にしているので、だんだんと回転がくるってくるのでしょう。使い捨ての音楽、使い捨ての音楽危機です。残念なことです。(p.22-23)
 何を言いたいのかというと、「カセットテープやCDで、周波数(Hz)が正確に維持されていることなどない」ということ。

 

 

【ピアノというもの】
 20年ほど前のことです。某電機メーカーが、ピアノレッスン用のカセットテープを楽譜に合わせて販売していたことがありました。
 調律のお客さんから、調律したばかりのピアノでも合わないと相談を受けました。合うわけがありません。(p.23)
 カセットテープの信頼性など最初からないところへもってきて、ピアノの弦だって、温度によって伸び縮みするのだから、数Hz程度の誤差はすぐに出てしまうらしい。ゆえに、コンサート会場では、エアコンを作動させ室内温度が一定になるのを待ち、「開始30分前に調律する」というのが鉄則らしい。
 もう一つの体験談が書かれている。真冬の寒い日に室内で調律が終わったところで、窓を開け5分後にピアノを弾いてみた。
 五分前にかなりきれいに調律できていたピアノが、メロメロにくるっていました。調律というものは、ピアノというものは、このようなものなのです。(p.53)
 自宅のピアノをA=444Hz(C=528Hz)に合わせたとしてもすぐに狂ってしまい、早い段階で444Hzでなくなっているのです。毎年やっていてもこうです。数年やっていなかったピアノや、十数年やっていなかったピアノはその場で数回調律しても、すぐに下がってくるってしまいます。528Hzを語るには大変なものがあると、だんだん分かってもらえたでしょうか。(p.56)

 

 

【シンセサイザー】
 カセットやCDやピアノを含む生の楽器が、正確なHzを維持していると思うのは、幻想でしかないことは分かった。
 ならば、IT機器時代の最終兵器ともいうべきシンセサイザーはどうか。
 ここでみなさんをがっかりさせることを書きますが、じつは機械のシンセサイザーも不確かなものなのです。私は30万円ほどする、ある程度高級なシンセザイザーを使っていますが、機械だから調律が合っているものと思っていました。が、それが所々で合っていないのです。驚きました。不思議でしょ? まあ、こんなことは調律師しか分からない、気づかないことです、しかし、528Hzもそういった微妙な世界なのです。(p.61-62)

 

 

【絶対音感】
 絶対音感とは、私に言わせると“いい加減音感”のことです。だいたいその音、その辺の音と音程がわかる世界です。あったら便利なこともあるという程度のものです。音楽にはいろんな脳力、才能があります。100%の人はいません。(p.42)
 へぇ~、完璧な音感を持つ人がいるのかと思っていたけど、違うらしい。
    《参照》   『絶対音感をつける本』 絶対音感研究会 (双葉文庫)
 絶対音感についてもう少し分かりやすく書いてみましょう。例えば、芸大の教授で絶対音感があるという人を十人集め、ラの音を声で出してもらいます。それをチューニングメーターで測ります。そるとどうなると思いますでしょうか? 一番低い人と一番高い人では、まちがいなく10Hz以上の開きがあることでしょう。(p.42)
 ドヒャ!
 絶対音感保持者なんて、テンデあてにならない。
 むしろ、相対音感が優れている人の方が、信頼できるかも。
 相対音感が鋭い人は1Hzの違いでも分かるのです。(p.42)
 調律師さんに必要なのは相対音感のほうらしい。絶対音感はなくてもチューニングメーターで測れる。

 

 

【ホロウィッツ博士が語るソルフェジオ周波数】
 皆さんは、ソルフェジオ周波数という言葉を聞いたことがありますか? ソルフェジオ周波数とはソルフェージュ音階の事で、ソルフェージュ音階は、聖ヨハネへの讃美歌などに代表されるグレゴリオ聖歌に見られる音階のこと。・・・中略・・・。最近、この音階の音には様々な作用があることがわかってきたそうなのです。しかし、ある音は、今の音階では使われておらず、ある意味、幻の音になっているそう。それが528Hzという音。ソルフェジオ周波数の中のこの特定の音を聞くと「DNAが修復される」ということをジョセフ・プレオ博士が再発見した、とDNAの研究者であるレオナルド・ホロウィッツ博士の著書に記載されているそうです。(p.65)
 グレゴリオ聖歌が謳われていたのは9世紀ころから。その時代に、周波数を測定する機械があったとは思えないけれど、そもそも、528Hzの根拠は?
 聖書に暗号として載っていたとのことです・・・・。旧約聖書の『民数記』7章12節から始まる部分に6つの音の周波数が節番号に隠されている・・・。その数字がソルフェジオ周波数の6つの音、396,417,528,639,741,852ということです。・・・中略・・・。つまり、著者らの説、感性のようです。(p.76-77)
 ホロウィッツ博士の著作には、調律師でなければ分からない、表現上の誤りなどがあると書かれている。

 

 

【最大の問題】
 ここで、最大の問題点を書いてみます。図をご覧ください。これは、Aを=440Hzにして純正律で調律したものですが、ドの音に注目してください。なんと528Hzジャストになっているでしょう。(ラとドの関係は短三度で、振動数比は5:6ですので、1.2をかけます)。
 そうなのです。例の本の著者は、528Hzを持ってくるために、基本のラを444Hzにして平均律で調律すればいいとしていますが、本当は528Hzジャストにならないのです。ソもジャスト396Hzになりません。(p.95)
 A=440Hzとして、純正律で調律すると、ソ=396Hz、ド=528Hzになる。
 ところが
 A=444Hzとして、平均律で調理しても、ソ=396ジャストにならず、ド=528ジャストにならないのだという。
 であるなら、たいそうなデタラメ。
 ホロウィッツ博士の目的は以下のようなものだったらしい。
 「今、みなさんが平均律440Hzで製作して持っているものを、デジタル移調してあげましょう。○ドルです」 (p.96)

 

 

【ホロウィッツさんの、「デビルストーン」の主張について】
 このA=440Hzの平均律の制定が「デビルストーン(悪魔の音)」(全3音、例えばドからだとファ#にあたり、不協和音である)の知識に基づいて行われたことは間違いないと、作者のホロウィッツさんは述べているのですね。
 それと、人体に存在する7つのチャクラの一番下にある尾てい骨のチャクラを、C=528Hzで始まるスケールに調律すると、F#(741Hz)は喉(意志)と心臓(直感)の間を分断する位置にあると。ホロウィッツさんは、741Hz(平均律=440Hz)の強要には、人間から超人的な直観力を切り離そうという意図があると言っています。

 まず、喉(意志)と心臓(直感)の間を分断する位置にある。 ここですが、誰が、この間に音があると分断されると決めたのでしょうか? 私はそんな分断されると思いませんが。この人が決めているのでしょうね。どれだけの人が、「そうか~ 分断されるんだ~」って思い読むのでしょうか? もしそうなんだ~って読み進んでいるとしたら・・・・。 無意識のうちに洗脳されているのかもしれません。催眠でしょうか? はたまた、まったく考えていないか・・・。こういったことはスピリチュアルに限らずありますが、残念ながらスピリチュアルに多いことは確かです。私はスピリチュアルは素晴らしいものと思っている人間です。ただ、決めつけた言い方、書き方をしたものを鵜呑みにして行動する人が多いようで残念です。(p.81-82)
 チャンちゃんも、平均律(A=440Hz)の作為によって分断されているというコメントを、下記リンクに紐付く記事に書いてきたけれど、下記リンク著作にあるように、「サイムスチャクラ(第8のチャクラ)は、528Hz(A=444Hz)によって活性化し、喉のチャクラとハート・チャクラをうまく連結させてくれます」 という表現であればいいのだろう。
    《参照》   『プレアデス2 新生地球への移行』 愛知ソニア (ヒカルランド) 《後編》
              【サイムスチャクラ】
 私のデビュー本の『瀬織津姫物語』に登場する、スピリチュアルな調律師の先輩に、この528Hz話をすると、爆笑されました。
「今時、440でやっている所ないでしょう。それ、まったく知らない人じゃないの? とっくの前から442か443が殆どでしょう。悪魔の音? ハッハッハ」 (p.92-93)
 癒し効果としてなら、数Hz程度の違いは楽器の状態によって容易に変わってしまうものなのだし、数Hz程度の違いがあっても、人それぞれに癒し効果があるという事実は確かにあるのだから、440Hzを基音とする平均律の作為がどうのこうのと言っても、ほとんど意味はないと言っている。
 しかし、上記のリンクを3階層下まで辿れば、
   《参照》  『世界支配者vsライトワーカー』 サアラ×玉蔵 (ヒカルランド) 《3/4》
             【「デジタルウイルス」というテクノロジー】
             【DNAを支配するデジタルウイルス】

の記事にリンクしているけれど、周波数の世界は、使い方次第で、極めて鋭利な両刃の剣となるウルトラきわどい世界。軍事的な意味においても、「周波数を制したものが、世界を征する」と言える世界なのだということは、知っておくべき。

 

<了>

 

  山水治夫・著の読書記録

     『ニギハヤヒ・シ♭』

     『セオリツ姫・シ♭』

     『528Hzの真実』

     『瀬織津姫愛歌』