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 船井幸雄さんの著作内(下記リンク)で紹介されていたので、著者の本を読んでみた。著者のプロフィールには “史上初の、女性、そして外国人として瞑想の最高の境地、死を超える究極の意識状態である「最終段階サマディ」に到達したインド政府公認のシッダーマスター” とある。
 瞑想によって究極の境地に到達したといっても、それは個人の内的な意識の世界のことだから、活字で表現できる内容には限度がある。故に、どんなに瞑想の達人でも、文字にして表現されたものは、結局のところ言い古された内容とさして変わり映えのないものになってしまう。
 その点を補うには、どうしたって瞑想を実践してみなければならないのだけれど、そのために瞑想導入のための音源がダウンロードできるようにURLが案内されている(著書を購入した人にだけパスワードが付与されるようになっているらしい)。 2012年9月初版。
    《参照》   『船井幸雄がいままで口にできなかった真実』 船井幸雄 (徳間書店) 《前編》
              【生まれてきた目的を思い出して生きよう】

 

【苦しみを生み出しているバランスが取れない心】
 瞑想をするとよくわかるのですが、初期のころ雑念があり、心は自動的に働いていることがわかります。そして心は、不必要に心配したり、怒ったり、出しゃばったりする一方、肝心な時引っ込んで、言わずじまいであったりします。バランスが取れない心の使い方をしているのです。(p.65)
 そう、心って本当に制御が難しい。
    《参照》   『戻ってきたアミ』 エンリケ・バリオス (徳間書店)
              【思考の雑音】

 思念の制御・統一・自己管理は難しいけれど、雑念が浮かばないようにコントロールできるシャーマンさんの助力を得て、無念夢想の境地に導いてもらうことは可能だし、悪想念を食べてくれる孔雀明王を憑けてもらって念を管理してもらうことも可能である。しかし、これらに依存すると自助努力(訓練)によってその境地を維持することは出来ない。
 とはいえ、目的は無念無想の境地にあるのではなく、その先にあるのだから、その境地に熟達するために多くの時間を費やすもの、たいそうな時間の無駄である。グル、メンター、マスターと言われる指導者に出会えるか否かは、実は相当大きなポイントである。

 

 

【エネルギーの法則の真理】
 取り込むばかりの「貪り」は、エネルギーの出口がなく、エネルギーが循環しないので、停滞し、淀み、やがて暗黒の塊となり、苦しみの原因となっていくのです。
 そうした効率の悪いエネルギーの使い方を、多くの人が無意識に行っています。この、相手に望むばかりの心のクセは、やがていろいろな苦しみを生み出していくことをほとんどの人は知りません。でも、それはしかたのないことです。普通の人は、深いカラクリまでは理解が及ばず、わからないからです。
 深い気づきによって実感できるエネルギーの法則の真理は、もっと自分から差し出していく、与えていくことでエネルギーが回り、よりよい状態となり、また必要に応じて助けを頂くことができ、自他ともに幸福になっていけると教えています。(p.77)
    《参照》   『自分に魔法をかける本』 船井幸雄 (サンマーク出版)
              【フィードバック理論】

 

 

【与え、差出し、捧げる】
 上記と同じことだけれど、お金に対する執着を離れたい人は、やはり与えることから始めるべき。
 心を磨いて平和な人になるためには、与えていくのです。差し出していくのです。心や体にいろいろなものを抱え込む生き方は、重くなり、苦しくなる生き方なのです。心と体から、執着を取るために分かち合う心を育みます。愛を出します。感謝を出します。そうした中に、お金を差し出すお布施も含まれます。精神的成長のために捧げます。内側深くにある源の存在から愛とエネルギーが満ちてきます。そして、次第に欲望に振り回されなくなり、お金に対する執着も自然と薄れていくのです。(p.114)

 

 

【本当の幸せと・・・】
 本当の幸せは、愛を持ち、お互いに助け合うという、力強く自信にあふれた行為からやってきます。その行為によって、カルマを積まず、自分を汚さず、徳というよいエネルギーを積んでいくことができます。そして、常に純粋であるという神聖さを目指して、魂を磨いていくことができるのです。(p.152)

 

 

【真の自己】
 あなたの【真の自己】(=真我)は、苦しみの存在などではありません。至福の存在である、【あなたの源】に還ることで、すべてを知り、迷いから解放され、癒されるのです。食欲や睡眠欲や性欲といった肉体の欲望にとらわれている心と体は、【本当のあなた】ではないのです。
 自分の力で生きようとがんばらなくても、あなたは常に生かされているのです。
 その大いなる存在からの愛に真に気づくことができれば、あなたの欲望は落ち、あなたは苦しみから解放されます。
 この世に変化しないものはありません。永遠のものなど何ひとつないのです。にもかかわらず、エゴはさまざまなものに執着します。その執着しているものを手に入れるために、肉体を犠牲にし、自分の心を汚し、ときに人を蹴落としてでも手に入れようとします。そのエゴを、【真の自己】(=真我)に明け渡すことができるなら、あなたは自分自身のマスターになり、自由自在に生きていくことができるのです。(p.137)
 こういうことって、瞑想の本には必ず書いてあることだけれど、実際に瞑想によって体験するまでは、概念的理解に留まらざるをえない。しかし、体験以前であっても、何度もこのような記述を読んでいると、マインド(頭)側によっていた重心が次第にワンネス(神我一如)側に推移してゆくから、意識もシフトしやすくなるだろう。つまり、瞑想前の概念把握のための読書って、飛び立つ前の疑似トレーニングみたいなもの。

 

 

【高次元のエネルギー】
 矯正する方法のひとつに、自分の癖と反対のことを意識してやっていくというのもあります。たとえば、深刻な人は無理に大いに笑ってみる、などです。
 そうして癖を意識し、それを愛し、感謝して、手放すことを決意するのです。
 そうはいってもなかなか直せないのが、癖というものです。心と体の偏りと癖をつくる心そのものと体を、根こそぎ浄化するための方法は、高次元のエネルギーに出会うことです。高次元のエネルギーには、それを溶かす力があります。深いところから歪みが氷解して、性格や姿勢の歪みも矯正されていきます。さらに深いところにあるカルマまでも改善されるのです。またさらに悟っていくこと、【本当の自分】に戻っていくことで、【本来の自分】でないものが落ちて、いつの間にかその癖から解放されていくことができます。
 しかし、瞑想がよいといっても、我流や聞きかじりのやり方は危険です。やはり真理に到達したマスターから瞑想を伝授していただくのが、最も安全かつ最速で心身を浄化する方法です。(p.90-91)
 自力によって成長できる範囲にはやはり限界がある。
 高次元のエネルギーをインストールしてもらえれば、ことは一気呵成である。
 このことを現在の地球の技術文明と社会進化の状況に当てはめるとその素晴らしさが分かりやすいかもしれない。
 現在の地球文明に、圧倒的に秀でた高次元文明の技術が導入されれば、社会の諸問題は一挙に解決し、生活レベルは飛躍的に高まり社会は著しく進化するのである。

 

 

【成功哲学や自己啓発の限界】
 肯定的な言葉を繰り返し唱えるアファメーションという手法は、ネガティブな情報(信念)でいっぱいになっている潜在意識に、肯定的な情報を入れていくことで、潜在意識をきれいにしていこうという発想から来ているのだと思いますが、実際のところ、心はそんなに単純なものではありません。
 マインド(頭)でつくり出した言葉を繰り返し唱えることだけでは、潜在意識は本当の意味できれいになりません。
 アファメーションに限らず、近代科学、特に心理学が生み出してきたさまざまな手法は、宇宙の真理から見れば、部分的、断片的で、完全なものではありません。ゆえに、その効果も相対的、部分的です。なぜなら、それらの手法を編み出した人たちが、悟りを得ておらず、絶対的な真理に到達していないからです。(p.131)
 アファメーションに類するポジティブ・シンキングの限界は、多くの人々が実感している。
    《参照》   『ボジティブ思考なんて捨ててしまいなさい』 臼井由妃 (学研)
              【ポジティブ思考なんて、無理やりするものではない】
 それら(自己啓発書にあるような成功者の例)をまねたからといって、同じような成功を得られるとは限りません。なぜなら、人それぞれにもっているカルマ(過去世から今に至るまでの行為やその結果の記憶)が異なるからです。表面的なところだけとらえて同じことをしても、結果はみな違ってくるものだからです。(p.188)

 

 

【現在の地球科学では語り得ぬ次元階層】
 ヒマラヤ秘教の瞑想は、単なる瞑想ではなく、数々の秘密の教えをもち、最速で心と体を浄化して、瞑想という深い静寂を起こします。人の中にさまざまなレベルの体があります。肉体の体、感情の体、エーテルの体、プラーナの体、音の体、光の体、意識の体、それぞれをそれに合った技法で浄め、さらに、すべてに効く【アヌグラハ(神の恩寵)】の祝福をいただいて浄め、それらを超えて、【本当の自分】、【源の存在】になっていくのです。(p.131)
 神智学でも、肉体、アストラル体、エーテル体、メンタル体、コーザル体のような分類をしていたけれど、それは、神智学がヒマラヤ秘教を元にしていたからだろう。これを霊学的な分類というのなら、霊学は高次元科学である。
 現在の地上科学は、ヒマラヤ秘教や日本神道が有する秘儀を解釈できるだけのレベルに、全く達していない。

 

 

【変容を遂げる条件が揃っている日本人】
 実は日本人は、悟りを開いて変容を遂げる条件が揃っている国民と言えるかもしれません。
 すでにまた、古来より八百万の神々を尊び、大自然と共に生きる神道的風土があります。さらに、和を尊ぶ精神があり、また古い伝統に縛られずに、新しいものを受容する心ももっています。(p.177)
 日本人の意識は、諸外国の人々よりかなり“解けている”。つまり、“執着の度合いが軽い”。だから一神教などと言う仕様の宗教やイデオロギー先行の社会形態は、日本人には馴染まなかった。
 日本人は、高次元へと通ずる自然を認識しうる概念仕様をわざわざ学ばずとも普通に持っている。科学においても、高次元文明への理論的基礎は、すでに日本人によって捉えられている。それが表に出ていないのは、『この地球を支配する闇権力のパラダイム』 によって黙殺ないし封殺されているから。
    《参照》   『新ミレニアムの科学原理』 実藤遠 (東明社) 《後編》
              【フィボナッチ数列の欠陥】
              【西田哲学の弁証法】
              【自由と必然性】

 

 

<了>