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 著作全体が、歯切れのいい短文で記述されているし、意欲と情熱に満ちた気が伝わってくる。このこと自体が上級の仕事術であることを表わしている。2006年12月初版。

 

 

【自分だけがよければいい・・・】
 自分だけがよければいい、そういう考えになったときに、その人の成長は止まる。まわりも相手にしてくれなくなる。
 自業自得というか、結果はすべて自分の考え方によってたつのだ。
 会社にいるときもそうだ。「この仕事を任されたのだから、よい結果を出したい」という強い気持ちが、仕事の質を変える。(p.20)
 「自分だけがよければいい」という利他を排する考え方では、とうぜん周りの協力は得られないから、それ故にこそ発展が止まる定めなのだけれど、苫米地英人流の考え方で言えば「抽象度が低いから成功しない」ということになる。
   《参照》   『夢が勝手にかなう脳』 苫米地英人 (講談社)
              【コンフォートゾーンを上げるというのは・・・】

 

 

【使命感と自負心】
 使命感と同じく大切なのが「自負」である。これがなければやってられない。
 「俺がいなければ」「俺が頑張らなければ」という場面はたくさんある。
 「誰かがやるだろう」という人間が多くなると、組織は弱くなる。もたれ合いだから、簡単に崩壊してしまう。(p.20-21)
 「誰かがやるだろう」と考えていたい人は、公務員にでもなればいいのである。民間企業には適さない。
 「塊より始めよ」と思える人々が集まれば、凄い企業集団になるだろう。

 

 

【常に頭を働かせている】
 マンネリから新しいものが生まれないことと同じく、その「当たり前」からは価値のある仕事は生まれてこないのだ。
 大体にして、発明や新案を考える人は、「不便や不具合」についての疑問に対して敏感である。「なぜこうなのか」「ここが問題では」というように、常に頭を働かせている。 (p.27)
 「常に頭を働かせている人」にとって、改善案は当たり前に出てくるものであり、クレームは改善のためのヒントなのだけれど、「常に頭を働かせていない人」にとって、改善案などそうそう出るわけないものであり、クレームは煩い顧客の戯言ないし批判と解するのである。
 「アイディアが苦手」という人は一口に言えば「考えていない。意識が低い」ということになる。考えていない人からは何のアイディアも生まれないのだ。
 課題を常に自分に課している人だけが獲得できるのである。難しいようで簡単なことである。
 アイディアとは、新しい価値の創造である。それは自らを助け、社会に貢献する。こんな素晴らしいことはない。(p.89)
   《参照》   『サクラサク』 藤原和博 (幻冬社)

 

 

【人は止まっているときは頭の回転が悪い】
 仕事に取りかかるのに「うまくいくかな」「調子はどうかな」などと躊躇していてはいけない。やるしかないのだ。結果はどうであれ、前を向いていくしかない。
 仕事は勢いである。考えてもはじまらない。とにかくやってみる。それで考える。
 人は止まっているときは頭の回転が悪い。動いていると、血の巡りもよくなるので、様々な考えも浮かび、次から次へとよい考えが浮かんでくる。そうなればしめたものだ。
 私は何となく気がのらないときは、パソコンに向かってインターネットを立ち上げることにしている。そうしているうちに脳の動きが活発になり、仕事モードになってくるのだ。(p.74)
 本を読む気にならないとき、読書記録を書くことにしている。ボケ~~としている時でも、指先を動かしていると徐々に頭が動き出すのである。
 人の脳にはどうしても波があるけれど、行動が先行する人は、波の谷間を上手に回避しているはずである。

 

 

【常にギブ】
 私の知り合いにも「やってもらう」事しか考えない人がいる。「もらい手派。テイク派」である。
 しかし、世の中で生きていくなら、「ギブ派」になるべきだ。
 私は他人のためになんでもする。もちろん悪事はしないが、出会った人にプラスになりそうな人はどんどん紹介する、力にもなる。これには無理がない。出来る範囲だからである。
 仕事では「他人からの力添え」を期待する前に、「他人に何ができるか」を考えるべきである。無償の行為だ。これをやりまくるべきだ。「見返りがない」。それを考えているうちはまだまだである。考え方が小さい。(p.109)
 この読書記録も、少しでも誰かの役に立てばいいという思いでオープンにしている。「テイク派」の物書きさんたちが自分の利益のために利用したいのであっても全く問題ない。
   《参照》   『成長の法則』 ジェフ・ケラー  ディスカバー
             【ブーメランの法則】
   《参照》   『超人「船井幸雄」の近未来予測』 柳下要司郎 (あ・うん)
             【 「損得勘定」 ではなく 「尊徳感情」 】
   《参照》   『超☆幸福論』 船井幸雄・佳川奈未 (ダイヤモンド社)
             【ギブ・アンド・ギブ】

 

 

【どの層で頑張るか】
 「志」である。そこにはそれなりの人脈が集まってくる。
 魚も、深さや環境で生きるものが変わる。人間も同じだ。どの層で頑張るか、生きるかが大切である。上を向き、頑張れば頑張っただけ、違った人脈の形成がある。
 人が人を呼ぶのである。自信を持とう。自分を高めよう。考えても見なかった世界が待っているのだ。(p.119)
 巨大人口が集積する都会には実に様々な層があるけれど、地方には変わり映えしない平べったい層が僅かにあるだけである。なんちゅうか押しなべて公務員気質で、脳に汗をかく習慣がなく、この本に書かれている基本的な精神なんてまったく関係なく日々を生きているような層の人々が殆どなのである。やはり、沈滞する地域にはそれに相応しい人々が住んでいる。そして、そこに長く住めばそこに染まってしまう危険性がある。

 

 

【即座の返信】
 今はメールの時代だ。人によっては一日に10通、なかには500通とくる。ここで大切なのは、多くても少なくとも、読んだら、重要度に応じて「即座の返事」である。 ・・・(中略)・・・ 。
 考える、暇がない、ということもあるだろうが、必要なのは「読んだよ」というシグナルだ。「読みました」「後で返事は」という事だけでもよい。メールの時代といっても、気持ちというのはいつも同じだ。(p.184)
 チャンちゃんは、返信までに6カ月以上とか、時にはパスなんていう超~~グータラなことを平気でしているオタンコナスだけれど、仕事に関することだったらウルトラ論外である。
 「読みましたよ」というシグナル返信をすぐに出さない人って結構少なくない。秘書であってすらそんなのがいるから呆れたことがある。
 ところで、過去に重要なメールが「迷惑メール」のボックスに配信されていたことがあった。2度。とんでもなくビビリました。

 

 

<了>