《前編》 より

 

 

【チャーチワードの著作について】
 ところで、約1万3千年前は、チャーチワードによって、「失われた大陸、ムー大陸が海底に沈んだ」 と語られた時期であるけれど、この著作について
 「チャーチワードは実在の人物ではない。叡智の一端を引き継ぐある一派が、その知識の一部を提示するのが目的であの本は書かれたのだ」
  ・・・(中略)・・・ 彼の本は、あの様々な結社の拠点が置かれたロンドンで刊行されていたのだ。(p.205)

 

 

【歳差運動と2012年問題】
「2万6000年周期で地球がフォトンベルトに入るという世界的に広められたその話は、あなた方の言う歳差運動を公転のような運動であると誤解した人物の主張を大衆が信じてしまった結果である。
 約2万6000年を周期とする地球の聖なるスピンは、地球自体のスピンであって、地球が何かの周囲を周回する運動ではない」 (p.215-216)
 たしかに、独楽の首振り運動に例えられる歳差運動は、地球自体の地軸がブレた挙動を示すスピン(旋回)運動というだけである。地球外の任意に定めた定点から見れば、見かけ上は公転するかのように考えることはできる。しかし、決して何かを中心にして公転しているのではない。
 だから歳差運動を根拠としての2012年問題は、 “あり得ない” ということになる。
 シュメールの神官は、地球意識の時間を人間の時間に正確に当てはめれば、地球規模の変動が起きる可能性があるのは800年後だと言っている。
「地球意識を鋭敏に感知できる人々が誤りやすいのは、地球意識にとっての時間を、人間の時間にそのまま当てはめてとらえてしまうことだ。この感覚があたかも危機が間近に迫っているかのようなビジョンを与えるのだ」(p.217)

 

 

【2012年問題は本当にないのか?】
 シュメールの神官は、スピンによって生じる普遍的な宇宙の法則を地球を具体例として語っているのだけれど、2012年問題に関しては、あくまでも地球自体のスピン(歳差運動)を元に、ありえないと語っているだけである。
 しかし、現在の地球は明らかに異変の過程にあり、それは太陽活動の異変によって引き起こされている。
 現在の太陽系の黄道面が宇宙の中心に対して特異な角度をなすタイミングにあるとか、宇宙の中心にある天体自体のスピンによるエネルギー脈動ポイントが、太陽系がある方向に遷移しエネルギーが過剰に送られるようになったから、太陽活動が亢進しているとも考えることはできるだろう。
 そのように、全宇宙がエネルギー的に相互に影響しあう可能性を予感させるのは、思念を語った以下の記述である。
「思念というものは、心が空白でありさえすれば、必ず各人に最も必要なものが与えられるようにできている。自ら作り上げるものではないことを、あなた方は知らねばならない。それを受け取るべき時の中心点が、節目の時なのだ。
 宇宙の星々は、自らの主張のためにスピンするのではない。星々は、中心の力にうながされて、その力に自らをゆだねることによって為されるスピンという自己完結の喜びに打ち震える。」 (p.230)

 

 

【意識領域と時間領域】
 人間という存在は意識の成長に比例して広大な意識領域へと進むのだろう。 (p.249)
 魂の包括領域の拡大は、同時に時間的包括領域の拡大でもある。
 拡大すればするほど、魂はより広大な時間的領域を手中に収めるのだ。
 かつてシュメールでは意識領域を拡大させるための場として神殿が機能していた。これによって我々は時間を越えた存在と交流を持つことができたのだ」 (p.252)
 シュメールの神殿にかかわらず、ピラミッドにしても古代の様々な神殿は、いずれも意識の変容に関与するからこそ神殿だったのである。
 ところで、魂は物質ではないから、魂領域=意識領域と考えてもいいだろう。上記の文章の ”魂” を “意識” に置き換えて読んでも成り立つ。
 意識領域が、より広範な宇宙領域ないし極微な素粒子領域へと及べば、時間意識は拡大し、やがて変容して行く。実際のところ、素粒子の世界に興味を持っている人々は、一般的な時間の定義が意味をなさないことに気付いている。

 

 

【意識領域の拡大とスピン(回転)運動】
 ガイアの法則は、2種類のスピン(自転・歳差運動)に起因して起こっている法則なのであるけれど、この法則が、時間と空間に絡んでいることは、先に地上の脈動ポイントの推移点に文明中心があったこととして具体的に確認できる。
 そして時間は、本来、意識に深く絡んでもいる。 ということは、スピン(回転)運動が意識に絡んでいることを意味している。だからこそ、人間自体がスピン運動することで、人間は宇宙意識にリンクできることを古代文明は知って活用していたのである。
 「神道原理の大本は、私たちシュメールの宇宙的叡智に起源があるが、逆にシュメールの叡智は前文明としての135度文明から受け継がれたのだ。
 その時代、日本列島には、聖なるシンボルを象る集団舞踊の文化があった。聖なる中心を人々が円形に取り巻く、四方、八方、十六方を区切る舞いが、あなた方の今の盆踊りのように皆が集まって行われていた。これは、同時に宗教儀式でもあり、これにより、人々は型を通して体から宇宙のリズムに共鳴し、時空を超えることができたのだ。
 この伝統は、古代の巫女舞の中に受け継がれた。あなたの国のかつての巫女文化は、我々が前文明と呼ぶ、シュメール以前の叡智を踏襲していたのだ」(p.256)
   《参照》   『狂の精神史』 中西進 (講談社文庫)
              【狂ほす】

 

 

【意識領域の拡大とスピン(公転)の中心】
 「とくに人間の意識が拡大へと向かいやすくなるのは、あなたを包括するより広大な宇宙領域の中心に意識を向ける時だ。朝日を見れば、誰でもがすがすがしい気持ちになる。これは、太陽系の中心は、あなた自身の真の本質と等しいからだ。あなたは太陽系の中心に意識を向けることで、あなた自身の本来の光を見ることになる。
 我々は前文明より受け継いだ叡智により、毎朝太陽に意識を向ける習慣を維持してきた。この習慣は今日の様々な民族に受け継がれている」 (p.253)
 世界中の多くの古代文明は、太陽を中心とした文明だった。日の丸を国旗とする日本は、それを直接に表わしていたのだけれど、分離を基調とする0度(ロンドン・英語)文明が世界に及ぶにつれて忘れ去られてきたのである。
 太陽は、太陽系内宇宙に存在する人間にとって、脳内ホルモンの分泌を促すことで意識進化を誘発させる役割を持っていたのである。
   《参照》   『「無邪気な脳」で仕事をする』 黒川伊保子・古森剛 (ファーストプレス) 《前編》
              【朝日に関与する脳内ホルモン】