《前編》 より
 
 
【 「自慢会議」 と 「クレーム会議」 】
 情報やノウハウを社内の人間が共有することができれば、会社の活性化、ひいては発展につながっていく。 ・・・(中略)・・・ 。そこで私は月一回の頻度で、「自慢会議」 と 「クレーム会議」 というものを始めました。自慢会議というのは、「こういうことをしたら、すごく顧客に喜ばれた」 といった成功事例など、個人にとっては自慢話をする会議。クレーム会議は直近、1,2カ月にあったクレームを全部発表して、どういう処理をしたら、どういう結果が出たかを公開するのです。(p.106)
 もしも 「改善案会議」 とすれば、両方が同時に議題になってしまうのだろうけれど、船井総研のように、2つに分けて行うことによって、より明確な理解と利用・対処が可能になる。
 会議では一人に付き最低3事例は発表しなければならない。2つしかいえなかった人間からは罰金をとって積み立てておく。原則は全員参加で欠席者からも罰金をとります。 (p.106-107)
 あらゆる会社で、是非とも取り入れるべき会議であろう。これを読んでも取り入れない会社は、早晩、衰退してゆく会社である。

 

 

【「テキスト」を作れ】
 それから私は 「テキストを作れ」 ということをよくいっています。テキストというのはクライアントに毎月送るレポートのことです。
 自分が本を読んで感心したこと、日々気づいたこと、町を歩いていて知ったこと、テレビを見ていて思ったこと、人の感動的な言葉などをメモしておいて、月1回、数十枚のレポートとして送るのです。
 中身は極端に言えば何でもいい。クライアントに送ることは、自分の存在を印象づける効果があります。(p.108-109)
 コンサルタント業界は、どこも非常に勉強熱心で優れたところはすぐに取り入れて実施しているから、チャンちゃんの読書記録は、業界の方々に少しは役立っているかもしれない。ときどきバカみたいな読書記録を読まされてひっくり返ったりもするだろうけれど・・・。

 

 

【コンサルタント】
 コンサルタントというのは、オーナーの悩みをよく聞いて、その会社の強みと弱みを知り、オーナーのやりたいことの中から選んで、自分のノウハウを加えて提案するのが原則で、いくら立派なことでも、やれそうもない、あるいはやりたくないと思っていることをさせてはいけないのです。(p.132-133)
 以前、別のビジネス書で、外資系コンサルの担当者に、「我が社に依頼したということは、我が社のやり方に従うことだ」 と言われて依頼主は唖然とした、と書かれていたのを読んだことがある。いかにも外資系コンサルらしい超然とした傲慢さである。

 

 

【自己に対する確固たる存在感の確認】
 これからの時代のマーケティングは、人間性をより重視した 「ヒューマン・マーケティングの時代」 です。これに対応するには社員、従業員の個々が自分の人間性を高めなければならない。その前提になるのは、自己に対する確固たる存在感の確認ということがどうしても必要になってきます。
 それを自覚させるには、会社が 「あなたは会社にとって必要な存在である」 ということを、はっきりしたかたちで示さなければなりません。これは裏返せば、自分は 「役に立つ人間である」 ということを自覚することです。(p.182)
 社長さん自らがこう書いている船井総研の場合ならいいだろうけれど、大方の企業は、いつでも代替の効く要員程度の認識で社員を使っているのではないだろうか。
 派遣社員として働いている人は、技能によって 「役立つ人間である」 対価を受け取るのみである。であるにせよ、人間性の向上を放棄すると、人生がカサカサになってしまう。

 

 

【些細な仕事をばかにする人】
 些細な仕事をばかにして真剣に向き合わない人は、夢を全くもっていないか、大きな夢をもつことができないでいる人といっていいでしょう。(p.187)
 これは当たっている。夢も目標もない人は、周囲に対しても次第に無関心になってゆく。身の回りの清掃すらしないし、人との交わりですら嫌悪するようになる。夢も目標も持たないということは、自分自身の存在感を持たないということになる。人生の意味が消失している。

 

 

【会社と社員の関係】
 会社と社員の関係で、すべて束縛を前提にした徒弟制度(滅私奉公的な昔の制度)が通用した時代は終わっています。これからは社員を信頼して、社員に自分自身の目標を決めさせて、それにチャレンジするのを手伝うという、いわゆるサポート型リーダーシップをもって人間関係を構築していくことが大切です。(p.195)
 このような関係構築を大切と考えるのは、人の成長と企業の成長はイコール、と認識しているからなのだろう。

 

 

【洋服の所有数】
 昨今の日本の20代前半の女性は、下着を除いても平均160着の洋服を所有していると言われています。(p.216)
 この数の多さにビックリしたから書き出しておいた。

 

<了>