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 著者は、ヒット広告請負人的な著名人らしい。変わったお名前である。小中学生の頃は “かしわ餅” とか、あるいは “モッちゃん” って呼ばれてたんじゃないだろうか。吉本の芸人さんなら、「アンタの名前、可笑しいわ」 っていうに決まっている。

 

 

【答えはいつも相手の中にある・相手の思いを整理する】
 「いろいろなジャンルのプロジェクトを数多く手がけていて、アイデアが尽きることはないのですか?」。こう聞かれることも多いのですが、その心配は全くありません。なぜなら、答えはいつも、自分ではなく相手のなかにあるからです。それを引き出すために、相手の思いを整理するということが、すごく重要になってくるのです。(p.29)
 アートディレクターである著者のやり方は、賢明な占い師さんとのやり方と同じである。
 ポイントの答えを出せない人って、心の中の想いが整理されていなくて、身の回りもきっとゴチャゴチャである。

 

 

【思考回路を整理する】
 なぜこのデザインにしたのかという過程を相手に理路整然と語れるように、自分の思考回路の整理をきっちり行うようにしたら、作品からあいまいな部分がどんどん消えていきました。頭の中に一点の曇りもなくなると、目的がフォーカスされて、ピシッと論理の筋道が通ったのです。(p.37)
 あいまいな状態のまま煮詰めると、その状態が濃縮されたまま、より不分明な状態が継続されるだけである。
 整理は、分類と削除を専らとする抽出作業のようなものだろう。理性的な作業のように見えるけれど、思いを整理することでもあるから、神霊的な重たい思いの雲も払われて、より軽快な神霊界が萌すがゆえに、直観的な能力が働きやすくなり、より冴えた状態になるのである。
 整理というのは、価値観を変えてしまうほどものすごい力を秘めているのです。(p.37)
 このことを自覚して以来、本当に必要なものをポケットの入れるだけで、鞄も持たなくなったという。
 事務所も、鞄も、PC内のデータも、徹底的に整理している様子が記述されている。
 「思考の整理」 の前に 「情報の整理」 があり、
 「情報の整理」 の前に 「空間の整理」 がある。

 

 

【整理と問題解決は、同じ・・・】
 最期に、ぜひ強調しておきたいことがあります。
 “整理をすること” と “問題解決” は、別ものだと思っていた人も多いのではないでしょうか。整理は事務的な作業、問題解決は別の次元のクリエイティブな作業だ、と。
 そんなことはないのです。「整理と問題解決は、同じベクトルでつながっている」 ということが、各章の内容から感じてもらえたと思います。 “問題解決” は、 “あるべき姿を見つけること” と置き換えてもいい。あるべき姿を見つけるひとつの方法として、整理術があるのです。(p.216)
 人生をリセットしたい人は、まず身の回りの整理整頓から。

 

   《参照》   『清掃が変える会社が活きる』  山本健治  日本実業出版社
              
   《参照》   『志のみ持参』  上甲晃  (致知出版)

 

   《参照》   『魔法の時間を作る50のヒント』  中谷彰宏  三笠書房

             【持ち物と時間】

   《参照》   『心を整える』 長谷部誠 (幻冬舎) 《前編》

             【ドイツの諺】

   《参照》   『禅、シンプル片づけ術』 枡野俊明 (河出書房新社)

             【清掃開始】

 

<了>