完全なるリベンジ。第16節。VS契約無視され不当解雇された因縁の古巣パリーヤス・オネ。ホーム。 | 元U-20ホンジュラス代表GKコーチ・山野陽嗣の「世界一危険な国での挑戦」

完全なるリベンジ。第16節。VS契約無視され不当解雇された因縁の古巣パリーヤス・オネ。ホーム。



解雇の理由【後編】の続きです。



VSパリーヤス!2014年3月30日②



 ついに、「この日」がやってきました。


 皆さんは、まだ覚えていらっしゃるでしょうか?

 昨季、所属していたパリーヤス・オネにて、契約がまだ半年残っているにも関わらず(しかも、チームから課されていた「ノルマ」を達成したにも関わらず)、信頼していたアミーゴだった監督が新たに就任し、彼によりまさかの契約無視され不当解雇された、あまりにも屈辱的な出来事…。これにより路頭に迷いかけた過酷な日々…。※詳しくは→『解雇の理由【後編】


 僕はこの屈辱と苦しみを、片時も忘れた事はありません。


 当時のブログに、僕はこう書きました。



 「サッカーの借りは、サッカーで返す


 「
今後、チームが決まったら、試合で必ずパリーヤス・オネをコテンパンに叩き潰して、この借りを100倍にして返します。必ず…」




 …「その日」を、ついに今日、迎えたのです。




 実は第7節にパリーヤス・オネとはアウェーで対戦し、4-2で勝利を収めています。

 しかし、その時は僕は首都で例のライセンス取得のために戦っている最中であり、残念ながら試合には帯同できませんでした。いくらチームが勝利しても、自身が試合に帯同できなかったので、僕の中では「リベンジ」は成立していませんでした。本当の意味で、気持ちが晴れる事はなかったのです。


 「ホームで行われるパリーヤス・オネ戦に5-0で勝って、必ずリベンジを果たす」


 …そう、心に誓っていました。


 昨季、パリーヤス・オネの一員として、当時の古巣であるレアル・ソシエダと戦った時もそうでしたが、今回、レアル・ソシエダの一員として迎えた古巣パリーヤス・オネとの一戦でも、僕は誰よりも「古巣」パリーヤス・オネの選手たちの特徴を知り尽くしているので、できる限りの情報をレアル・ソシエダのチームメイトに伝えました。

 例えば、僕は約4ヶ月間、パリーヤス・オネの正GKであるマリオにGK練習を行ってきたので、マリオの長所も短所も当然、知り尽くしています。試合までの3日間の練習の中で僕は、「パリーヤス・オネの正GKマリオは、反応が速くてシュートストップは良いものをもっているが、キャッチング技術に難がある。特にグラウンダーのシュートに対して弱く、5本に2本はキャッチできずにファンブルして前に弾くから、誰かがシュートを打った際は必ずセカンドボールを常に狙って詰めてくれ」とチームのエースで得点王かつホンジュラス代表FWであるロニー・マルティネスを中心に、全選手に話して伝えました。



 「リベンジ」の準備は整った。


 この試合だけは、絶対に負けられない。いや、「勝利」以外は許されない。


 神様は、必ず見ている。「理不尽」に、手痛い制裁を…。


 己のプライドを懸けた一戦。



 果たして、結果は…?




VSパリーヤス!2014年3月30日④


VSパリーヤス!2014年3月30日③




※赤がレアル・ソシエダです。







 レアル・ソシエダ、「2-0」でパリーヤス・オネに完勝!!


 因縁の古巣に対して、完全なるリベンジを果たす!!



 「打ち合わせ通り」FWロニー・マルティネスが、パリーヤス・オネGKマリオの「弱点」であるグラウンダーシュートのキャッチングミスをしっかり詰めてゴール!!ロニーは圧巻の先制点含む2ゴールで、これで16試合15ゴールで断トツの得点ランクトップ!!(2位が9ゴールなので、正に断トツです!!)リーグ戦、残り2試合で2点以上決めれば、ホンジュラスリーグの「1シーズン最多得点記録(16ゴール)」を塗り替えるという驚異的な活躍。現在、ホンジュラスリーグで最高のFW。ブラジルW杯にも出場する可能性大。真面目で前線からの守備も献身的にするなど、日本のサッカースタイルにも合う選手。Jリーグ関係者の皆さん、いかがですか?※興味がある方はご連絡下さい。→ cafehondurasyoji@hotmail.co.jp


 
確かに試合前に目標としていた「5-0」に届かなかった事は残念でしたが、この日の勝利は点差以上に深刻なダメージをパリーヤス・オネに与える事となりました。

 パリーヤス・オネの最大の目標は「6位以内」に入って「上位プレーオフ」に進出する事で、前節まで彼らは粘って常にその「6位以内」をキープしていたのですが、この日の敗北によりとうとう「7位」に後退…。残り2試合に勝っても他チームの結果次第となり、「自力での上位プレーオフ進出が消滅」しました。パリーヤス・オネの監督(裏切って僕を解雇にした監督)は2失点目が入った時は、もう呆然自失…(上の動画にその表情が映っています)。試合後は、いつもの強気のコメントは出てこず「とにかく悲しい」と弱気な発言を連発するなど、相当なショックを受けていました。それもそのはず。この「上位プレーオフ」に進出できなければ、シーズン終了後に間違いなくこの監督は「解任」されるのです。今頃、彼は、不安で一杯だと思います。…しかし、自業自得。神様は、ちゃんと見ている。理不尽な事をしたら、後に必ず「天罰」が下る…。

 こうして僕の彼に対する リベンジ完全に果たされました。「サッカー」によって…。


第16節を終了してのホンジュラスリーグ順位表。7位に後退して自力での「上位プレーオフ」進出が消滅したパリーヤス・オネ(Parrillas O.)とは対照的に、「上位プレーオフ」を経ずに直接「準決勝」に進出できる2位以内を射程圏内に入れる「3位」に着けるレアル・ソシエダ(R.Sociedad)。残り「2試合」が勝負です!!

VSパリーヤス!2014年3月30日⑤



 今季のパリーヤス・オネは、お金をケチってとてもプロとは言えないムチャクチャなオーガナイズをした自分が居た昨季と違い、昨季はゼロだった外国人選手も大金をはたいて3人の強力なコロンビア人選手を獲得し、遠征のバスも高級なものに変えるなど、昨季とは比べものにならないほどの資金を注ぎ込んで今季に勝負を懸けたのですが、思うような成果は出ていません。なぜか?それはチームが「いくらお金を使って良い選手やバスを入手しても、肝心の『選手の意識』が低ければ意味がないし勝てない」という根本的な事を、まるで理解していないから。昨季、自分もパリーヤス・オネのプロ意識の低い選手たちには散々困らされてきましたが、監督と共に厳しく対応して何とかまとめていました。しかし、今季、就任した例の新監督は緩いので、チームは昨季以上に無法地帯と化して規律がまるで無くなっています。そんな選手たちにいくらお金を注ぎ込んでも、それはまさしく「猫に小判」「豚に真珠」。全く、無意味なのです(もちろん、勝てない理由はそれだけじゃなく戦術的な側面もありますが、今回はそこは省略させて頂きます)。

 それに比べてレアル・ソシエダの選手たちは、金銭的にはパリーヤス・オネほど恵まれてはいませんが、プロ意識が非常に高い。その「差」が順位の「差」にも出ています。この事はパリーヤス・オネに自分が居た時に、選手たちに何度も説いてきた事…(ところが多くの選手は理解しようとはしなかった。もちろん理解してくれた選手もいたが)。いかに「意識」が大切か…。それが正しかった事も、この日の勝利で証明されました



 試合後…。昨季までの仲間であるパリーヤス・オネの選手たちと健闘を称え合っている所に、パリーヤス・オネのチーム幹部が通りかかりました。このチーム幹部は、約束された住居をいつまで経っても準備せず、最強に不衛生でサソリも出るクラブハウスに大量の選手と共に僕を住まわせて「地獄」の苦しみを与えるなど、散々、僕を困らせた人物。正直、できる事なら顔も見たくない…。そういう心境でした。それでも、ここホンジュラスでも「かつての仲間に試合後に挨拶をする」文化があるので、散々、僕を困らせてきた人物である彼に対しても、敬意を込めて挨拶に行きました。すると…。

 この人物は負けた怒りの矛先を僕に向けてきて、こちらの挨拶を無視して訳わからん暴言を吐いて、僕を罵倒してきたのです。

 これにはさすがに「何だコイツは?大人気なさ過ぎだろ!?」と腹が立ちましたよ。

 けど、それと同時に…


 「負けた後にいくら吠えても、負け犬の遠吠えに過ぎない。悔しかったら、勝ってみろ。それができないなら、黙ってろ。どんなに罵倒してきても、勝者は俺たちなんだ。その事実は、吠えようが叫ぼうが、どうやっても変えられない」


 …と、心の中でほくそ笑みました。この瞬間、この人物に対するリベンジ完全に果たされた…そう、感じました。
 


 今季、パリーヤス・オネが「2戦2敗」したのは、我々レアル・ソシエダのみ。

 奇しくも、昨季、レアル・ソシエダが「2戦2敗」したのは、当時、自分が所属していたパリーヤス・オネのみ


 「古巣」にだけは、絶対に負けない。「古巣」に対する強さを、今季も証明する事ができました。




 こうして、契約無視され不当解雇された因縁の古巣パリーヤス・オネに対するリベンジ劇は幕を閉じました。

 本来、「怒り」や「憎しみ」をモチベーションにするのは好きではないのですが、今回だけは特別でした。


 リベンジを無事に果たす事ができ、レアル・ソシエダのチームメイトたちに対する心からの感謝の気持ちと、「この素晴らしいレアル・ソシエダの選手やコーチングスタッフたちとチームメイトで本当に良かった。こんな仲間たちに恵まれて幸せだ」という気持ちが溢れてきました。



 古巣パリーヤス・オネへの「リベンジ」は果たしましたが、僕のホンジュラスサッカー界での挑戦は、まだまだ続いていきます。

 この試合が16時に終わった後…。同日の深夜1時半の夜行バスに乗って首都の手前のシグアテペケという場所に7時間かけて行き、2度目の召集(1度目は→【こちら!】)を受けたU-20ホンジュラス代表の合宿に参加。

 レアル・ソシエダのみんなは、この試合の翌日はオフでしたが、僕にオフはありません。

 チームと代表の掛け持ちによる「スーパーハードスケジュール」と「鬼のバス移動」で心身ともにキツく、また金銭的にもチームで給料未払い問題が再び起き、代表に行く交通費も協会から支給されず自腹で、「働けば働くほど貧しくなる」というありえない状況で本当に苦しいのですが、で最後までやり切って、必ず実現させます


※今季、「55試合連続フル出場」中で、「2季連続リーグ最小失点」の不動の正GKサンドロ・カルカモからスタメンの座を奪い、26歳で「1部リーグデビュー」を飾った遅咲きのGKオスカル・ギエン。この日も上の動画にあるように強烈なFKをスーパーセーブするなど、大活躍で無失点勝利に貢献。なぜ、サンドロはスタメンを奪われ、ギエンが出場するようになったのか?その理由はまた後ほど詳しく書かせて頂きます。それにしても「魂のGK」小澤英明さんからもらった「魂の帽子」が使い過ぎて色があせまくり、形も変形しています(汗)。この帽子も魂で最後まで使い切るぞ!!

ギエンと!2014年3月30日(日)




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