今回のテーマはスポーツビジネスというよりも、一般の経済学の要素がある。それを考慮した上で読んでもらいたい。

冒頭のタイトルにある「10000円札の原価」とあるが、みんなのアイドル福沢諭吉。

彼は寂しがり屋でお財布というモノを仮の住処にしてすぐ仲間のお札の方に行ってしまう。

そんな10000円札について1つ問題。このお札を製造するための原価はいくらでしょうか?

半分の5000円?もっと安くて3000円?もしかして1000円以下⁉︎

ブー。時間切れ。正解は

約23円。

この事実を今初めて知った人は驚愕しているだろう。

日銀という組織はたった23円の原価で作った紙切れに10000円の価値を保証して、日本国内に流通させているのだ。

筆者みたいな一般人が同じことをしたら詐欺で捕まってしまう。

しかし天下の日本銀行はそんな無茶な荒技が可能なのである。

しかし考えてみるとどうしてそんなことが可能なのか?どういうカラクリで、そんな付加価値をつけているのか?

今回のテーマは少しスポーツビジネスとは離れるが、②へと続く。


①では21世紀の現在において、世界のサッカーはバルセロナ化が進み、均一化しているという話をした。

それは画一化になりつまらない部分もあるが、筆者はそれでも世界サッカーのバルセロナ化には賛成というスタンスを取った。

ここからはその理由を述べていきたい。

現在サッカーのバルセロナ化。それは言葉を変えれば、攻撃的なサッカーがスタンダードになる、ということである。

実力差があれば点差が青天井になるスポーツに野球とバスケットがある。

しかしこの2つのプロリーグを観ると、実力差が拮抗すればするほど、守備に重点を置くプレーに終始する。

野球でも理想のスコアは3-2というし、Bリーグでも100点ゲームはほとんどない。

プロのリーグ戦という長丁場ではいかに得点するかというより、いかに失点しないか?というところに重きを置かないと淘汰されてしまう。

しかし頻繁に点が入る野球やバスケットならそれでもいいが、サッカーは究極のロースコアゲームである。

スコアレスドロー(0-0)という試合結果も普通にあり、コアなサッカーファンはそうした試合にも楽しみを見つける術を身につけている。

しかしたまの週末の午後をランチで贅沢ができるお金を費やしてスタジアムに来る一見さんにとっては、そうした試合はたまったものではない。

サッカーにおいてリピーターを増やすには、当たり前だがやはりゴールシーンが多いことである。

そうしたゴールシーンの多い試合の完成形は何か?

そう。それがFCバルセロナの攻撃的なサッカーなのである。

今回のテーマはややもすると陳腐に聞こえるかもしれないが、草の根レベルでサッカーファンを増やすには意外と重要なテーマである。

プロはゴールの多い試合を沢山作ることによってファンが開拓できることを忘れてはいけない。

凡戦の末の勝利には先細りの結果した待っていないのだ。
冒頭のタイトルを「何だコリャ?」と思う読者もいるだろうが続けたい。

世界で最も愛されているスポーツ・サッカー。

そうしたサッカー界の頂点に立つのがスペインのFCバルセロナ。

オランダ人ヨハン・クライフが長年の試行錯誤の末に構築した全員で攻撃と守備を果たすムービングサッカーの完成形。

選手もボールもよく動く。以前欧州の監督で「ボールは汗をかかない(スタミナ切れをしない)」といった人がいた。

その言葉ではないが人もボールがよく動くことによって、観る者を飽きさせないサッカーがスペインで完成した。

それがFCバルセロナのサッカーである。

そうしたクライフのサッカー哲学というのはインターネットという文明の利器によって世界中に伝播した。

そうして世界のいたるところに広がったバルサイズムのようなスタイルは成功するかしないかは別にして、どこの地域のクラブでも見られるようになった。

そうした一方で、世界サッカーのバルセロナ化というのはもう1つの弊害も生まれた。

世界中に「バルセロナ」という正解ができたことによって、皆サッカーが均一化したという現実である。

そのためかつてはW杯などで見られたサッカーのお国柄のようなモノが、今のピッチの上にはなくなりつつある。

だが、それでも筆者は「世界サッカーのバルセロナ化」には賛成したい。

その理由は②で述べていく。