製造業を支援していると「工程改善をすれば生産性が一気に上がるのに…」と思うことがよくあります。しかし、行政機関の支援では踏み込んだ助言が難しい場面もありました。だからこそ、経営者や管理職の方には 既存工程を疑う視点 をぜひ持っていただきたいと思います。そのための第一歩が「データで工程を見える化する」ことです。
1.工程ごとの稼働率や歩留まりを数値化する
工程を分解してみると、前後の工程に「待ち」を生じさせている箇所が出てきます。これが ボトルネック工程 であり、改善の最優先対象です。
-  
稼働率:極端に高い工程はボトルネックの可能性大
 -  
歩留まり:不具合が多く、品質ロスを出している工程は改善必須
 
まずは、工程ごとの稼働率・歩留まりを算出し、数値で現状を把握しましょう。
2.「忙しい」ではなく数字で示す
現場分析をすると、熟練工から「ここは忙しい」という声が必ず出ます。しかし、それは経験や主観に基づくケースが多く、必ずしも客観的ではありません。
改善ポイントを見極めるには、
-  
稼働率
 -  
歩留まり
 -  
戻り作業(手直し)の件数
 
といった 数値データを表やグラフで可視化すること が不可欠です。感覚に頼らず、まずは数字で全体像を掴むことが重要です。
3.データから改善策を導き出す
データを分析すると、例えば以下のような改善策が浮かび上がります。
-  
ボトルネック工程の前処理を工夫する
例:部品をあらかじめキット化して流すことで、組立工程の稼働効率を高める。 -  
歩留まり改善の仕組みを導入する
例:不具合の原因を分析し、余裕のある後工程の担当者に改善タスクを振る。 
ボトルネックを改善すれば、結果的に 生産性向上・コスト削減・人件費削減・納期短縮 といった効果が一気に現れます。
まとめ
工程改善は「感覚」ではなく「データ」で行うことが肝心です。稼働率や歩留まりといった指標を定期的に記録・分析すれば、改善ポイントは自然と見えてきます。
 ぜひ、データを活用した工程改善に取り組んでみてください。




