企業の「健康チェック」というと財務諸表の話と思われがちですが、今回は人の健康についてです。
経営者・管理職・従業員の心身の健康は、企業の成長を支える大切な基盤です。長期的な視点で健康維持に取り組むことが、結果的に企業の利益向上にもつながります。

1.健康診断結果や運動習慣をデータ化する

健康診断の結果は、企業でも確認できる重要なデータです。産業医と連携して分析すれば、生活習慣病のリスクを早期に発見し、未病の段階で対策できます。

さらに、従業員の運動習慣をアンケートで把握し、個々に応じた運動メニューを提案することも効果的です。たとえば、月次で簡単な運動レポートを提出してもらうことで、健康管理を「見える化」し、福利厚生の一環として浸透させることができます。

2.健康経営が生産性・定着率を向上させる

健康への意識改革は、最初は従業員の抵抗を招くことがあります。ですが、セミナーや研修を継続的に実施することで、徐々に健康管理が「会社の文化」として根づいていきます。

  • 体調が安定することで業務効率が向上

  • 心身の健康維持が離職防止につながる

  • ワークライフバランス改善で組織の雰囲気が向上

さらに「残業削減 → 基本給に還元する」という明確な方針を示せば、従業員の納得感も高まり、健康経営が経済的メリットとして受け入れられやすくなります。

従業員が健康チェックでリフレッシュ

3.個人情報への配慮は必須

健康データを扱う際にもっとも注意すべきは個人情報の取り扱いです。
企業が「善意」で共有した情報でも、従業員にとってはプライバシー侵害に感じられる場合があります。

特に導入初期は細心の注意が必要です。以下の工夫が効果的です。

  • 個人情報を匿名化・集計データとして活用する

  • 外部の第三者機関(例:産業医・社労士)に運営を委託する

  • 「健康経営の目的は従業員の幸せ」であることを明確に伝える

まとめ

健康経営は特別な仕組みを導入しなくても、既存の健康診断や生活習慣データを活用するだけで始められる施策です。
小さな取り組みから始めて、ぜひ組織全体の活性化につなげてください。

本日もありがとうございました。

経費が高騰している今、多くの企業が節約策を講じています。
しかし、本当に節約すべき箇所に手が届いていない企業が多いのも事実です。

例えば、

  • 会議室の電気をこまめに消す

  • お昼休み中にオフィスの照明を落とす

こうした努力は立派ですが、在庫管理や原材料の発注にはノータッチというケースも少なくありません。

節約はネガティブに見られがちですが、実際には 余剰資金を投資に回せるポジティブな手段 です。
だからこそ「目に見える小さな節約」だけでなく、コスト全体を見直す取り組みが必要なんです。

原材料手配でできる節約術

原材料は物流費や人件費、為替の影響で、以前とは比べものにならないほど高騰しています。
では、どう安くするか?

私がおすすめするのは、商社を活用した一括管理 です。

倉庫でタブレットを持つ女性

商社を活用するメリット

「商社は手数料を抜いて高い」と思われがちですが、実際には次のような効果があります。

  • 発注窓口を一本化 → 社内事務コスト削減

  • 在庫の一部を商社側が持ってくれる(条件次第)

  • 不具合時の対応も商社が一括で請け負う

  • 在庫管理を商社と連携できる → キャッシュフロー改善

確かに原材料の単価は上がるかもしれません。
しかし、人件費削減や在庫圧縮の効果の方が大きく、結果的に資金繰りが楽になる のです。

節約は“未来の成長資金”に変わる

こうして浮いた余剰資金を、社員研修や設備投資に回せば、企業の成長はさらに加速します。

節約=コストカットではなく、未来への投資資金をつくる仕組み と考えると前向きになれますよね。

経営者の視点で「本当に効く節約」を考え、成長資金に変えていきましょう。

 

本日もありがとうございました。

製造業では、原材料費・光熱費・人件費の高騰が経営を直撃しています。
国も「売価に転嫁せよ」と促していますが、下請け体質が根強く、価格改定が難しい企業は少なくありません。

しかし、売価を変えられなくても経営を続ける方法はあります。
それが 製造ラインのムダを減らし、生産効率を高める取り組み です。意外と見落とされがちな改善余地が多く眠っています。

1.不良率・停止時間を測定する

不具合が発生すると、多くの現場は「修理して納期に間に合わせる」ことを優先しがちです。
しかし、これは根本原因を放置したままの 悪循環 です。

まずは、以下を数値化してください。

  • 不良率(歩留まり):製品の不具合発生割合

  • 工程ごとの停止時間:どの工程で生産が滞っているか

これにより、ライン全体のボトルネック工程が見えてきます。

2.不具合の集中工程を特定する

不具合発生率は、多くの場合、特定の工程に集中しています。

  • 熟練工の「勘」に頼っている工程

  • 担当者が変わると不良率が急上昇する工程

こうした属人化した作業は、ボトルネック工程 となりやすいのです。
そこで、デジタル機器やセンサーを導入し、勘や経験ではなく 誰でも再現可能な仕組み に置き換えていくことが必要です。

製造ラインの効率化と生産性向上

3.改善がもたらす効果

ボトルネック工程を改善すると、次の効果が一気に表れます。

  • 原価低減:不具合ややり直し作業が減り、材料・人件費・光熱費が削減

  • 納期遵守率の向上:戻り作業が減少し、計画どおりに製造が進む

  • 利益率改善:コストが下がることで、売価を変えなくても利益が確保できる

まとめ

製造業の経営者・中間管理職の方は、ぜひ自社の製造ラインを 数値で可視化 してください。
感覚や勘ではなく、データで冷静に現状を把握することが、利益改善の第一歩です。

本日もありがとうございました。

小売業の経営者からよく聞くのが、
「売上は伸びているのに、利益が出ない…」という悩みです。

原因の多くは、仕入原価の高騰に対して売価を据え置いていることです。
結果として売上高が上がっても、利益率が低下し、場合によっては赤字販売になってしまうのです。

ただし、いきなり売価を上げるのは難しいと感じる方も多いでしょう。そこで活用したいのが POSデータ です。売れ筋商品を数値で把握すれば、利益率改善の糸口が見えてきます。

1.POSデータから人気商品を抽出

POSデータを分析すると、勘や経験では見えなかった「本当の売れ筋」が浮かび上がります。

  • 売上高・販売数量・利益率を軸にトップ10を抽出

  • 数量は少ないが単価が高い商品

  • 数量は多いが利益率が低い商品

  • 数量・売上・利益率すべて高い「優等生商品」

この優等生商品を見つけ出し、仕入条件や販売戦略の中心に据えることが重要です。

ドラッグストアと女性

2.POSデータを在庫・仕入計画に活かす

売れ筋商品が分かれば、次は仕入と在庫の最適化です。

  • 仕入量をまとめることで原価を下げられないか

  • 在庫が過剰になっていないか

  • **仕入債務回転率(売上原価 ÷ 仕入債務)**を確認し、資金繰りに無理がないか

さらに 在庫回転率(販売数量 ÷ 平均在庫数) を算出することで、商品ごとの効率性が見えてきます。

3.販促や商品開発のヒントにする

データから見えてきた「利益率が高い商品」「売れ行き好調な商品」は、販促の重点対象にしましょう。

  • POPやSNSで商品の魅力を訴求し、販売数量を増やす

  • 数量が伸びれば仕入条件交渉が有利になり、さらに利益率改善につながる

  • 利益率は高いが販売数が少ない商品は、販売強化のきっかけにする

売価変更が難しい場合でも、データに基づいた在庫・仕入・販促の工夫で利益率を改善することができます。

まとめ

POSデータを活用すれば、

  • 売れ筋商品の正体が明らかになる

  • 仕入・在庫計画の改善につながる

  • 販促や新商品の開発にも活かせる

数字に基づいた判断は「売価を変えられない」という思い込みを突破するヒントになります。
ぜひデータを活用し、利益体質の強化に取り組んでみてください。

本日もありがとうございました。

働き方改革は貴社で進んでいますか?
経営陣が「働き方改革だ!」と旗を振っても、具体策を示さず中間管理職へ丸投げ──結果として何も進まないケースをよく耳にします。さらに、旧来型の価値観と若手社員の意識のギャップが組織を停滞させることもあります。

例えば…

  • 「残業してでも仕事を終わらせるべき」と考えるベテラン

  • 「定時で帰るのが当たり前」と考える若手

この認識の不一致が、生産性低下を招いているのです。
そこで役立つのが、勤務データを用いた客観的な分析です。

1.勤怠データで長時間労働を可視化

勤怠管理はデータ化されていますか?
もし紙やタイムカードのままであれば、まずはシステム導入が必須です。

データ化すれば、誰がどれだけ残業しているかが一目で把握できます。たとえば主任クラスの残業が突出している場合、原因は大きく2つです。

  • 若手が業務をやり切れず、主任がフォローしている

  • 主任が必要以上に残ってしまっている

データはあくまで入口。そこから実態を掘り下げることが重要です。

勤務データ分析で働き方改革

2.部署ごとの偏りを明らかにする

勤怠データを部署別に分析すると、残業時間や有休消化率の偏りが浮かび上がります。

  • 残業が多い部署 → 業務量過多か、人員配置のミスマッチ

  • 有休消化率が高すぎる部署 → 一見効率的でも、実は業務負荷が少なすぎる可能性

「数字で示す」ことで課題の本質を客観的に把握できます。

3.データ公開で公平性を担保する

数値は嘘をつきません。だからこそ、公平な基準として使えます。

改善策を進める際には、当事者にもデータを公開し、議論を「責める場」ではなく「改善の場」として運営しましょう。データを共通の土台にすることで、感情論を避け、建設的な合意形成が可能になります。

まとめ

勤務データを活用すれば、感覚に頼らず、客観的な根拠に基づいた働き方改革が実現できます。
働き方改革=データ改革と言っても過言ではありません。ぜひ現場改善の一歩として取り入れてみてください。