製造業では、原材料費・光熱費・人件費の高騰が経営を直撃しています。
国も「売価に転嫁せよ」と促していますが、下請け体質が根強く、価格改定が難しい企業は少なくありません。

しかし、売価を変えられなくても経営を続ける方法はあります。
それが 製造ラインのムダを減らし、生産効率を高める取り組み です。意外と見落とされがちな改善余地が多く眠っています。

1.不良率・停止時間を測定する

不具合が発生すると、多くの現場は「修理して納期に間に合わせる」ことを優先しがちです。
しかし、これは根本原因を放置したままの 悪循環 です。

まずは、以下を数値化してください。

  • 不良率(歩留まり):製品の不具合発生割合

  • 工程ごとの停止時間:どの工程で生産が滞っているか

これにより、ライン全体のボトルネック工程が見えてきます。

2.不具合の集中工程を特定する

不具合発生率は、多くの場合、特定の工程に集中しています。

  • 熟練工の「勘」に頼っている工程

  • 担当者が変わると不良率が急上昇する工程

こうした属人化した作業は、ボトルネック工程 となりやすいのです。
そこで、デジタル機器やセンサーを導入し、勘や経験ではなく 誰でも再現可能な仕組み に置き換えていくことが必要です。

3.改善がもたらす効果

ボトルネック工程を改善すると、次の効果が一気に表れます。

  • 原価低減:不具合ややり直し作業が減り、材料・人件費・光熱費が削減

  • 納期遵守率の向上:戻り作業が減少し、計画どおりに製造が進む

  • 利益率改善:コストが下がることで、売価を変えなくても利益が確保できる

まとめ

製造業の経営者・中間管理職の方は、ぜひ自社の製造ラインを 数値で可視化 してください。
感覚や勘ではなく、データで冷静に現状を把握することが、利益改善の第一歩です。

本日もありがとうございました。