「事業承継」がうまくいかない本当の理由とは?
事業承継って、実はかなり高度な経営プロセスなんです。
中小企業だけでなく、大手企業でも――
「承継が失敗して、元社長が再び社長に戻った」
なんて話、珍しくありません。
ワンマン経営で成長してきた会社ほどこの傾向が強いですが、
歴史ある企業でも同じようなケースは多いですね。
では、なぜ事業承継はこんなに難しいのか?
それは、社長が経営に“しがみついてしまう”からです。
私が事業承継を支援するときに必ず行うこと
私が事業承継をサポートするときは、必ずコンサルタントを2名体制にしています。
私が現社長または後継者のどちらかにつき、
もう1名が反対側を担当して“橋渡し役”になるんです。
こうすると、双方の本音が出やすく、承継がスムーズに進みます。
この方法については、また別の記事で詳しく紹介しますね。
今日はその前段として、
**「社長が疲弊せずに事業承継を進めるための3つのステップ」**をお伝えします。
① 「社長ができることは後継者もできる」と認識を改める
事業承継の最大の壁は、現社長の自己承認欲求です。
自分が会社を育ててきたという誇りが強いほど、
つい「後継者はまだまだだ」と思い込んでしまう。
その結果、後継者のモチベーションを奪ってしまい、
結局、承継が頓挫してしまうんです。
後継者に社長が求める作業や判断をやらせてみてください。
おそらく、意外とできてしまうはずです。
「任せる勇気」を持つことで、次のステップが見えてきます。
② 「任せて見守る」スケジュールを作る
次に大事なのは、実際に仕事を任せること。
現社長の業務をスケジュール化して、
少しずつ後継者に引き継いでいきましょう。
途中で口を挟みたくなっても、グッと我慢。
相談された時だけ助言し、報告は電子レポートで可視化する。
結果を一緒に検証して、改善点があれば助言する――
この流れを繰り返すことで、後継者の判断力が格段に磨かれていきます。
③ 承継後は「出社しない勇気」を持つ
これが一番難しいポイントです。
事業を正式に引き継いだ後は、
たとえ会長職として残る場合でも会社に出社しないようにしてください。
もしどうしても仕事を続けたいなら、
別オフィスを借りて研究を続けたり、社外活動をするのがおすすめです。
なぜか?
後継者よりも元社長に指示を仰ぐ社員が必ず出てくるからです。←これが本当にまずいんです!
そうなると、後継者の統率力が失われ、
会社が二重構造になってしまいます。
頼られていい気分になるのは分かりますが、
それこそが「失敗する事業承継の典型」です。
🌱まとめ:事業承継の本質は“自己承認の手放し”
事業承継が難しい最大の理由は、
経営の技術でも制度の複雑さでもありません。
それは、現社長の自己承認欲求です。
「まだ自分がいないとダメだ」という想いが、
後継者の芽を潰してしまう。
だからこそ、
・任せる勇気
・見守る覚悟
・手放す決断
この3つを意識することが、成功への第一歩です。
詳細なノウハウはまた別の記事で紹介しますね。
まずは、“社長の意識を変えること”が最大の改革だと覚えておいてください。




