起業したばかりの小さな会社にとって、人手不足は大きな悩みのひとつですよね。
「人件費が高い」以前に、知名度がないから人が集まらない──コンサル支援の現場でもよく聞く声です。

採用しても、もしその人が合わなければ人件費だけがかかり、結果としてコスト増…。
正直、知名度が低い状態で優秀な人材を採るのは難しいものです。

そこで今回は、知名度アップ策ではなく、人手不足をポジティブに転換する方法をご紹介します。

1. 人手不足を補う工夫

  • 家族に手伝ってもらう

  • 商工会議所などでボランティアを募る

  • 地域の大学生に「インターン」として来てもらう

お金をかけなくても、人手を集める方法はあります。
しかも、後で彼らにメリットを返せば、関係はもっと強くなります。

例えば──

  • 企業が成長したときに株式を譲渡する約束

  • インターン経験者を優先的に採用する制度

これなら追加融資に頼らず、コスト削減しながら事業を進められるんです。

2.インターンは学生にとっても大きな価値

最近の学生は「ガクチカ(=学生時代に力を入れたこと)」を就活で強くアピールします。
インターン経験は彼らにとって絶好の材料になり、企業にとっても育成の土台になります。

海外では「ジョブ型採用」が主流で、学生はインターンを通して自分を売り込みます。
大手が青田買いを続ける中で、中小企業は別の魅力ある経験を提供することが差別化につながります。

 

女性がサムズアップ、オフィス街でチームが働く

いかがでしょうか?
人材不足はマイナスではなく、外部の力を活かして資金調達につなげるチャンスでもあります。
ぜひ前向きに取り組んでみてくださいね。

先日「ムダ会議の開催」をご提案しましたが、一方でこれが合わない企業もあります。
士気が低い会社で会議を強制すると、活発な議論が生まれず、結局「ムダを見つけるためにムダな会議をしている」という状態に陥りかねません。

これは「コスト削減を意識しすぎている企業」で起こりやすい現象です。
経営層が数字で危機感を持っているのは事実ですが、その空気は社員にも伝わります。数値で理解していなくても「この会社、危ないかも」と感じれば、前向きにムダ探しに取り組む社員はなかなかいませんよね。

そこでおすすめなのが、コスト削減を「楽しみながら取り組める仕組み」に変えることです。具体的には ムダ発見コンテスト を開催するのはいかがでしょうか。

ムダ発見コンテストでトロフィーを持つ女性

ムダ削減コンテストの仕組み

  • 期間:半期(6か月)

  • 報告会:月1回30分で発表

  • 記録方法:エクセルにムダ案件をアップしていく

  • 効果検証:特別チームが削減効果を数値化

  • 報酬:削減額の1%または10万円のいずれか安い方

エクセルに上がってきた案件は、必ず「どれだけ効果があるか」を検証する必要があります。ここは特別チームを設けて数値化してください。

また、削減できた経費の使い道も重要です。これは経営陣と特別チームで決めますが、必ず会社の成長や社員のメリットにつながる使い方にしてください。決して「役員報酬に回す」などといったネガティブな使い道にはしないことです。

これにより、社員はゲーム感覚で楽しくムダ探しに取り組めるようになり、士気もアップ。結果として会社全体の雰囲気が前向きに変わり、社風改善にもつながります。

ムダ削減は短期的な効果だけでなく、中長期的にもプラスをもたらす取り組みなんです。

経営者や中間管理職が時間をかけて作り上げた事業計画。
特に今年度の予算計画が、思うように進んでいない…そんな経験はありませんか?

現場の従業員が思うように動いてくれない。
これ、実はかなり高い頻度で起きています。

なぜか?
従業員からすると「経営陣が勝手につくった予算案」という認識が強く、士気が上がらないからです。
ですから、予算案の作成には従業員も関与させることが必須と考えてください。

今回は、従業員が予算案づくりに関わっている前提で「言い訳を防ぐ施策」をご紹介します。

社員がよく言う言い訳とその対策

まず想定される言い訳をリストアップしましょう。
例えば――

  • 人手不足です

  • 時間がありません

  • 前例がないです

昔、自分も若い頃に言ってませんでしたか?(笑)

これらに対して、あらかじめ社長と中間管理職で対策を話し合っておくのです。

人手不足・時間がない
👉 中間管理職が従業員の作業を分析。紙ベースの無駄な工程はありませんか?デジタル化も検討しましょう。

前例がない
👉 本音では「やりたくない」という気持ち。ここで怒っても逆効果です。
前例がないのは当然。失敗しても中間管理職がカバーすることを保証すれば挑戦できます。

 

予算案作成に悩む女性社員

組織での行動指標を明確にする

対策を決めたら、次は「誰が、いつまでに、何をするか」を組織単位で明確にします。
さらに成果基準も設定しましょう。

人事評価については別記事で詳しく触れますが、例えばボーナス係数に反映させるなど。
同時に、失敗した場合は「なぜ失敗したのか」を記録しておくことが大切です。

失敗を失敗のままにせず、
人を責めずに事実を分析すれば、従業員の経験値になり、企業の経験値になり、会社の成長を加速させる資産になります。

こうした取り組みを繰り返せば、社内から「前例がない」という言葉は消え、挑戦が当たり前の社風をつくることができます。

 

本日もありがとうございました。

 

企業経営をしていると、事業計画を立てることがありますよね。
しかし実際には、立てても「本当に達成できるのだろうか…」と不安に駆られ、計画を縮小してしまう経営者。あるいは、単なる“絵に描いた餅”で終わらせてしまう経営者も少なくありません。

ですが事業計画とは、自社の理想の姿を数字に落とし込んだものです。
だからこそ「どうやって達成するか」を考えるべきなのです。

もし事業計画の達成に不安を感じるなら、まずは小さな目標を月次で設定することから始めてください。
今回は「小さな成功の積み重ね」が事業計画達成につながる具体例を紹介します。

取引先案件を受注するまでの“小さな目標”の分解例

例えば、利益計画の達成には取引先からの案件受注が必要だとします。
そのときに、いきなり強烈な売り込みをかけても効果は薄いでしょう。

そこで、案件受注までを次のように分解してみます。

1)担当者同士で将来案件について意見交換を行う
2)取引先の中間管理職と貴社の中間管理職が打合せを行い、相手の実情を傾聴する
3)得られた情報をもとに、社内で将来案件のヒントを検討する
4)取引先の中間管理職に対してプレゼンの機会を得る
5)プレゼンの改善点を修正し、再度プレゼンを実施
6)決裁者に表敬訪問し、社長同士でアポイントを取る
7)経営者自ら決裁者にプレゼンを行い、将来案件の受託について具体的に話し合う

小さな成功が積み重なると…

ここまで分解して期日を設定し、進捗を管理すれば「意外と事業計画も達成できるかも!」という感覚が芽生えます。

さらに、案件ごとに成果を社員と共有すれば、達成感が社内に広がり、組織が活気づきます。
大きな成果は、小さな成功の積み重ねから生まれるのです。

ぜひ取り入れてみてください。

 

事業計画達成へのサムズアップ

 

本日もありがとうございました。

ムダ」って、製造業を中心に 死に金に直結する大問題 だとご存じですか?
ところが、このムダを意識していない経営者の方は意外と多いんです。

例えば、製造業で各工程を属人化していませんか?
「この人がいないと回らない」という仕組みは、実はムダな属人化の典型例です。
本人は承認欲求を満たせるかもしれませんが、ノウハウは引き継がれず、会社にとってはリスクしか残りません。

経営者も「業務が回っているから」と見て見ぬふりをしがちですが、これこそが大きなムダ。
今日は、その解消のための 仕組みづくり を提案します。

ムダ発見を仕組み化する

  1. ムダ発見会議」を毎週開催
     各部署でムダを持ち寄り、経営者に報告。すぐ取り組めるものは即実行。
     後回しにするものもリスト化して残し、必ず年に一度は見直す。

  2. 年度末に「ムダ解消大賞」を発表
     最も利益につながった改善には報奨金を出す。
     遊び心を加えることで、社員の士気もアップします。

製造業のムダに悩む作業員

実際の改善事例

ある金属加工業の会社では、営業が「日報を書くためだけに残業」をしていました。
その結果、営業活動が停滞し、売上は下降、決算は赤字に…。

私は「日報をやめて、毎朝15分の営業会議に切り替えましょう」と提案しました。
すると、

  • 不要な残業代が削減

  • 形式的な日報がなくなり、実のある意見交換が習慣化

  • 営業成績も回復

という成果につながったのです。

 

ムダの解消は、単なる経費削減にとどまらず、 利益と活力を生む原動力 です。
ぜひ「ムダ発見の仕組み化」に挑戦してみてください。

本日もありがとうございました。