さて、1000形レーティッシュカラーの意外な切迫感に焦った2年半ぶりの箱根登山鉄道。
未更新車といい、ワイドドアといい、記録すべきものがどんどん増えてきている。
そんな焦りがじわじわ広がりつつ、それでもこの日は一体なんでここまで足を伸ばしたのか?
それを差し置いていたら、この日のことが全て無に帰してしまう。
入生田駅にしばらく佇み、その気持ちを再確認して(トイレも済ませて)待機。
アツいぜ、小田急。箱根登山。
13:27。
ゆっくりゆっくり、奴は入ってきた。
列車コード115
はこね15号
行き違いの隙に、車内からはそれとなく撮っていたが…
メインとして箱根登山線内でVSEを撮影するのは、意外にも今回が初めてであった。
そして入生田駅でロマンスカーを撮影するのも、約4年前のLSE定期運転最終日以来のことに。
あの日に並んだロマンスカーはEXEだったが、今回はEXEα。
時代は着実に動いている。
他に撮っている人は誰もいない。
静かで、贅沢な時間。
時間にして約2〜3分。
また静かに、かつ力強く、終着駅箱根湯本を目指す。
床下機器のカバーは、代々木上原〜向ヶ丘遊園間立体・複々線化に関連した騒音対策の副産物。
保守には苦労があったことだろう。
しかし、それを含めてこのVSEのデザインを成立させている。
まだもう少し、箱根の山に挑み続けていく。
ここでは一度、その姿を見送って終わる。
そしてこちらは、もう一駅、小田原方に降りてみる。
かつては小田急車のドアカット・1両分のみ手動開閉という珍風景が日常だった風祭駅だ。
あまりの物珍しさに、自分も約四半世紀前から何度か訪れて撮影しているほどの場所である。
しかし、小田原〜箱根湯本間の小田急車統一により大改良が行われ、対向式ホームに変貌。
そんな変化からも、早いもので14年が経過しようとしている。
ここで改めて途中下車をして、周辺を歩いてみることにした。
風祭駅ホームの小田原方へ回る。
小川というか水路の上を乗り越す。
ちょうど1000形とEXEが行き違った。
ところで、そのホーム脇にはなんと第四種踏切がある。
風祭水車踏切としっかり名前もついている。
どうやらこの踏切の存在が、長いこと風祭駅の改良を阻んでいたようだ。
そうしていると、小田原方からレーティッシュカラーの1000形、1061×4編成がやってきた。
列車の接近は、少し先の第一種踏切である服部第三踏切の警報音に注意を払わなければならない。
平日でも概ね数分おきに列車が往来するから、なかなかな難度である。
そしてそのレーティッシュカラーの1000形が停車したなと思ったら、編成の先から…!