これを書いている今日は、VSE定期運行ラストランまでちょうど一ヶ月前。
やはり想像通りではあったが、10時過ぎに一時は予約サイトのサーバーが落ちるほど加熱した。
しかし、それが過ぎ去ると今回の雪予報が外れたように一気にクールダウン…
日常のロマンスカーというか、鉄道界隈を巡るエトセトラってのは、大概こんなものである。
それは、1月27日木曜日も同じであったが…
この時、実質自分だけは気持ち熱めに動き始めていた。
先ずは、予定外の回送をしてやったりで収めて…
いよいよここから本格的に平日のVSEを追い始める。
濃くなる予兆を捉え、取りこぼさずにいく。
8:49。
折り返し時間、わずか7分。
他に誰も撮っていない、極めて静かかつ贅沢な環境下で。
VSE、ゆっくり入線。
ここまでは会心の成果。
シミュレーション通り、ばっちり記録。
…しかし、
なかなか背後はスリリングだったことに、ギリギリで気づく。
VSE3番線入線と入れ替わりに、4000形下り快速急行が発車。
もう少し4000形の発車が早かったら、入線場面をまるまる被られるところだったのだ。
それでも、すぐに電車は離れていき、独特のカーブするホームで編成写真がゆっくり撮れる。
発車まで約7分。
少し足早に前に回り込む。
実は、本厚木駅でVSEを撮影するのは初めてではない。
昨年5月15日、厚木市文化会館にTUBEのライブを見に行った帰りに偶然撮った写真を先日発掘。
ライブ帰りだったし、夜だったこともあって実にサックリ流れるように撮っただけで…
沿線周辺に用件があった時のフォルダを見返していて、偶然発見して思い出すパターンだ。
そういう何気ない記録も大事だし、こうして時間を割いて積み重ねる記録も大事。
とにかく、日々時々刻々と油断なく、という姿勢で向き合って撮っていかないとね。
そして、発車3分前に3番線へ。
やはりVSE引退が告知されているから、それなりに撮る人はいる。
それでも平日のラッシュタイムを過ぎたところだから、実に穏やかだ。
VSEの乗車口は2〜9号車。
指定席を押さえているのは上りの前展望席、つまり10号車。
それを加味して移動していかないと、乗り遅れてしまうのでまた早足に加速がつく。
とりあえず唇潤し程度のお茶を買い、乗車位置から乗り込む。
LEDの記録も怠りなく。
そうしていると、指定座席に着く頃には動き出していた。
新宿まで47分のミニトリップのスタート!
さがみ70号は、途中町田にのみ停車。
この日は展望席の密度とは裏腹に、一般席はちらほら見かける程度。
それでも、町田までは展望席最前列すらも空いたままの旅立ちであった。
結局定期運行最終日まで、展望席から座席が埋まる、という状況の最近のVSE。
コロナ禍というのもあろうが、それにしてもちょっと寂しい。
だが、このVSEがロマンスカーブランドの復権に大きく貢献したのは揺るがない事実だろうか。
今になってみればEXEの良さにも気づくのだが、やはりロマンスカーは展望席が目玉の一つ。
それを改めて天下に示し、気づかせてくれた名シリーズであったのだと思う。
そして、鉄道車両とは思えない新たな設計思想も取り入れ、内外に進化した姿を魅せた。
そのスタイルはまさに平成時代そのもの、というか、かなり先を行ったものだった。
ロマンスカーに限らず、鉄道車両のこれからの可能性というものを示してくれた。
だが、それにこだわる余りの結果として短命、ということもあるかもしれないが…